落ち武者に剣道を教わった!俺「明日、試合して来ようと思います!」武者さんは黙って俺を見る。俺「勝ってきます!」 武者(深く頷く。)...結果 [衝撃な出来事]
1: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:32:44 ID:Wg9uhnwKv
書き駄目ないけどゆっくり語って行くよ
2: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:37:51 ID:Wg9uhnwKv
今から8年前。丁度10月。俺がまだ厨房だった頃の話。
当時の俺は俗に言うDQNで学校なんかロクに行かない様なガキだった。
この時期になるとどの学校も体育の時間は剣道か柔道か選択して授業を受けると思う。
そこで腕っぷしの立つ頭格の奴らが『体育受けに行くぞ!』ってなったんだ。
不良言っても運動神経良い奴とか、マジで滅茶苦茶に強い奴とか、そんな奴らばかりだし体育教師とは友達状態だから
割とどの学校でもよくあると思うけど。
3: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:42:42 ID:Wg9uhnwKv
すまんなんか日本語メチャクチャだったわ。気を付ける。
で、俺らは「竹刀とかカッケェwww」と言う理由で剣道の授業を受けに行った。
……と思ったら、俺ともう一人(A)以外は柔道に行ってた。俗に言うハメられたのである。
Aと俺は柔道の方に行かせろと教師に言ったが聞く耳は持ってもらえず、仕方なくその日は剣道を受けることになった。
そして俺はであった。奴と。
二学期の初めに身長160ぐらいの転入生が着ていたのは知っていた。
そいつが剣道の授業を選択していたんだ。噂通りのイケメンだった。
4: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:49:12 ID:Wg9uhnwKv
身長160ぐらいでイケメンって言うのは変だけど、見るからに頭がキレそうな奴だった。(名称B)
そいつは、なんか左右に竹刀を振る稽古の時に一緒になったのだが、その時俺の顔を見るなり露骨に嫌な顔をした。
俺「なんだよテメェ?」
B「なんでもないけど、早くしろよ」
俺「ああ゛?」
B「はぁ……、これだから馬鹿は……」
そこでは教師が慌てて来て何もなかったのだが、無性に腹が立ったのを覚えている。
そしていよいよ。
剣道の最期に試合があり、何だかんだで俺はワクワクしていた。
剣道を選択した奴らを偶数奇数で2つの班に分けて試合をするのだが、俺の対戦相手はBだった。
心の中で小さくガッツポーズをした。
6: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:52:30 ID:Wg9uhnwKv
ドガドガと大股で入る俺に、ススッと静かに入るB。
ただの自意識過剰だと思うけど、妙に周りが注目していたと思う。
試合ルールは一分間、2本取るか、時間切れで判定(どっちが強かったか皆で拍手して決める、はずいヤツ)。
俺は絶対にコイツを叩き飛ばしてやるとヤル気十二分で挑んだ。
7: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:55:17 ID:Wg9uhnwKv
一本目が始まる。
教「始め!」
その声と同時に俺の頭にとんでもないぐらいの衝撃を感じた。
俺の横にはBが居た。
飛び込んできたのである。余裕で一本取られた。
俺「はぁ!?今の有なのかよ!」
教「うん」
俺「クッソ!じゃあ俺もやるわ!!!」
二本目が始まる。
教「始め!」
その声と同時に大振りで飛び込む俺。
胴にとてつもない衝撃が走り、Bが横に居た。
多分、剣道経験者の人だと分かるけど、踏み込みが早い奴はそんな感じで速攻だわ。
8: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:58:10 ID:Wg9uhnwKv
その時、柔道サイドに居た仲間たちが超ゲラゲラと笑ってた。
ちなみに柔道再度は喧嘩殺法で余裕で勝っていたらしい。
Aは「ドンマイドンマイ!かっこよかったよ!」と腹抱えて笑ってた。
売った喧嘩は負けなしだっただけに、とんでもなくショックを受けていた。
「よりにもよってあんな野郎に!?はぁ!?」って感じ。とにかく悔しかった。
9: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:59:59 ID:Wg9uhnwKv
その日、イライラして授業を受ける気にもならず早々に学校を抜け出す。
他の奴らは俺が負けた件でおちょくってくるので相手したくなかった。
夜中にAからメールが来て「ボロ負けしたオレさんチーッスwwwww」って来た。
ちなみに2ちゃんねらーなのはその頃からである。
5: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:50:57 ID:NfwRhf0qU
なんかスレタイでワロタ
10: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:03:40 ID:Wg9uhnwKv
A曰く、Bは元々別の学校で剣道部で主将クラスだったらしい。
中学生にして初段だか2段だか持っているレベルだったそうだ。
勝ち目がないのは目に見えていたような物である。
そもそも教師は俺ら不良が試合をするときは、直に止められる距離とかに来るのに来ない時点でおかしかったのを理解するべきだった。
ただ、それで気持ちが納得することはなかった。
なんか無性に腹がだって、適当に金属バット持って家の前で振り回してた。剣道のつもりで。
>>5
こうとしか言いようがなくて……ww
11: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:07:27 ID:TxuyjYSkD
4円
12: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:07:27 ID:Wg9uhnwKv
翌日、必死にイメージトレーニングして無駄な自信を持った俺。
Aは俺と一緒に学校を訪れ、そのままBのクラスに突入。
B「なに?負け犬」
俺「ああ゛!?ふざけ(ry」
今考えると行き成りドア開けて入って来て、なにがフザケルナだよ。
俺「とにかく、今日の体育絶対でろよ!!」
B「はぁ?お前らと違って普通に授業うけているから出るに決まってるだろぉ?」
A「俺さん煽られてるwwwwwww」
こんな感じで宣戦布告した。
結果は惨敗であった。
13: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:09:42 ID:Wg9uhnwKv
ちなみにAとは幼馴染。幼稚園からクラスまで変わらないと言う妙な中だ。
どんな馬鹿なことにも付き合ってくれて今でも良い友である。
A「ドンマイドンマイwwwwwwwww恥ずかしいwwwwwwwwwwwwwwww」
超煽るA。
俺「ああああああああああああ!」
よく分からない奇声をあげている俺。
こんな感じで忍び込んだ屋上で騒いでた。
14: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:12:22 ID:Wg9uhnwKv
A「ウッヘwwwウッウッwwww」
俺「アアアアア……」
笑いすぎて過呼吸になるAと、恥ずかしすぎて苦しい俺。
なぜ挑んだのだろうと、多分喧嘩して人生で初めて後悔した瞬間だと思う。
いや喧嘩じゃないよな。
とにかくそんな状態じゃ、不良グループに戻る事もできないし、寧ろ戻ったら絶対に馬鹿にされる。
それは何とも言えないほど嫌だった。
A「でwwどうするッスwww」
俺「喧嘩なら勝てる」
A「いやwww見切られてバシューンよwww」
俺「ありえる」
A「wwwwwwwwwwwwwwwwww」
今でも思い出すと恥ずかしい。
16: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:16:25 ID:Wg9uhnwKv
そこでAが俺に話した。
A「そう言えばさwwwwTマンションに落ち武者出るらしいぜwwww」
それが俺のBとの因縁を大きく突き動かした。
そのマンションと言うのがバブルの時に建造したけど、通行の不便さとか、そもそも何でこんな田舎に。
って感じの意味不明マンションで、自殺者が相次いだとか、自殺志願者が集まるとかで、ありがちな心霊スポット。
荒れ放題で夜中に何度か肝試しで訪れたことあるけど、ラクガキとエロ本だけしかない場所だ。
俺「Tマンションってあの?」
A「そうそうww○○ちゃん(ビッチギャル)が見たんだってww」
15: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:13:29 ID:xboAIbR1x
>>1だせえwwwww
17: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:18:19 ID:Wg9uhnwKv
当時の俺はどうしてそれを選んだのか分からないが。
とにかくBに勝ちたいと言う気持ちが強く。
俺「その落ち武者に修行してもらってくるわ」
そう全力ドヤ顔で言った。
やべぇ、これもなんか恥ずかしい
>>15
他校まで知れ渡ってしまった不名誉である。
ただ殴り合いなら負けなかった。何故か。それは本当。
18: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:26:43 ID:Wg9uhnwKv
そうして夜中、Aと一緒にTマンションに訪れた。
俺の装備は、まんじゅうと線香、あと仏壇にあった位牌を何故かもち。
Aの装備は、インスタントカメラと、実家のお札。
とにかく訳の分からない装備でTマンションに訪れた。当時は大真面目だった。
A「女ときてぇー」
俺「俺だってきてーよ……」
そんな感じで会話しながら落ち武者を探した。
何故か外れているドアと、動物の足音と、テントや寝袋が散乱している部屋。
七輪……ではなく焼き肉プレートがあったり、コンドームとか、キ○ィ人形とか、古いラジカセとか。
思い返せば拍子抜けする廃墟だと覚えてる。
俺「どこで落ち武者出たんだよww」
A「知るかよwwwおっかねーぞここww」
でも当時はビビってた。割と真面目におっかなく、コウモリが出た時は二人でガチ悲鳴あげた。
そんなこんないあって、最上階辺りまで来た。
時刻は深夜二時。大体二時間ぐらい探索していたと思う。
19: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:29:01 ID:Wg9uhnwKv
ガチャガチャ……
背後で薄い金具が何枚もぶつかっているような音がした。
最初は缶だろうとか思っていた。
A「なあ、缶の音聞こえるよな?」
俺「うん」
A「近づいて来てね?」
俺「思ってたわ……」
どうやらその音は俺らが歩いた場所を見て周っている様だった。
カチャチャン、カチャチャンっとよく音が響いていた。
20: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:31:56 ID:Wg9uhnwKv
段々と瞼が重くなるような。肌が痛くなるような。
寒くて耳が痛くなるような感覚がし始め、鳥肌たち、背中がゾクゾクとする。
何故か頭の中では俺らの背後に、髑髏で剣道の防具を来た幽霊が立っているようなイメージが浮かび。
A「わっり、俺マジで逃げるわっ!」
そう言うとAはもの凄い早さで階段まで走って行く。
俺「ちょちょちょ! まて!」
ビビリながらその背後を追う俺。逃げ出した。
21: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:37:25 ID:Wg9uhnwKv
三階まで駆け下りたところで、俺はガチコケした。
それはかなり全力なコケかたで、階段で2回ぐらい前転しながら落ちた。
Aの微かに笑っている声が聞こえたけど、Aは逃げているのかドンドン声が聞こえなくなって言った。
俺は真面目に痛くてその場に座り込んでいた。
カチャチャン。音がする。
間違いなくガチャガチャとも階段を下りている鉄の塊が居るのを感じた。
俺(まじでまじで!?)
情けない事に腰が抜けて動かない。もしかしたら金縛りかもしれないけど。
そうこうしているうちに、俺が見ていた階段に奴が現れた。
見るからに武者。綺麗でカッコイイと思える、子供の日に見る様な甲冑を来た美男。
眉毛はシャッとしていて、顔もスッとしていて、目は細いながらも力強い。
最初はコスプレしている人かと思ったけど、その姿が微かに透明なのを見て「落ち武者だ!」って分かった。
22: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:40:40 ID:Wg9uhnwKv
透明なのに気が付いた瞬間、だんだんと怖くなり持ってきていた位牌を取りだし見せつけた。
武者の男は「( ゚д゚ )!?」って表情になったのち、優しい顔をしてクスッと笑った。
恐らく今だから分かるけど、俺も位牌を見せられたらびっくりする。
俺「ここ、これ饅頭です。線香です」
武者(それを目で見て、またクスッと笑う)
俺「ご、ごめんなさい!すみません!」
武者(ゆっくりと階段を降りはじめる)
23: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:41:40 ID:Wg9uhnwKv
ちなみに。(適当なサイトからコピペ)
お位牌は、御霊のとどまる場所、つまり霊位を表わす牌のことです。
亡くなられた方の姓名、死亡年月日を記して礼拝します。
お位牌についての歴史は、中国の儒教におけるご先祖様やご両親の存命中の位官や姓名を板に記して書いたものが禅宗と一緒に日本に伝わってきたのが始まりと言われています。
なんか実に間抜けだわ。てか、ご先祖様迷惑なんじゃね。
24: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:41:41 ID:xboAIbR1x
ガチ幽霊かよ・・・
25: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:46:45 ID:Wg9uhnwKv
ゆっくりと降りてきた武者は俺の前に立つと、ゆっくりと屈み俺の顔を見た。
ビビって声が出なかったけど、武者が「別に鬼でもない。安心しろ」と言っているような気がした。
テレパシーって奴なのかな。とにかく頭の中で声が聞こえる感じ。
武者(饅頭へ手を伸ばす。親指と人差し指でつかむ)
その瞬間ズズッと腕の皮が引っ張られるような感覚がして、まんじゅうから白い粒が抜けた。
その光の粒を武者は食べると、ニコッと笑った。
>>24
ガチ幽霊なんだけど、凄く顔がイケメンで、相棒とか半沢直樹の及川光彦みたいな感じ。
とにかく人間みたいで、落ち着いたら怖くは無くなっていた。
26: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:47:34 ID:Wg9uhnwKv
そう言えば、耳が無かったと思う。甲冑で隠れていただけかもしれないけど
27: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:52:00 ID:Wg9uhnwKv
武者さんを見ていたら気持ちがだんだんと落ち着いてきて、俺の本題を思い出した。
俺「そ、そうだ!剣術を教えてもらいたいのです!」
慌てて正座し、土下座する俺。
武者(もの凄く動揺、大きく後ろに下がる)
俺「剣道で負けて悔しくて!本物武士なら強くなれると思いました!」
武者(手を出して、一生懸命顔をあげろのジェスチャー)
俺「いいですか!?」←馬鹿である。
馬鹿だけど、何故か了承してもらえた気がしてテンションが上がった。
武者(両腕を組み、まっすぐに俺を見る)
俺(ガン付ける様に見る)
そんな感じで本気で1分以上続けて。
俺「あ、酒ですね!明日持ってきます、だから教えて下さ!」
そう言う結論に至って再びの土下座。
武者(また顔をあげろのジェスチャー)
(これの繰り返しなので省略する。
28: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:53:54 ID:Wg9uhnwKv
その日は妙に気分ウキウキで家まで帰った。
Aからメールが何通も来ていて来ていて10通目あたりで「死んだ?」で、20通目辺りで「ごめん」って来てた。
俺『武者に許可貰った!!!』
A『は?』
俺『明日から修行する!じゃ!』
A「は?」
29: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:56:49 ID:Wg9uhnwKv
次の日、学校の忍び込んで竹刀を2本かっぱらった。
そこから一端家まで戻り、親父の日本酒(一升瓶)を手に持ってマンションへ。
そこからジーッと武者が来るのを待った。
途中怠けて他にも持ってきていた漫画本やPSPをして時間を潰した。
30: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:59:54 ID:Bt5U01eRF
面白いな
>>1の馬鹿っぷりが
31: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:00:18 ID:Wg9uhnwKv
すまん、俺の待機場所は屋上。武士と言ったらここに来るだろうと妙な自信を持ってた。
夜中5時頃。町内の帰りの歌が流れだした頃。
ガチャン、カチャカチャ。あの音が聞こえてきた。
俺は直にゲームとかPSPをしまい、持ってきておいたコップに酒を注いで正座した。
武者が階段から出てくる。すごく驚いた顔をした。
多分内心(うわぁ、本当に来たよ……)だったと思う。
俺「師匠!宜しくお願いします!」
叫ぶように言った。
武者さんは困った顔をしながらも俺の前に立った。
>>30
当時はかなり大真面目だからなwwww馬鹿だけどwww
32: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:06:11 ID:Wg9uhnwKv
それから武者さんと秘密の修行が始まった。
最初は持ってきておいた竹刀を武者さんに渡すと、首を振られ断られた。
と言うのも、竹刀を持つ事ができなくて通り抜けちゃうのだと、実演して見せられた。
なので武者さんは脇に差していた刀を一息で抜刀。
俺は「うぉおおおお!!カッケぇ!!」とか言ったら、照れ臭そうに笑ってた。
主な教え方は武者さんが刀の持ち方や構えからを実演して見せて、顎で「さあやれ」と言われて真似するだけだった。
それで始めの一週間はとにかく竹刀の持ち方と腰の入れ方をしえられた。
33: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:10:34 ID:Wg9uhnwKv
最初尻が出ていたのだけど、その時に武者さんが寄って来て腰の辺りをパンッて叩いた。
実際には叩かれた衝撃はないのだけど、胃の中に急に冷たい物が現れる様な、
そんな妙な感覚がしてヒッと腰を前に出す感じ。
あと、何度も握り方を見せられた。要は絞る様に握り、腕は微かに曲げろとの事。
脚に関してはそんなに言われなかったけど、飛び込みの時はもっと体を屈めろと何度も見せられた。
基本的には同じ動作の繰り返しで、俺がそれをしている間は、コップに注がれた酒を武者さんは黙って飲んでいた。
その間も眉一つ動かさず、ジッと俺を睨む様に見ていたのを覚えている。
ちなみに休憩は無かった。だから2週間ぐらいは筋肉痛と疲労で、Aとも遊ぶ気にならなかった。
34: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:17:44 ID:Wg9uhnwKv
そう言えば不思議なことにお酒を注いである筈のコップが毎回、終る頃には空になってた。
武者さんが飲んでいたのだと思うけど。
そんなこんなで夕方5時から、夜の10時ぐらいまで。今考えるとよくぶっ通しで出来たなーって思う。
一度だけ怖かったのが。
二週間目あたりで俺が「実践を教えろ!」と駄々をこねた時だ。
武者さんは大きく息を吐くと、立ち上がり、そこに立てと刀で指した。
俺はワクワクしながらそこに立つと、向かい側に武者さんが立つ。
瞬間、いまでも経験したことがないけど、とてつもないオーラを感じた。
不良同士の喧嘩で、頭格が発しているような、とにかく近寄っちゃけない感じ。
で、ババッと走ってきたかと思ったら俺の首元寸前で刀が止まっていた。
何て言うか飛び込んだわけでもないのだけど、本当に瞬時に接近してきた。
俺はビビリながら泣くと、すまんすまんと武者は慌てた様子でオドオドしてた。
ただ只者ではないと確信を得た俺は、真面目に武者さんの修行を聞くことにした。
35: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:27:44 ID:Wg9uhnwKv
11月。雪が降り始めても、必ず武者さんは屋上で待っていてくれた。
その頃になると武者さんが何度か、ビシッ!ビシッ!と刀を前後に振っていた。
とにかくキレッキレッだった。しかも、それをした後、一息つく。
と思った瞬間、居合切りの様な速さで刀を抜刀。瞬時に前後を切り、刀をしまう。これを5秒ぐらいでやってた。
刀は見えなかったけど、明らかに抜いていたと思う。
俺は相変わらず竹刀を振って、時々武者さんが目の前に立ち、指さした箇所を叩く練習をしていた。
例えば、武者さんが肩を指さしたら肩を狙って竹刀を振る。
ズンッと俺は振っていたのを見た武者さんが見る
俺の横に立って刀をストンッと落とす様に真っ直ぐ切るのを見せる。
こうやれと武者さんは言っている。それを何度も繰り返す感じ。
ちなみに構え稽古(オレ命名)で、武者さんがゆっくりと刀を振るのだけど、それをどう避けるの修行が辛かった。
そう避けると腕出ちゃうよ。そう避けると肩でちゃうよ。そう避けると顔危ないよ。ほら腰出てる。尻どうにかしろ。
どう避けても何かしらミスる。
俺「師匠の様にできないですよ!」
武者(楽しそうに笑っている)
11月からは比較的楽しくなってきた。
36: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:32:00 ID:Wg9uhnwKv
12月。始め。
A『お前一か月も引き籠ってるけど平気?』
俺『修行している』
A『ああ、マジでやってるのか……(笑)』
俺『Bに勝ちたい』
Aには修行していることを内緒にしておいてくれと10月の時点で言っていたけど、
どうやらA自身も忘れていたらしい。
それと俺がBに惨敗したから顔が出せなくなったともっぱらの噂。ますます悔しくなる。
A『でも、体育での剣道も終わってるし、もう直ぐ終業式だぞ?』
俺「あ……」
そうなんです、馬鹿なのです。俺は。
37: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:34:25 ID:Wg9uhnwKv
その日、武者さんへ修業後話した。
俺「明日、試合して来ようと思います!」
武者さんは黙って俺を見る。
俺「勝ってきます!」
武者(深く頷く。)
そうすると武者さんは笑い、俺の頭を撫でてくれた。すごくヒンヤリとした。
38: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:37:21 ID:Wg9uhnwKv
まあ分かると思うが当日。
Bが入部した剣道部に放課後訪れた。
最初顧問のBBAに一方的に「お前が来るような場所じゃねーだろ、帰れ」と言われたが、
静かに「Bと試合だけしたら帰ります」と言い返した。
B「お前、またやるの?ww」
俺「うるせー!黙って勝負しろ!」
(省略)
負けました。
39: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:38:12 ID:Wg9uhnwKv
負けました。
顔が熱くなってきた
40: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:43:36 ID:0sr9NWtRj
うへ
41: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:45:49 ID:Wg9uhnwKv
ただ、Bの得意技なのか分からないけど、飛び込みは完全に避けれたし、何回か鍔迫り合い(?)ってものになった。
それに明らかに竹刀を打ち込めていた。大きな成長を感じながら、武者さんの元へ戻った。
俺「負けました!」
武者(だろうな、と言った様子。)
俺「でも絶対勝てます、この調子だと!」
武者(笑う。)
とりあえず、25日からは来れなくなると言うことだけを伝え(家族や遊びたいし)、それまでの間は全力で修業した。
持ってくるお酒を3000円代にランクアップさせた。
武者さんが飲むのを静か‐に見ていたら「おっ」と言う顔をしていた。
43: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:07:38 ID:Wg9uhnwKv
年末。深夜11時で賑わいある町の中、俺とAはあの廃墟へ。
屋上につくと、武者さんが正座して静かに日が昇る方の山を見ていた。
残念ながらAには見えていないらしいが、俺は「そこにいる!いる!」と一人で大興奮。
と言うのも、Aと遊んでいて連日の様に「嘘だろー」と馬鹿にされ続けていたからだ。
俺「師匠~!」
そう言いながら一升瓶を持って行く俺。
武者「Σ(´∀`;)」
そう驚いていたのもつかの間で、武者さんは直にコップの酒を飲むといつもの微笑。
俺とAはバカ騒ぎしながら飲んで騒いでた。Aは未だに俺がボケてただけだと思っているらしい。
そんな感じで、マンションの屋上で騒ぎながら初日の出を迎えた。
一生大切な想いでとなった。
武者さんは凄くかっこよく、初日の出が似合っていた。
44: アルダシール1世◆HM3jqfms0U 2014/10/24(金)05:09:32 ID:R5Q8KWcmg
努力は評価する
45: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:19:35 ID:Wg9uhnwKv
5日から修行を再開し、次の再戦を2月と決めた俺は一生懸命修行した。
武者さんも教えてくれるものが実践的な物になっていき、打ちながら下がる技や、斬り抜けとか。
色々見せてくれるようになった。俺は1割ぐらいしかできなかったけど。
それで見ていて分かったのが、本当に武者さんは強い。あと、若干俺がイメージしていた剣道と動きが違かった。
何度か面と面を合わせて黙ってこちらから攻め込む修行をしたが全部避けられていた。
で何度も俺の背中とかお腹とか打ち込まれた。
ヒンヤリとした感触しかしないけど「斬られた!」って言う感触だけは確りしていた
46: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:22:32 ID:Wg9uhnwKv
そして、自分が中々納得できず二月下旬になってしまった。
俺「師匠!今度こそ勝ってきます!」
武者(ニコニコと笑う。)
俺「うおおおおお!」
武者(腰の紐を締め、忘れるなよ、ッと言った顔で見る。
つまり気を抜くなよって事だろう。
なんだか師匠に認められた気がして嬉しかった。
そうして俺は意気揚々と放課後の剣道部へと訪れた。
47: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:26:58 ID:Wg9uhnwKv
相変わらず顧問のBBAは俺の事を止めるが、前回と同じような流れでBを呼ぶ。
B「不良だから闇討ちとかしてくると思ったけど、してこないし。
てっきり根性なしなのかと思ってた」みたいなこと言われ、ヒートアップする俺。
ただ冷静に。ッと言うのが、武者さんを見ていたら大切だと分っていた。
武者さんを真似する訳じゃないけど、冷静にフッと鼻で笑い。
俺「正々堂々喧嘩売ってるんだよ。買えよ」
と喧嘩腰で行ってしまった。恐らく俺は武者さんの冷静さを理解できていないと思う。
B「うっせーよ。先生、さっさと終わらせますので」
妙にBは気取った様子で俺との試合を承諾してくれた。
おそらく、顧問もBも何かノリノリになっていたんだと思う。
48: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:29:57 ID:Wg9uhnwKv
ただ今回は少し変わっていた。
B「お前防具の付け方もしらないのかよ。コッチこい」
そう言うとBは俺の防具を着つく縛り直してくれた。
俺「お、おう……」
動揺しながらBを見るがやっぱ憎たらしいイケメン顔が面の向こうにある。
なんか無駄に盛り上がりを見せていて、隣の柔道部や剣道部の奴らが全員コッチを見ていた。
そうしながら試合へと向かう。
49: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:32:15 ID:Wg9uhnwKv
互いに礼をし試合場へと向かう。
不思議だったのが、Bは竹刀をスッと上に抜く様にして面に構えたけど、
俺は竹刀を下に抜くようにしながら構えた。
なんかそれが独特の雰囲気だったのか、少し周りが「おお……」と声が上がった
50: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:34:32 ID:Wg9uhnwKv
顧問「始め!」
大きな声でBBA言った。
Bはまっすぐに俺へ飛び込んできた。
反射的に体が横へとずれる。
Bの竹刀は空を斬たが、直に降り向き俺へと来る。
俺の足取りは滅茶苦茶だったが、飛んできた竹刀を、自分の竹刀で受け止める事に成功した。
また歓声が沸いた。
51: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:38:03 ID:Wg9uhnwKv
俺は直に体をひきながらBの手を狙う。
ぶつかり合っていた竹刀を綺麗にクルりと回し、Bのコテを狙うが、バチンっと!引き下がりながらBがそれを阻止した。
その後は、何度も隙を見つけては竹刀を振った。
肩とかも狙ってしまったが、一本にはならず、とにかくスキがある所に叩き込んだ。
そう書くと、俺がメチャクチャ打っているようにみえるけど、実際はBの方が素早く打ち込んできた。
鍔迫り合いで容赦なく俺を押し飛ばし竹刀を振ってきた。
とにかく早かった。
52: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:41:26 ID:Wg9uhnwKv
何度もBと目が合う。Bは真剣な表情だ。
ちょっと昔なら笑っていたかもしれないけど、その時は笑うことなく、真剣に睨み返してやった。
互いに何度も距離を取り、Bが攻め込み、それを俺が避けて、俺が攻撃するが、Bには届かず。
一瞬の隙をつく俺の攻撃は、Bの技量で逃げられ。俺は直に距離をとる。
とにかく終わりがない攻防戦だった。
そんな中、滅茶苦茶な足取りがあだとなった。そもそも修行の時に袴を着ていなかったのが問題だった。
一瞬転んでしまったのである。
53: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:46:42 ID:Wg9uhnwKv
そこに容赦なくBが竹刀を振る様子が、信じられないほどスローモーションで見えた。
「馬鹿者!諦めるな!」
本当にそう言う男の声が聞こえた。
俺はハッとして、駄目元で竹刀で攻撃を防ぐ。
そのまま、妙な硬直状態となり顧問が「待て」と声が掛かり、俺は急いで立ち上がり、Bと面向かう。
あのまま転んだ状態で責められて居たら……と思い息をつくと。
「大馬鹿者!油断するな」
また男の声がした。何故かしらないがビリリっと頭の中に電気が走る様な気がして、ハッとした。
顧問「始め!」
同時にBが俺の手を狙って攻めて来ていた。
俺は慌てて竹刀を横に倒す。
そして、グルッと回る様な感じでBの面を叩けた。
54: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:49:07 ID:Wg9uhnwKv
一瞬背中を相手に見せたと言えばいいのかな。
モンハンの大剣の回り切りの高速バージョンと言うか、そんな感じでまぐれ一本入った。
声を出して居なかったからか、めちゃくだったからか、おしくも一本とは言われなかった。
Bの舌うちが聞こえた。
そんなのがゆっくりとした時間に感じていると、Bがコチラへ竹刀を振っていた。
俺は直に、足で踏ん張り、しゃがみこみ、竹刀を横に倒して、振り向きながら飛び込んだ。
『バシィイイイン!』と言う確かな手ごたえと音がした。
55: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:50:59 ID:Wg9uhnwKv
ただ、声は上がる事なく。
その後、あっさりと普通に面を取られた。
それが納得できず動揺しており、すぐに2試合目もアッサリと面取られ、二本ストレート負け。
終って直に涙が出た。
56: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:55:17 ID:Wg9uhnwKv
>>54で若干ネタバレしちゃってたな。
俺には分からなかったけど、20分ほど続いた大激戦だったらしい。
デタラメなのにすばしっこく、嫌らしい攻撃をする俺に、顧問も驚いていたそうだ。
でも、そんなの関係なしに。終った後、ボーッとしてた。
やはり、先ほどの一本が納得できなかった。
Bが、そんな俺の前に立ちポカリスエットを差し出してきた。
俺「なんだよ?」
B「飲めよ」
俺「毒でも入っているのか?」
B「そんな訳ないだろ。それ飲んだら少し来い」
俺はポカリスエットを一気飲みして見せて、無駄に勝ち誇った表情をして、Bは呆れ顔。
そのままBに言われるがまま、顧問の元へ言った。
57: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:00:56 ID:Wg9uhnwKv
B「さっきの試合なのですが。なんで俺さんへ一本あげなかったのですか?」
俺は驚いた。
顧問も驚いた顔をしていた。
B「不良だからですか?俺が納得しません」
顧問「……面は明らかに一本と認められない。胴に関しては…………」
B「なんなんですか?」
顧問「声が……」
B「相手は素人ですよ? 一本にしてあげるべきだと思います。それに大会でも」
そんな感じでBが俺の一本を認めさせてくれようとしていた。
微かに嬉しかったが、同時に惨めに想い「もういい」と言った。
B「お前、また来いよ」
俺「もうこねーよ、白けた」
そう言いながら、学校を後にした。
58: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:02:19 ID:Wg9uhnwKv
本当に終わったと言うか、何も感情が湧いてこないと言うか。
とにかく何もかもが嫌になった。
その日は、丁度良く気取ってる不良が居て、喧嘩して、親呼ばれて。
そんな感じで終ってしまった。
59: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:04:46 ID:xboAIbR1x
有段者から一歩とるってだいぶ強くなったな 短期間で
落ち武者さん有能すぎるwwww
60: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:06:32 ID:Wg9uhnwKv
一週間修行をさぼり、何もなくただ漠然とAたちとつるみ。
その中でもまた負けたと言う評判が広まって居て、居づらくなっていた。
そうであったからか、枕元に出てしまった。武者さんが。
>>59
隠しても仕方ないから言うけど、高校でも剣道を始めた。
その時に顧問のジジィに言われたのが「確実に殺すような感じだな」との事。
武者さんに教えられたのは、多分そう言う奴だったんだと思う。
61: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:13:25 ID:Wg9uhnwKv
武者さんは何も言う事なく、俺の事を見ていた。
情けをかけている訳じゃないのは分かった。
寧ろ、褒めてくれているのだと分かった。そしたら、凄く涙が出て来て馬鹿みたいに泣いた。
武者さんはいつもの笑顔で、静かに俺の頭を撫でてくれた。
「本当なら勝者はお前だ。馬鹿者」
あの声が聞こえた。やはり、あの時聞こえたのは武者さんの声だったんだ。
その後は声も聞こえなくなり、武者さんの姿もいつもより薄くなっていた。
俺「師匠……?」
涙目ながら武者さんを見ると、いつもの様にニコッと武者さんは笑っていた。
そして刀の鞘を俺に差しだして握れと、頷き目で言って来た。
俺はその鞘を握ると、妙に気持ちが落ち着き、同時に武者さんが居なくなるのだと悟った。
俺「師匠……!」
グッと鞘が引かれ、俺の体が持ってかれる様な感じになるが、体を保つ。
武者さんは「ほらな?」と言った感じだった。
勝手な解釈だけど「お前は強くなったぞ」って事だと思う。
武者さんは、そのまま俺に背中を見せると、スゥッと歩くように姿を消した。
62: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:21:28 ID:Wg9uhnwKv
あの後、心を入れ替えたと言うのも変だが、真面目に剣道がやりたく思い高校進学を選択した。
残念ながら今までの行いが仇となり、大した学校に行けなかったけど、無事進学はできた。
中学の剣道部には駄目元で入れさせてくれと頼んだが、顧問のBBAに拒否された。
だ影でBが「どうせなら8月ぐらいまでいいじゃないですか?」と言ったそうである。
ただ、Bとは試合後、それほど会話することはなかった。
元々かなりの実力者だったのもあり、進学先は剣道の強豪校に進んだのを知っている。
と、言うのも一度、対抗戦でBと当たったことあった。
その時は正々堂々、良い線で勝負できた。ただ、1対2で俺の負けだったけど。
弱小剣道部では大会優勝を目指す事も出来ず、自分の剣道の段を取ることぐらいしか充実はなかった。
ジジィが馬鹿みたいに強くて、武者を思わず思いだしたけど。
一応、大学行って続けて、警察官になるのも考えていたのだけど、家の事情でどっちも叶わなかった。
63: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:23:16 ID:csElEQtDm
いま警察官なの!?
64: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:24:04 ID:xboAIbR1x
>>63 よく読め
65: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:24:53 ID:Wg9uhnwKv
そんなこんなで、適当に生きてきたけど、最近あのTマンションが壊される事を知った。
懐かしい思い出を昨日Aと語り、その余波で朝から話してしまったww
>>63
ジジィ(高校の剣道部顧問)に進められたんだけど、家がね……怖い人だから……ww
不良の家のガチ家庭って奴です。
あー、でも凄い後悔したな。中学生時代名前借りたりしたけどwwwwwくっそwwwwww
66: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:25:51 ID:Wg9uhnwKv
ごめん、話長かったけど、これで終わりです。
ちょっと時間経ったら聞きたい事ああるから、もう一度きます。
67: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:37:00 ID:iWB2dqAPt
胸熱
68: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:39:11 ID:Wg9uhnwKv
えーと、昨日の話で思い出したのだけど、胴の部分の模様が画像の様な感じだったのですよね。
これ何処かの紋様ですかね?
82: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:53:33 ID:YFHzeptnp
>>68
これ似てね
89: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)14:02:45 ID:Wg9uhnwKv
>>82
それの右横が似ているかも、ちなみに何の家紋?
69: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:41:17 ID:Wg9uhnwKv
こっちかも。
とにかくひし形が3つあったのですが、どこかの家と似ている紋様無いですかね……
70: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:50:18 ID:xboAIbR1x
本田家かな 上のやつだと
俺専門家じゃないけど>>1の絵の特徴あってる
71: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:59:41 ID:Wg9uhnwKv
>>70
今見て来ました。似ているような似ていない様な……
文にひし形3つなイメージが強いんですよね。ああ、何でハッキリと覚えていないのか。
まあ、もしも分かったら墓参りとかしたいな……とw
72: ◆Mjk4PcAe16 2014/10/24(金)07:03:40 ID:xboAIbR1x
上の絵はヤリと三つの模様
下の絵は日本の刀と模様っぽいね
家紋マニアきてくれー
74: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:06:55 ID:Wg9uhnwKv
>>72
ヤリなのかな。そして下のだと刀になるのか!?
75: ◆zYSTXAtBqk 2014/10/24(金)07:09:31 ID:xboAIbR1x
>>74 下の絵は刀が交差しているように見える
確か家紋って武器とかから来てんだよ
77: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:10:48 ID:Wg9uhnwKv
>>75
ああ、なるほど……。武器を交差させているのか。
73: ◆Mjk4PcAe16 2014/10/24(金)07:04:27 ID:xboAIbR1x
逆に出身地どこよ?
その武者と家紋も同じ所に居たんじゃね
74: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:06:55 ID:Wg9uhnwKv
>>73
埼玉と群馬の県境あたりです。
地元は自力で調べようかなーっと考え中です。
確か祖父の知り合いに学者さんの知り合いがいたと思うので頼んでみようと思います。
95: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)22:50:05 ID:H75gxWNQo
剣三つ目の家紋かな
97: 名無しさん@おーぷん 2014/10/25(土)06:49:38 ID:3IoAwFTjz
>>95
それだぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
そんな感じ!
76: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:09:46 ID:qzMCO10q3
出勤時間なのに読んでしまった
感動しました(´;ω;`)
77: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:10:48 ID:Wg9uhnwKv
>>76
涙を止める為には、馬鹿が位牌持って落ち武者に剣を乞うたと思えばいいよ。
でも、そう言ってもらえると素直に嬉しいわww
80: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:50:45 ID:xtcbJ6YiB
>>1のせいで遅刻確定www
乙でしたwww
涙でたわwwwwww
90: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)14:05:44 ID:Wg9uhnwKv
>>80
一応感動話なのかな……?ww
出来ればバシッと勝利する所を見せたかったよ。
93: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)15:19:06 ID:Ob8dmQRWz
なかなか面白かった。
ばばっと進んできて、一気に首を狙ってくるのが本物っぽいな。
剣道だとそういう動きはしないからね。
94: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)16:35:46 ID:Wg9uhnwKv
>>93
首を狙われたのは、怒られた時だけだけどね。
何て言うか、明らかに近づいてきているのだけど避けれなかったww
88: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)09:08:49 ID:nTavUtPpJ
なかなかいい話だった
お疲れ様!
90: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)14:05:44 ID:Wg9uhnwKv
>>88
あんまバシッとできた話じゃないけど、現実だとこんな物なんだろうなww
ちなみにBは大学でも剣道進んでて、町の剣道場で教師やっているらしいwwwwwすげぇwww
引用元 2ちゃんねる
書き駄目ないけどゆっくり語って行くよ
2: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:37:51 ID:Wg9uhnwKv
今から8年前。丁度10月。俺がまだ厨房だった頃の話。
当時の俺は俗に言うDQNで学校なんかロクに行かない様なガキだった。
この時期になるとどの学校も体育の時間は剣道か柔道か選択して授業を受けると思う。
そこで腕っぷしの立つ頭格の奴らが『体育受けに行くぞ!』ってなったんだ。
不良言っても運動神経良い奴とか、マジで滅茶苦茶に強い奴とか、そんな奴らばかりだし体育教師とは友達状態だから
割とどの学校でもよくあると思うけど。
3: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:42:42 ID:Wg9uhnwKv
すまんなんか日本語メチャクチャだったわ。気を付ける。
で、俺らは「竹刀とかカッケェwww」と言う理由で剣道の授業を受けに行った。
……と思ったら、俺ともう一人(A)以外は柔道に行ってた。俗に言うハメられたのである。
Aと俺は柔道の方に行かせろと教師に言ったが聞く耳は持ってもらえず、仕方なくその日は剣道を受けることになった。
そして俺はであった。奴と。
二学期の初めに身長160ぐらいの転入生が着ていたのは知っていた。
そいつが剣道の授業を選択していたんだ。噂通りのイケメンだった。
4: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:49:12 ID:Wg9uhnwKv
身長160ぐらいでイケメンって言うのは変だけど、見るからに頭がキレそうな奴だった。(名称B)
そいつは、なんか左右に竹刀を振る稽古の時に一緒になったのだが、その時俺の顔を見るなり露骨に嫌な顔をした。
俺「なんだよテメェ?」
B「なんでもないけど、早くしろよ」
俺「ああ゛?」
B「はぁ……、これだから馬鹿は……」
そこでは教師が慌てて来て何もなかったのだが、無性に腹が立ったのを覚えている。
そしていよいよ。
剣道の最期に試合があり、何だかんだで俺はワクワクしていた。
剣道を選択した奴らを偶数奇数で2つの班に分けて試合をするのだが、俺の対戦相手はBだった。
心の中で小さくガッツポーズをした。
6: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:52:30 ID:Wg9uhnwKv
ドガドガと大股で入る俺に、ススッと静かに入るB。
ただの自意識過剰だと思うけど、妙に周りが注目していたと思う。
試合ルールは一分間、2本取るか、時間切れで判定(どっちが強かったか皆で拍手して決める、はずいヤツ)。
俺は絶対にコイツを叩き飛ばしてやるとヤル気十二分で挑んだ。
7: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:55:17 ID:Wg9uhnwKv
一本目が始まる。
教「始め!」
その声と同時に俺の頭にとんでもないぐらいの衝撃を感じた。
俺の横にはBが居た。
飛び込んできたのである。余裕で一本取られた。
俺「はぁ!?今の有なのかよ!」
教「うん」
俺「クッソ!じゃあ俺もやるわ!!!」
二本目が始まる。
教「始め!」
その声と同時に大振りで飛び込む俺。
胴にとてつもない衝撃が走り、Bが横に居た。
多分、剣道経験者の人だと分かるけど、踏み込みが早い奴はそんな感じで速攻だわ。
8: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:58:10 ID:Wg9uhnwKv
その時、柔道サイドに居た仲間たちが超ゲラゲラと笑ってた。
ちなみに柔道再度は喧嘩殺法で余裕で勝っていたらしい。
Aは「ドンマイドンマイ!かっこよかったよ!」と腹抱えて笑ってた。
売った喧嘩は負けなしだっただけに、とんでもなくショックを受けていた。
「よりにもよってあんな野郎に!?はぁ!?」って感じ。とにかく悔しかった。
9: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:59:59 ID:Wg9uhnwKv
その日、イライラして授業を受ける気にもならず早々に学校を抜け出す。
他の奴らは俺が負けた件でおちょくってくるので相手したくなかった。
夜中にAからメールが来て「ボロ負けしたオレさんチーッスwwwww」って来た。
ちなみに2ちゃんねらーなのはその頃からである。
5: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)02:50:57 ID:NfwRhf0qU
なんかスレタイでワロタ
10: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:03:40 ID:Wg9uhnwKv
A曰く、Bは元々別の学校で剣道部で主将クラスだったらしい。
中学生にして初段だか2段だか持っているレベルだったそうだ。
勝ち目がないのは目に見えていたような物である。
そもそも教師は俺ら不良が試合をするときは、直に止められる距離とかに来るのに来ない時点でおかしかったのを理解するべきだった。
ただ、それで気持ちが納得することはなかった。
なんか無性に腹がだって、適当に金属バット持って家の前で振り回してた。剣道のつもりで。
>>5
こうとしか言いようがなくて……ww
11: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:07:27 ID:TxuyjYSkD
4円
12: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:07:27 ID:Wg9uhnwKv
翌日、必死にイメージトレーニングして無駄な自信を持った俺。
Aは俺と一緒に学校を訪れ、そのままBのクラスに突入。
B「なに?負け犬」
俺「ああ゛!?ふざけ(ry」
今考えると行き成りドア開けて入って来て、なにがフザケルナだよ。
俺「とにかく、今日の体育絶対でろよ!!」
B「はぁ?お前らと違って普通に授業うけているから出るに決まってるだろぉ?」
A「俺さん煽られてるwwwwwww」
こんな感じで宣戦布告した。
結果は惨敗であった。
13: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:09:42 ID:Wg9uhnwKv
ちなみにAとは幼馴染。幼稚園からクラスまで変わらないと言う妙な中だ。
どんな馬鹿なことにも付き合ってくれて今でも良い友である。
A「ドンマイドンマイwwwwwwwww恥ずかしいwwwwwwwwwwwwwwww」
超煽るA。
俺「ああああああああああああ!」
よく分からない奇声をあげている俺。
こんな感じで忍び込んだ屋上で騒いでた。
14: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:12:22 ID:Wg9uhnwKv
A「ウッヘwwwウッウッwwww」
俺「アアアアア……」
笑いすぎて過呼吸になるAと、恥ずかしすぎて苦しい俺。
なぜ挑んだのだろうと、多分喧嘩して人生で初めて後悔した瞬間だと思う。
いや喧嘩じゃないよな。
とにかくそんな状態じゃ、不良グループに戻る事もできないし、寧ろ戻ったら絶対に馬鹿にされる。
それは何とも言えないほど嫌だった。
A「でwwどうするッスwww」
俺「喧嘩なら勝てる」
A「いやwww見切られてバシューンよwww」
俺「ありえる」
A「wwwwwwwwwwwwwwwwww」
今でも思い出すと恥ずかしい。
16: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:16:25 ID:Wg9uhnwKv
そこでAが俺に話した。
A「そう言えばさwwwwTマンションに落ち武者出るらしいぜwwww」
それが俺のBとの因縁を大きく突き動かした。
そのマンションと言うのがバブルの時に建造したけど、通行の不便さとか、そもそも何でこんな田舎に。
って感じの意味不明マンションで、自殺者が相次いだとか、自殺志願者が集まるとかで、ありがちな心霊スポット。
荒れ放題で夜中に何度か肝試しで訪れたことあるけど、ラクガキとエロ本だけしかない場所だ。
俺「Tマンションってあの?」
A「そうそうww○○ちゃん(ビッチギャル)が見たんだってww」
15: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:13:29 ID:xboAIbR1x
>>1だせえwwwww
17: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:18:19 ID:Wg9uhnwKv
当時の俺はどうしてそれを選んだのか分からないが。
とにかくBに勝ちたいと言う気持ちが強く。
俺「その落ち武者に修行してもらってくるわ」
そう全力ドヤ顔で言った。
やべぇ、これもなんか恥ずかしい
>>15
他校まで知れ渡ってしまった不名誉である。
ただ殴り合いなら負けなかった。何故か。それは本当。
18: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:26:43 ID:Wg9uhnwKv
そうして夜中、Aと一緒にTマンションに訪れた。
俺の装備は、まんじゅうと線香、あと仏壇にあった位牌を何故かもち。
Aの装備は、インスタントカメラと、実家のお札。
とにかく訳の分からない装備でTマンションに訪れた。当時は大真面目だった。
A「女ときてぇー」
俺「俺だってきてーよ……」
そんな感じで会話しながら落ち武者を探した。
何故か外れているドアと、動物の足音と、テントや寝袋が散乱している部屋。
七輪……ではなく焼き肉プレートがあったり、コンドームとか、キ○ィ人形とか、古いラジカセとか。
思い返せば拍子抜けする廃墟だと覚えてる。
俺「どこで落ち武者出たんだよww」
A「知るかよwwwおっかねーぞここww」
でも当時はビビってた。割と真面目におっかなく、コウモリが出た時は二人でガチ悲鳴あげた。
そんなこんないあって、最上階辺りまで来た。
時刻は深夜二時。大体二時間ぐらい探索していたと思う。
19: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:29:01 ID:Wg9uhnwKv
ガチャガチャ……
背後で薄い金具が何枚もぶつかっているような音がした。
最初は缶だろうとか思っていた。
A「なあ、缶の音聞こえるよな?」
俺「うん」
A「近づいて来てね?」
俺「思ってたわ……」
どうやらその音は俺らが歩いた場所を見て周っている様だった。
カチャチャン、カチャチャンっとよく音が響いていた。
20: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:31:56 ID:Wg9uhnwKv
段々と瞼が重くなるような。肌が痛くなるような。
寒くて耳が痛くなるような感覚がし始め、鳥肌たち、背中がゾクゾクとする。
何故か頭の中では俺らの背後に、髑髏で剣道の防具を来た幽霊が立っているようなイメージが浮かび。
A「わっり、俺マジで逃げるわっ!」
そう言うとAはもの凄い早さで階段まで走って行く。
俺「ちょちょちょ! まて!」
ビビリながらその背後を追う俺。逃げ出した。
21: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:37:25 ID:Wg9uhnwKv
三階まで駆け下りたところで、俺はガチコケした。
それはかなり全力なコケかたで、階段で2回ぐらい前転しながら落ちた。
Aの微かに笑っている声が聞こえたけど、Aは逃げているのかドンドン声が聞こえなくなって言った。
俺は真面目に痛くてその場に座り込んでいた。
カチャチャン。音がする。
間違いなくガチャガチャとも階段を下りている鉄の塊が居るのを感じた。
俺(まじでまじで!?)
情けない事に腰が抜けて動かない。もしかしたら金縛りかもしれないけど。
そうこうしているうちに、俺が見ていた階段に奴が現れた。
見るからに武者。綺麗でカッコイイと思える、子供の日に見る様な甲冑を来た美男。
眉毛はシャッとしていて、顔もスッとしていて、目は細いながらも力強い。
最初はコスプレしている人かと思ったけど、その姿が微かに透明なのを見て「落ち武者だ!」って分かった。
22: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:40:40 ID:Wg9uhnwKv
透明なのに気が付いた瞬間、だんだんと怖くなり持ってきていた位牌を取りだし見せつけた。
武者の男は「( ゚д゚ )!?」って表情になったのち、優しい顔をしてクスッと笑った。
恐らく今だから分かるけど、俺も位牌を見せられたらびっくりする。
俺「ここ、これ饅頭です。線香です」
武者(それを目で見て、またクスッと笑う)
俺「ご、ごめんなさい!すみません!」
武者(ゆっくりと階段を降りはじめる)
23: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:41:40 ID:Wg9uhnwKv
ちなみに。(適当なサイトからコピペ)
お位牌は、御霊のとどまる場所、つまり霊位を表わす牌のことです。
亡くなられた方の姓名、死亡年月日を記して礼拝します。
お位牌についての歴史は、中国の儒教におけるご先祖様やご両親の存命中の位官や姓名を板に記して書いたものが禅宗と一緒に日本に伝わってきたのが始まりと言われています。
なんか実に間抜けだわ。てか、ご先祖様迷惑なんじゃね。
24: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:41:41 ID:xboAIbR1x
ガチ幽霊かよ・・・
25: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:46:45 ID:Wg9uhnwKv
ゆっくりと降りてきた武者は俺の前に立つと、ゆっくりと屈み俺の顔を見た。
ビビって声が出なかったけど、武者が「別に鬼でもない。安心しろ」と言っているような気がした。
テレパシーって奴なのかな。とにかく頭の中で声が聞こえる感じ。
武者(饅頭へ手を伸ばす。親指と人差し指でつかむ)
その瞬間ズズッと腕の皮が引っ張られるような感覚がして、まんじゅうから白い粒が抜けた。
その光の粒を武者は食べると、ニコッと笑った。
>>24
ガチ幽霊なんだけど、凄く顔がイケメンで、相棒とか半沢直樹の及川光彦みたいな感じ。
とにかく人間みたいで、落ち着いたら怖くは無くなっていた。
26: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:47:34 ID:Wg9uhnwKv
そう言えば、耳が無かったと思う。甲冑で隠れていただけかもしれないけど
27: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:52:00 ID:Wg9uhnwKv
武者さんを見ていたら気持ちがだんだんと落ち着いてきて、俺の本題を思い出した。
俺「そ、そうだ!剣術を教えてもらいたいのです!」
慌てて正座し、土下座する俺。
武者(もの凄く動揺、大きく後ろに下がる)
俺「剣道で負けて悔しくて!本物武士なら強くなれると思いました!」
武者(手を出して、一生懸命顔をあげろのジェスチャー)
俺「いいですか!?」←馬鹿である。
馬鹿だけど、何故か了承してもらえた気がしてテンションが上がった。
武者(両腕を組み、まっすぐに俺を見る)
俺(ガン付ける様に見る)
そんな感じで本気で1分以上続けて。
俺「あ、酒ですね!明日持ってきます、だから教えて下さ!」
そう言う結論に至って再びの土下座。
武者(また顔をあげろのジェスチャー)
(これの繰り返しなので省略する。
28: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:53:54 ID:Wg9uhnwKv
その日は妙に気分ウキウキで家まで帰った。
Aからメールが何通も来ていて来ていて10通目あたりで「死んだ?」で、20通目辺りで「ごめん」って来てた。
俺『武者に許可貰った!!!』
A『は?』
俺『明日から修行する!じゃ!』
A「は?」
29: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:56:49 ID:Wg9uhnwKv
次の日、学校の忍び込んで竹刀を2本かっぱらった。
そこから一端家まで戻り、親父の日本酒(一升瓶)を手に持ってマンションへ。
そこからジーッと武者が来るのを待った。
途中怠けて他にも持ってきていた漫画本やPSPをして時間を潰した。
30: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)03:59:54 ID:Bt5U01eRF
面白いな
>>1の馬鹿っぷりが
31: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:00:18 ID:Wg9uhnwKv
すまん、俺の待機場所は屋上。武士と言ったらここに来るだろうと妙な自信を持ってた。
夜中5時頃。町内の帰りの歌が流れだした頃。
ガチャン、カチャカチャ。あの音が聞こえてきた。
俺は直にゲームとかPSPをしまい、持ってきておいたコップに酒を注いで正座した。
武者が階段から出てくる。すごく驚いた顔をした。
多分内心(うわぁ、本当に来たよ……)だったと思う。
俺「師匠!宜しくお願いします!」
叫ぶように言った。
武者さんは困った顔をしながらも俺の前に立った。
>>30
当時はかなり大真面目だからなwwww馬鹿だけどwww
32: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:06:11 ID:Wg9uhnwKv
それから武者さんと秘密の修行が始まった。
最初は持ってきておいた竹刀を武者さんに渡すと、首を振られ断られた。
と言うのも、竹刀を持つ事ができなくて通り抜けちゃうのだと、実演して見せられた。
なので武者さんは脇に差していた刀を一息で抜刀。
俺は「うぉおおおお!!カッケぇ!!」とか言ったら、照れ臭そうに笑ってた。
主な教え方は武者さんが刀の持ち方や構えからを実演して見せて、顎で「さあやれ」と言われて真似するだけだった。
それで始めの一週間はとにかく竹刀の持ち方と腰の入れ方をしえられた。
33: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:10:34 ID:Wg9uhnwKv
最初尻が出ていたのだけど、その時に武者さんが寄って来て腰の辺りをパンッて叩いた。
実際には叩かれた衝撃はないのだけど、胃の中に急に冷たい物が現れる様な、
そんな妙な感覚がしてヒッと腰を前に出す感じ。
あと、何度も握り方を見せられた。要は絞る様に握り、腕は微かに曲げろとの事。
脚に関してはそんなに言われなかったけど、飛び込みの時はもっと体を屈めろと何度も見せられた。
基本的には同じ動作の繰り返しで、俺がそれをしている間は、コップに注がれた酒を武者さんは黙って飲んでいた。
その間も眉一つ動かさず、ジッと俺を睨む様に見ていたのを覚えている。
ちなみに休憩は無かった。だから2週間ぐらいは筋肉痛と疲労で、Aとも遊ぶ気にならなかった。
34: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:17:44 ID:Wg9uhnwKv
そう言えば不思議なことにお酒を注いである筈のコップが毎回、終る頃には空になってた。
武者さんが飲んでいたのだと思うけど。
そんなこんなで夕方5時から、夜の10時ぐらいまで。今考えるとよくぶっ通しで出来たなーって思う。
一度だけ怖かったのが。
二週間目あたりで俺が「実践を教えろ!」と駄々をこねた時だ。
武者さんは大きく息を吐くと、立ち上がり、そこに立てと刀で指した。
俺はワクワクしながらそこに立つと、向かい側に武者さんが立つ。
瞬間、いまでも経験したことがないけど、とてつもないオーラを感じた。
不良同士の喧嘩で、頭格が発しているような、とにかく近寄っちゃけない感じ。
で、ババッと走ってきたかと思ったら俺の首元寸前で刀が止まっていた。
何て言うか飛び込んだわけでもないのだけど、本当に瞬時に接近してきた。
俺はビビリながら泣くと、すまんすまんと武者は慌てた様子でオドオドしてた。
ただ只者ではないと確信を得た俺は、真面目に武者さんの修行を聞くことにした。
35: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:27:44 ID:Wg9uhnwKv
11月。雪が降り始めても、必ず武者さんは屋上で待っていてくれた。
その頃になると武者さんが何度か、ビシッ!ビシッ!と刀を前後に振っていた。
とにかくキレッキレッだった。しかも、それをした後、一息つく。
と思った瞬間、居合切りの様な速さで刀を抜刀。瞬時に前後を切り、刀をしまう。これを5秒ぐらいでやってた。
刀は見えなかったけど、明らかに抜いていたと思う。
俺は相変わらず竹刀を振って、時々武者さんが目の前に立ち、指さした箇所を叩く練習をしていた。
例えば、武者さんが肩を指さしたら肩を狙って竹刀を振る。
ズンッと俺は振っていたのを見た武者さんが見る
俺の横に立って刀をストンッと落とす様に真っ直ぐ切るのを見せる。
こうやれと武者さんは言っている。それを何度も繰り返す感じ。
ちなみに構え稽古(オレ命名)で、武者さんがゆっくりと刀を振るのだけど、それをどう避けるの修行が辛かった。
そう避けると腕出ちゃうよ。そう避けると肩でちゃうよ。そう避けると顔危ないよ。ほら腰出てる。尻どうにかしろ。
どう避けても何かしらミスる。
俺「師匠の様にできないですよ!」
武者(楽しそうに笑っている)
11月からは比較的楽しくなってきた。
36: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:32:00 ID:Wg9uhnwKv
12月。始め。
A『お前一か月も引き籠ってるけど平気?』
俺『修行している』
A『ああ、マジでやってるのか……(笑)』
俺『Bに勝ちたい』
Aには修行していることを内緒にしておいてくれと10月の時点で言っていたけど、
どうやらA自身も忘れていたらしい。
それと俺がBに惨敗したから顔が出せなくなったともっぱらの噂。ますます悔しくなる。
A『でも、体育での剣道も終わってるし、もう直ぐ終業式だぞ?』
俺「あ……」
そうなんです、馬鹿なのです。俺は。
37: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:34:25 ID:Wg9uhnwKv
その日、武者さんへ修業後話した。
俺「明日、試合して来ようと思います!」
武者さんは黙って俺を見る。
俺「勝ってきます!」
武者(深く頷く。)
そうすると武者さんは笑い、俺の頭を撫でてくれた。すごくヒンヤリとした。
38: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:37:21 ID:Wg9uhnwKv
まあ分かると思うが当日。
Bが入部した剣道部に放課後訪れた。
最初顧問のBBAに一方的に「お前が来るような場所じゃねーだろ、帰れ」と言われたが、
静かに「Bと試合だけしたら帰ります」と言い返した。
B「お前、またやるの?ww」
俺「うるせー!黙って勝負しろ!」
(省略)
負けました。
39: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:38:12 ID:Wg9uhnwKv
負けました。
顔が熱くなってきた
40: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:43:36 ID:0sr9NWtRj
うへ
41: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)04:45:49 ID:Wg9uhnwKv
ただ、Bの得意技なのか分からないけど、飛び込みは完全に避けれたし、何回か鍔迫り合い(?)ってものになった。
それに明らかに竹刀を打ち込めていた。大きな成長を感じながら、武者さんの元へ戻った。
俺「負けました!」
武者(だろうな、と言った様子。)
俺「でも絶対勝てます、この調子だと!」
武者(笑う。)
とりあえず、25日からは来れなくなると言うことだけを伝え(家族や遊びたいし)、それまでの間は全力で修業した。
持ってくるお酒を3000円代にランクアップさせた。
武者さんが飲むのを静か‐に見ていたら「おっ」と言う顔をしていた。
43: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:07:38 ID:Wg9uhnwKv
年末。深夜11時で賑わいある町の中、俺とAはあの廃墟へ。
屋上につくと、武者さんが正座して静かに日が昇る方の山を見ていた。
残念ながらAには見えていないらしいが、俺は「そこにいる!いる!」と一人で大興奮。
と言うのも、Aと遊んでいて連日の様に「嘘だろー」と馬鹿にされ続けていたからだ。
俺「師匠~!」
そう言いながら一升瓶を持って行く俺。
武者「Σ(´∀`;)」
そう驚いていたのもつかの間で、武者さんは直にコップの酒を飲むといつもの微笑。
俺とAはバカ騒ぎしながら飲んで騒いでた。Aは未だに俺がボケてただけだと思っているらしい。
そんな感じで、マンションの屋上で騒ぎながら初日の出を迎えた。
一生大切な想いでとなった。
武者さんは凄くかっこよく、初日の出が似合っていた。
44: アルダシール1世◆HM3jqfms0U 2014/10/24(金)05:09:32 ID:R5Q8KWcmg
努力は評価する
45: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:19:35 ID:Wg9uhnwKv
5日から修行を再開し、次の再戦を2月と決めた俺は一生懸命修行した。
武者さんも教えてくれるものが実践的な物になっていき、打ちながら下がる技や、斬り抜けとか。
色々見せてくれるようになった。俺は1割ぐらいしかできなかったけど。
それで見ていて分かったのが、本当に武者さんは強い。あと、若干俺がイメージしていた剣道と動きが違かった。
何度か面と面を合わせて黙ってこちらから攻め込む修行をしたが全部避けられていた。
で何度も俺の背中とかお腹とか打ち込まれた。
ヒンヤリとした感触しかしないけど「斬られた!」って言う感触だけは確りしていた
46: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:22:32 ID:Wg9uhnwKv
そして、自分が中々納得できず二月下旬になってしまった。
俺「師匠!今度こそ勝ってきます!」
武者(ニコニコと笑う。)
俺「うおおおおお!」
武者(腰の紐を締め、忘れるなよ、ッと言った顔で見る。
つまり気を抜くなよって事だろう。
なんだか師匠に認められた気がして嬉しかった。
そうして俺は意気揚々と放課後の剣道部へと訪れた。
47: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:26:58 ID:Wg9uhnwKv
相変わらず顧問のBBAは俺の事を止めるが、前回と同じような流れでBを呼ぶ。
B「不良だから闇討ちとかしてくると思ったけど、してこないし。
てっきり根性なしなのかと思ってた」みたいなこと言われ、ヒートアップする俺。
ただ冷静に。ッと言うのが、武者さんを見ていたら大切だと分っていた。
武者さんを真似する訳じゃないけど、冷静にフッと鼻で笑い。
俺「正々堂々喧嘩売ってるんだよ。買えよ」
と喧嘩腰で行ってしまった。恐らく俺は武者さんの冷静さを理解できていないと思う。
B「うっせーよ。先生、さっさと終わらせますので」
妙にBは気取った様子で俺との試合を承諾してくれた。
おそらく、顧問もBも何かノリノリになっていたんだと思う。
48: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:29:57 ID:Wg9uhnwKv
ただ今回は少し変わっていた。
B「お前防具の付け方もしらないのかよ。コッチこい」
そう言うとBは俺の防具を着つく縛り直してくれた。
俺「お、おう……」
動揺しながらBを見るがやっぱ憎たらしいイケメン顔が面の向こうにある。
なんか無駄に盛り上がりを見せていて、隣の柔道部や剣道部の奴らが全員コッチを見ていた。
そうしながら試合へと向かう。
49: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:32:15 ID:Wg9uhnwKv
互いに礼をし試合場へと向かう。
不思議だったのが、Bは竹刀をスッと上に抜く様にして面に構えたけど、
俺は竹刀を下に抜くようにしながら構えた。
なんかそれが独特の雰囲気だったのか、少し周りが「おお……」と声が上がった
50: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:34:32 ID:Wg9uhnwKv
顧問「始め!」
大きな声でBBA言った。
Bはまっすぐに俺へ飛び込んできた。
反射的に体が横へとずれる。
Bの竹刀は空を斬たが、直に降り向き俺へと来る。
俺の足取りは滅茶苦茶だったが、飛んできた竹刀を、自分の竹刀で受け止める事に成功した。
また歓声が沸いた。
51: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:38:03 ID:Wg9uhnwKv
俺は直に体をひきながらBの手を狙う。
ぶつかり合っていた竹刀を綺麗にクルりと回し、Bのコテを狙うが、バチンっと!引き下がりながらBがそれを阻止した。
その後は、何度も隙を見つけては竹刀を振った。
肩とかも狙ってしまったが、一本にはならず、とにかくスキがある所に叩き込んだ。
そう書くと、俺がメチャクチャ打っているようにみえるけど、実際はBの方が素早く打ち込んできた。
鍔迫り合いで容赦なく俺を押し飛ばし竹刀を振ってきた。
とにかく早かった。
52: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:41:26 ID:Wg9uhnwKv
何度もBと目が合う。Bは真剣な表情だ。
ちょっと昔なら笑っていたかもしれないけど、その時は笑うことなく、真剣に睨み返してやった。
互いに何度も距離を取り、Bが攻め込み、それを俺が避けて、俺が攻撃するが、Bには届かず。
一瞬の隙をつく俺の攻撃は、Bの技量で逃げられ。俺は直に距離をとる。
とにかく終わりがない攻防戦だった。
そんな中、滅茶苦茶な足取りがあだとなった。そもそも修行の時に袴を着ていなかったのが問題だった。
一瞬転んでしまったのである。
53: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:46:42 ID:Wg9uhnwKv
そこに容赦なくBが竹刀を振る様子が、信じられないほどスローモーションで見えた。
「馬鹿者!諦めるな!」
本当にそう言う男の声が聞こえた。
俺はハッとして、駄目元で竹刀で攻撃を防ぐ。
そのまま、妙な硬直状態となり顧問が「待て」と声が掛かり、俺は急いで立ち上がり、Bと面向かう。
あのまま転んだ状態で責められて居たら……と思い息をつくと。
「大馬鹿者!油断するな」
また男の声がした。何故かしらないがビリリっと頭の中に電気が走る様な気がして、ハッとした。
顧問「始め!」
同時にBが俺の手を狙って攻めて来ていた。
俺は慌てて竹刀を横に倒す。
そして、グルッと回る様な感じでBの面を叩けた。
54: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:49:07 ID:Wg9uhnwKv
一瞬背中を相手に見せたと言えばいいのかな。
モンハンの大剣の回り切りの高速バージョンと言うか、そんな感じでまぐれ一本入った。
声を出して居なかったからか、めちゃくだったからか、おしくも一本とは言われなかった。
Bの舌うちが聞こえた。
そんなのがゆっくりとした時間に感じていると、Bがコチラへ竹刀を振っていた。
俺は直に、足で踏ん張り、しゃがみこみ、竹刀を横に倒して、振り向きながら飛び込んだ。
『バシィイイイン!』と言う確かな手ごたえと音がした。
55: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:50:59 ID:Wg9uhnwKv
ただ、声は上がる事なく。
その後、あっさりと普通に面を取られた。
それが納得できず動揺しており、すぐに2試合目もアッサリと面取られ、二本ストレート負け。
終って直に涙が出た。
56: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)05:55:17 ID:Wg9uhnwKv
>>54で若干ネタバレしちゃってたな。
俺には分からなかったけど、20分ほど続いた大激戦だったらしい。
デタラメなのにすばしっこく、嫌らしい攻撃をする俺に、顧問も驚いていたそうだ。
でも、そんなの関係なしに。終った後、ボーッとしてた。
やはり、先ほどの一本が納得できなかった。
Bが、そんな俺の前に立ちポカリスエットを差し出してきた。
俺「なんだよ?」
B「飲めよ」
俺「毒でも入っているのか?」
B「そんな訳ないだろ。それ飲んだら少し来い」
俺はポカリスエットを一気飲みして見せて、無駄に勝ち誇った表情をして、Bは呆れ顔。
そのままBに言われるがまま、顧問の元へ言った。
57: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:00:56 ID:Wg9uhnwKv
B「さっきの試合なのですが。なんで俺さんへ一本あげなかったのですか?」
俺は驚いた。
顧問も驚いた顔をしていた。
B「不良だからですか?俺が納得しません」
顧問「……面は明らかに一本と認められない。胴に関しては…………」
B「なんなんですか?」
顧問「声が……」
B「相手は素人ですよ? 一本にしてあげるべきだと思います。それに大会でも」
そんな感じでBが俺の一本を認めさせてくれようとしていた。
微かに嬉しかったが、同時に惨めに想い「もういい」と言った。
B「お前、また来いよ」
俺「もうこねーよ、白けた」
そう言いながら、学校を後にした。
58: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:02:19 ID:Wg9uhnwKv
本当に終わったと言うか、何も感情が湧いてこないと言うか。
とにかく何もかもが嫌になった。
その日は、丁度良く気取ってる不良が居て、喧嘩して、親呼ばれて。
そんな感じで終ってしまった。
59: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:04:46 ID:xboAIbR1x
有段者から一歩とるってだいぶ強くなったな 短期間で
落ち武者さん有能すぎるwwww
60: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:06:32 ID:Wg9uhnwKv
一週間修行をさぼり、何もなくただ漠然とAたちとつるみ。
その中でもまた負けたと言う評判が広まって居て、居づらくなっていた。
そうであったからか、枕元に出てしまった。武者さんが。
>>59
隠しても仕方ないから言うけど、高校でも剣道を始めた。
その時に顧問のジジィに言われたのが「確実に殺すような感じだな」との事。
武者さんに教えられたのは、多分そう言う奴だったんだと思う。
61: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:13:25 ID:Wg9uhnwKv
武者さんは何も言う事なく、俺の事を見ていた。
情けをかけている訳じゃないのは分かった。
寧ろ、褒めてくれているのだと分かった。そしたら、凄く涙が出て来て馬鹿みたいに泣いた。
武者さんはいつもの笑顔で、静かに俺の頭を撫でてくれた。
「本当なら勝者はお前だ。馬鹿者」
あの声が聞こえた。やはり、あの時聞こえたのは武者さんの声だったんだ。
その後は声も聞こえなくなり、武者さんの姿もいつもより薄くなっていた。
俺「師匠……?」
涙目ながら武者さんを見ると、いつもの様にニコッと武者さんは笑っていた。
そして刀の鞘を俺に差しだして握れと、頷き目で言って来た。
俺はその鞘を握ると、妙に気持ちが落ち着き、同時に武者さんが居なくなるのだと悟った。
俺「師匠……!」
グッと鞘が引かれ、俺の体が持ってかれる様な感じになるが、体を保つ。
武者さんは「ほらな?」と言った感じだった。
勝手な解釈だけど「お前は強くなったぞ」って事だと思う。
武者さんは、そのまま俺に背中を見せると、スゥッと歩くように姿を消した。
62: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:21:28 ID:Wg9uhnwKv
あの後、心を入れ替えたと言うのも変だが、真面目に剣道がやりたく思い高校進学を選択した。
残念ながら今までの行いが仇となり、大した学校に行けなかったけど、無事進学はできた。
中学の剣道部には駄目元で入れさせてくれと頼んだが、顧問のBBAに拒否された。
だ影でBが「どうせなら8月ぐらいまでいいじゃないですか?」と言ったそうである。
ただ、Bとは試合後、それほど会話することはなかった。
元々かなりの実力者だったのもあり、進学先は剣道の強豪校に進んだのを知っている。
と、言うのも一度、対抗戦でBと当たったことあった。
その時は正々堂々、良い線で勝負できた。ただ、1対2で俺の負けだったけど。
弱小剣道部では大会優勝を目指す事も出来ず、自分の剣道の段を取ることぐらいしか充実はなかった。
ジジィが馬鹿みたいに強くて、武者を思わず思いだしたけど。
一応、大学行って続けて、警察官になるのも考えていたのだけど、家の事情でどっちも叶わなかった。
63: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:23:16 ID:csElEQtDm
いま警察官なの!?
64: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:24:04 ID:xboAIbR1x
>>63 よく読め
65: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:24:53 ID:Wg9uhnwKv
そんなこんなで、適当に生きてきたけど、最近あのTマンションが壊される事を知った。
懐かしい思い出を昨日Aと語り、その余波で朝から話してしまったww
>>63
ジジィ(高校の剣道部顧問)に進められたんだけど、家がね……怖い人だから……ww
不良の家のガチ家庭って奴です。
あー、でも凄い後悔したな。中学生時代名前借りたりしたけどwwwwwくっそwwwwww
66: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:25:51 ID:Wg9uhnwKv
ごめん、話長かったけど、これで終わりです。
ちょっと時間経ったら聞きたい事ああるから、もう一度きます。
67: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:37:00 ID:iWB2dqAPt
胸熱
68: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:39:11 ID:Wg9uhnwKv
えーと、昨日の話で思い出したのだけど、胴の部分の模様が画像の様な感じだったのですよね。
これ何処かの紋様ですかね?
82: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:53:33 ID:YFHzeptnp
>>68
これ似てね
89: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)14:02:45 ID:Wg9uhnwKv
>>82
それの右横が似ているかも、ちなみに何の家紋?
69: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:41:17 ID:Wg9uhnwKv
こっちかも。
とにかくひし形が3つあったのですが、どこかの家と似ている紋様無いですかね……
70: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:50:18 ID:xboAIbR1x
本田家かな 上のやつだと
俺専門家じゃないけど>>1の絵の特徴あってる
71: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)06:59:41 ID:Wg9uhnwKv
>>70
今見て来ました。似ているような似ていない様な……
文にひし形3つなイメージが強いんですよね。ああ、何でハッキリと覚えていないのか。
まあ、もしも分かったら墓参りとかしたいな……とw
72: ◆Mjk4PcAe16 2014/10/24(金)07:03:40 ID:xboAIbR1x
上の絵はヤリと三つの模様
下の絵は日本の刀と模様っぽいね
家紋マニアきてくれー
74: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:06:55 ID:Wg9uhnwKv
>>72
ヤリなのかな。そして下のだと刀になるのか!?
75: ◆zYSTXAtBqk 2014/10/24(金)07:09:31 ID:xboAIbR1x
>>74 下の絵は刀が交差しているように見える
確か家紋って武器とかから来てんだよ
77: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:10:48 ID:Wg9uhnwKv
>>75
ああ、なるほど……。武器を交差させているのか。
73: ◆Mjk4PcAe16 2014/10/24(金)07:04:27 ID:xboAIbR1x
逆に出身地どこよ?
その武者と家紋も同じ所に居たんじゃね
74: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:06:55 ID:Wg9uhnwKv
>>73
埼玉と群馬の県境あたりです。
地元は自力で調べようかなーっと考え中です。
確か祖父の知り合いに学者さんの知り合いがいたと思うので頼んでみようと思います。
95: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)22:50:05 ID:H75gxWNQo
剣三つ目の家紋かな
97: 名無しさん@おーぷん 2014/10/25(土)06:49:38 ID:3IoAwFTjz
>>95
それだぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
そんな感じ!
76: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:09:46 ID:qzMCO10q3
出勤時間なのに読んでしまった
感動しました(´;ω;`)
77: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:10:48 ID:Wg9uhnwKv
>>76
涙を止める為には、馬鹿が位牌持って落ち武者に剣を乞うたと思えばいいよ。
でも、そう言ってもらえると素直に嬉しいわww
80: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)07:50:45 ID:xtcbJ6YiB
>>1のせいで遅刻確定www
乙でしたwww
涙でたわwwwwww
90: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)14:05:44 ID:Wg9uhnwKv
>>80
一応感動話なのかな……?ww
出来ればバシッと勝利する所を見せたかったよ。
93: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)15:19:06 ID:Ob8dmQRWz
なかなか面白かった。
ばばっと進んできて、一気に首を狙ってくるのが本物っぽいな。
剣道だとそういう動きはしないからね。
94: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)16:35:46 ID:Wg9uhnwKv
>>93
首を狙われたのは、怒られた時だけだけどね。
何て言うか、明らかに近づいてきているのだけど避けれなかったww
88: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)09:08:49 ID:nTavUtPpJ
なかなかいい話だった
お疲れ様!
90: 名無しさん@おーぷん 2014/10/24(金)14:05:44 ID:Wg9uhnwKv
>>88
あんまバシッとできた話じゃないけど、現実だとこんな物なんだろうなww
ちなみにBは大学でも剣道進んでて、町の剣道場で教師やっているらしいwwwwwすげぇwww
引用元 2ちゃんねる
ギターの上手なDQN同級生「ぜってー落とすなよ?落としたら殺すかんな?」 俺「分かってるよ…落とさんっちゃ」悔しかった俺は行動に出る→結果...... [俺..泣いた!]
1:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:00:51.99 ID: y+NcPp2n.net
暇だからちょっと語らせてくれ
聞きたい人がいるかどうかは知らない。でもふっと思い出したから書く
書きだめはないのでごゆるりと待っててください
2:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:03:04.88 ID: y+NcPp2n.net
この時俺は中二で…痛いやつ真っ盛りだった。
ただモテたいがためにってのと…姉貴がいて姉貴がベースをしてたから俺はギターを始めた
ギター自体は姉貴のやつを使ってた。もちろん全く弾けない。全然弾けない
3:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:08:00.65 ID: y+NcPp2n.net
姉貴にも死ぬほど笑われたw
姉「ビートルズすら弾けないの?w」って感じで…悔しくて堪んなかった
姉貴はジャズばっか聞いてて正直メチャクチャ上手かった。
二人の共通項は洋楽好きってこと。ジャンルは全く違った。俺はこの時にわかで全然知らなかったけれど
4:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:10:25.35 ID: k0OHj0bt.net
びっぷらのロバート・ジョンソンが
支援(笑)
5:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:12:41.52 ID: y+NcPp2n.net
どんだけやってもコードチェンジが上手くいかない。ビートルズとかニルヴァーナとかメチャメチャギター簡単な曲すら弾けなかった。
それで結構すぐやめちったwww
ギターはインテリアと化してた。俺は音楽だけ弾いてギターは弾かないって日々が続いた。
因みに母は死んでていなかったけど親父はよくしてくれた。有名なゲーム会社に勤めててお金もあった。だからCDなんかは全部買ってもらってた
6:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:19:12.82 ID: y+NcPp2n.net
そんでぐだぐだ過ごしてたら学校行事があった。その時だった。
うちのクラスのDQNがギターで弾き語りするっていう出し物をする事になったんだ。その時内心しまった!って思ったけど…
そいつ地味に上手かったんだよね。邦楽をしてた(確かtubeとか)んだけど歌も上手いしギターも弾ける。最悪だった。
俺のクラスはそいつを全面バックアップするってことに決まった。部活のやつは部活の出し物とかあったんだがいかんせん帰宅部だった…
俺はそいつのギター持ちになった
7:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:25:57.45 ID: y+NcPp2n.net
DQN「ぜってー落とすなよ?落としたら殺すかんな?」
俺「分かってるよ…落とさんっちゃ」
ずっとこんな感じだった。こんだけ言っても俺より安物のギターだったんだけどなw
ギター持ちの仕事はかなり楽だった。でもものすごく悔しかった。学校行事でそいつは拍手喝采だった。先生からも受けがよかった
これでもう1回始めることにしたんだw
8:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:27:14.81 ID: ZKv06bHc.net
上手いなら教えていただきたい
10:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:30:23.10 ID: y+NcPp2n.net
インテリアと化してたギターを手にとって必死に練習…するはず無かった。それだけ意志が弱かったんだな、全然ダメ。
姉貴からはとうに見捨てられてた。俺はもうビーオタするだけの浮いた中学生になってた。
中二の終わり、俺は電車通学でいつものように電車に乗ろうとしてたんだが…いつもと違うんだな。
ストリートのミュージシャンがいた。俺はこんな田舎でなんになるんだ?金になるの?とか考えてた。よく見るとスーツはきてんだけど全体的にボロい。ハットも被ってるけどヨレヨレ。
こいつ…完全にホームレスじゃあねえか。
その時すぐ無視した。
11:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:34:21.20 ID: y+NcPp2n.net
学校が終わってその日は珍しく友達と遊ぶことになった。俺ほとんど友達とかいなかったしなw
結構テンション高めで帰ったの。その時気付いて無かったけど、1回家に帰ってもっかい駅に行くとまだストリートのやつはいた。
こいつ何時間いるんだよ!?朝の8時に見て今夕方だぞ?って思ったのを覚えてる。
そのホームレスは意外とお爺ちゃんでそれもあってかギターケースには結構小銭が入ってた。
年を売り物にしやがって…それが最初の感情だった。ギター売れよwとかも思った
12:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:38:03.37 ID: y+NcPp2n.net
チラッと見たとき目があった。うわっ最悪…
ジジイはにやっと笑ってイマジンを歌い出した。その時の俺がジョンレノンのシャツを着てたからだった。
俺「あれ?意外と上手くね?」
ジジイは声高々にイマジンを歌う。ギターは簡単なのは知ってたけど弾けなかったから羨ましかった。
気付いたらジジイの前に立ってた。ジジイはイマジンを歌い終わるとちょっとこっちを見て
「金」
とだけいった。
13:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:39:15.95 ID: k0OHj0bt.net
ワロタ
14:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:39:37.00 ID: ZKv06bHc.net
じじいwww
15:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:41:29.38 ID: y+NcPp2n.net
俺「金?あーっと…」
ここで渡すのはなんだかしゃくだった。友達との約束ごとも忘れてジジイにいった。
俺「ビートルズ弾ける?」
ジジイ「あんなに簡単なの弾けねえやつおらんが」
カチンと来た。ビートルズを貶された気持ちにもなったし尚且つ俺の嫉妬が吹き出した。
俺「へー。ブラックバード弾けたら金やるよ」
ジジイ「…口の聞き方気を付けろい」
それでもジジイは笑ってたが。
16:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:45:38.97 ID: y+NcPp2n.net
どうせ無理だと思った。いきなりのリクエスト。しかもブラックバードは意外と難しいというのをCD屋のマスターから聞いていた。
ジジイ「ブラックバードシンギン…」
めっちゃうめえ。ふざけんな。期待を返せ。あとものすごく発音がよかった。本家のポールより歌が上手い気がした。
チャカチャカずっと鳴らして演奏は3分ほどで終わった。
ジジイ「…で?」ニヤ
このにやけにまたもカチンと来た。
俺「じゃあ次はアクロス・ザ・ユニヴァースだ!」
ジジイ「へいへい…」
といってチューニングをし直した
18:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:46:58.97 ID: ZKv06bHc.net
面白いwwww
19:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:48:51.16 ID: k0OHj0bt.net
そのシジイは交差点で悪魔に魂を売ったのさ…w
21:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:52:13.00 ID: ZKv06bHc.net
>>19
赤い目の悪魔さんちーっす
27:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:16.33 ID: k0OHj0bt.net
>>21
誰が赤いおめめのトナカイさんやねんw
ロックの定義は人それぞれ難しいな
20:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:49:07.08 ID: y+NcPp2n.net
ポンポン
その時チューナーを使ってなかった。俺は合わせるだけでもチューナー頼りだったのにw
俺「チューナー使わんの?」
ジジイ「…チューナーねえw」
弾けなかったら殺してやるとまで思った。マジで。
ジャラン…
完璧だった。完璧すぎてビートルズ聞いてるのすら恥ずかしいくらいの完璧。歌は上手いしギターに狂いはない。
ジジイ「…金」
流石にここで折れた。小銭入れから300円出してギターケースに入れた。
ジジイ「…お前中学生か?」
22:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:53:13.23 ID: y+NcPp2n.net
俺「なんで分かったんじゃ?」
ジジイ「…額がショボい」
このジジイ、殺す。ジジイは笑うのを止めなかった。
ジジイ「お前今ビートルズきいてんのか?」
俺「ビートルズにニルヴァーナ。後はジョンのソロとか」
結構洋楽は聞いてると思い込んでた。でもジジイは鼻で笑って
ジジイ「…ロックってのを知ってねえなあ…」
ビートルズは大好きだったから腹立ったけどそれ以上にジジイに興味が湧いた。自然に怖いイメージは無かった
23:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:56:20.04 ID: DlhNAQtv.net
んでんでんで
24:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:00:37.81 ID: y+NcPp2n.net
俺「じゃあどんなんがロックなんだよ!」
ちょっとキレてた。まー痛い中学生だったししょうがないな。
ジジイ「まあ、待てや。俺はもうロックは飽きたんや」
俺「じゃあ何しよるん?」
ジジイはにやけて「教えられまっしぇーん」と言った。今でも覚えてるけどあのときの殺意。
ジジイ「…これくらい集まりゃいいか」
ジジイはギターケースをチラッと見て言った。確かに3000円以上あった。
25:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:02:27.13 ID: ZKv06bHc.net
中学生相手に大人気ないじっじやwwww
支援
26:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:03.09 ID: 6x8mukH8.net
おもしろい
支援
28:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:17.62 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「お前ギターすんのか?」
俺は痛いとこつかれたと思った。隠してもしょうがないと観念した。
俺「したいけど出来ない」
ジジイ「なんでや?」
俺「弾けんけえじゃ」
するとジジイはカッカッカッって笑ってすくっと立った。意外と背が高い。多分170以上はあった。
ポンポンと肩を叩かれ聞かれた。
ジジイ「弾けるようになりてえか?」
俺「…うん」
29:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:21.24 ID: GbSu5LaZ.net
面白い
30:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:05:55.76 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「…ほんじゃ」
といってメモになんかかいた。それは空き地の場所だった。
ジジイ「明日土曜やろ?今のガキは土曜休みじゃろうからここ来いや」
俺「は?」
ジジイ「ギターは必ず持ってこいよ」
俺「何時や?」
ジジイ「…朝や」
友達から誘われなくなったのは言うまでも無かった。
31:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:10:11.08 ID: y+NcPp2n.net
次の日朝8時に起きて少しドキドキしながら仕度した。姉貴からはどうした?って聞かれたけど友達の約束ってことにして出て来た。
空き地には既にいた。というより…そこがジジイの家だった。間違いなくホームレスだった。その空き地には小さな小屋があって中には四畳半くらいのスペースが裏の山手にあった。
ジジイ「来たな?くそガキ?」
そういって頭をがしゃがしゃされる。
俺「やめえや!臭くなるじゃろ」
ジジイ「…お前元気やなあ…」
その時ジジイはジャージにシャツ1枚だった。
32:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:10:25.54 ID: Bexfy8ot.net
この後めちゃくちゃア●ルセッ●スした
34:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:12:58.44 ID: y+NcPp2n.net
俺「しかし汚いな…」
ジジイは笑っているばかりだった。そのまま裏の小屋につれていかれた。
ジジイ「ここはスノウドニアっちゅうんや」
俺「スノウドニア?」
ジジイ「この小屋の名前や」
こいつ頭おかしいと思った。ほんとにこのジジイは大丈夫なんだろうか?殺されないだろうかというドキドキが出てきた。
ジジイ「…おい、ギター」
俺「へ?」
ジジイ「ギターだよ、練習すんだろ?」
36:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:14:13.98 ID: ahjTCrF5.net
今度はお前がホームレスになってギターを教えてやれ
37:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:15:39.21 ID: y+NcPp2n.net
そう言われて慌ててケースからギターを取り出す。ジジイのギターは野ざらしっぽかった。
ジジイ「へえ…ヤマハたあ良いもん持ってんじゃねえか」
俺「元は姉貴のじゃ」
ジジイははーん…といってまたにやけた。そこでやっと気付いた。
俺「ジジイのギター変なやつやな?」
ジジイ「お前ほんと生意気じゃな?」
38:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:17:09.95 ID: ZKv06bHc.net
みてるぞ
39:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:18:52.36 ID: y+NcPp2n.net
ジジイはそういってギターを取った。後に知ることになるがそれはドブロというアコギ(というよりリゾネーターギター)だった。
知りたい人は調べてほしい。俺はそのギターに興味津々だった。
ジジイ「これか?こいつは"よしの"じゃ」
俺「は?」
ジジイ「ギターの名前や」
なんでも名前つけるのか…ほんとに頭おかしいと思った。これまた後に分かるがジジイはなんでも名前をつけるクセがあったw
40:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:19:14.47 ID: k0OHj0bt.net
ゆっくり好きなようにやってくれ
41:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:20:21.31 ID: ZKv06bHc.net
ダークリゾネーター?
42:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:22:07.60 ID: y+NcPp2n.net
ジジイはドカッと座って俺を見た。
ジジイ「何が弾きたい?」
俺は色々迷ったが好きな曲を素直に言った。
俺「ヒア・カムズ・ザ・サン。これしたい」
俺はジョージハリスンファンだったのだ。ジョージのシャツなんて1枚も持ってなかったがw
ジジイ「…分かった」
この時少し目付きが変わった気がしたんだ。俺はジジイに続いて汚い座布団の上に座ってギターを担いだ。
43:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:26:39.96 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「まあまずは焦るなや。キーから教えんぞ」
いきなり教則本を完全に無視だった。全くキーなんて言葉知らなかった。
ジジイ「…あー。キーってのはな?コードのベースや。簡単に言うとな」
それから基本音というのを教えてもらった。ジジイはやっぱり面白い人間だったが教え方も凄い上手かった。
焦らんでええ、手が小さいのはしゃあおまへんとか慰めの言葉をかけてくれてた。
まだまだ中学生。手が小さい上に飽き性だ。キー押さえるだけでつまらなくなっていった。そこでジジイの話題をふった。
44:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:27:38.28 ID: gyD8gijJ.net
おれの音楽のスタートはThe EaglesのHotel Californiaだったなあ。
184:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:59.78 ID: dXC3WYt2.net
>>44
私もイーグルスのホテルカリフォルニアだった
弾けずじまいだったけどw
45:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:27:51.16 ID: sV9hLFXU.net
イッチとすんでるところ近いような気がする
46:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:30:10.02 ID: 2ATJwX8E.net
どこの山陽地方だよ
47:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:30:50.89 ID: y+NcPp2n.net
俺「なあ?ジジイってなんでホームレスなん?」
ジジイ「…うっさいわ。ホームレスでもええやろ」
俺「何歳?」
ジジイは少し考えて「68」とだけ言った。正直ジジイジジイと言ってたが見た目はもっと若かった。このジジイが60代なのも信じられなかった。
朝9時から約三時間。延々キーを単音で押さえるだけをしていた。正直つまらくなっていた。
俺「なー、こんなんで上手くなるん?」
ジジイはクスッと笑って俺の肩を叩いた
ジジイ「お前、名前と年は?」
48:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:33:54.28 ID: y+NcPp2n.net
俺はいきなりでなんでこんなことを聞くのか分からなかった。
俺「俺は俺。14じゃ」
ジジイ「俺はジジイ、68」
益々分からなかったけれどちょっと面白かったw
ジジイ「…54も違えばギターの歴も違うっちゅうことや」
そういってすくっと立っていきなり着替えだした。
俺「なんで着替えるん?」
ジジイ「…金」
また一言呟いただけだった。
49:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:37:03.65 ID: y+NcPp2n.net
俺もすぐ見たいと思った。ほんとはどんな音楽をするのか気になったからだ。
俺「着いていってええか?」
ジジイ「…変な目で見られるからやめえや」
俺「遠くで見とくわ」
ジジイ「…そうか」
そういって俺は自転車。ジジイは歩いていつもの駅まで向かった。俺のギターケースはハードソフトだったがジジイはハードだった。
俺「ケース重くないん?」
ジジイ「…まだ若いけえの」
50:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:37:12.02 ID: nSI5o0OD.net
面白い
支援
51:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:41:08.20 ID: y+NcPp2n.net
スーツ姿に違和感しかなかったがスーツ姿でジジイは駅の前に陣取った。
ジジイ「…今日は焼き鳥だな」
俺「は?」
ジジイは無視してギターを取り出してチューニングした。そして筒状の変なガラスを出して歌い出した。
その声はとても力強くて、カッコよくて、渋かった。ジジイらしかった。ピックも使わずギターをバンバン叩きながら歌うのに俺は鳥肌がたちだした。
俺「ジジイ!」
話しかけても歌を途中で止めることはなかった。何度しても曲の途中で止めなかった。
52:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:42:36.34 ID: 7Zkx0ptA.net
良いねー面白い
53:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:44:27.85 ID: y+NcPp2n.net
ジャラン…
ジジイ「なんや?うっさいのお…」
この曲の全てが知りたかった。訳の分からないことを歌っているはずなのにカッコいいだなんて今まで聞いたこと無かったからだ。
俺「なんや?今の曲?なんてタイトル?」
ジジイ「これか…これはなあデスレターっちゅうんや」
俺「デスレター?」
聞いたことも無かったし見たこともなかった。
俺「作者は?」
ジジイは既にまたチューニングしていた。それから少し音を替えてまたひきだした。今度は知ってる曲だった。
54:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:49:37.31 ID: y+NcPp2n.net
俺「…スタンド・バイ・ミー?」
ジジイは結構大きな、でも優しい声でスタンド・バイ・ミーを歌い上げた。
すると会社員一人が金を落としていった。(確か会社員。記憶曖昧w)
ジジイ「…っし、仕事や」
ジジイはそれからずっと歌ってた。俺は途中で飯を食べにスーパーに買い物行ったりしてたがジジイはびくとも動かなかった。
ちょこちょこお金が増えていく。曲は知らないものから知ってたものまで色々あったが全てが洋楽だった。
55:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:52:34.83 ID: y+NcPp2n.net
夕方になってもジジイは歌った。俺はそろそろ帰らないとまずいかなと思い出したときだった。
ジジイ「お前そろそろ帰れや」
まずい!顔にでたか?と内心焦った。でもそんな焦りとは真逆だった。
ジジイ「お前にやる焼き鳥はねえんじゃ」
そんなことかい。焦って損したわ。
俺「へー。帰りまーす」
すると後ろからジジイがボソッと呟いた。
ジジイ「…また明日来いや」
58:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:59:03.66 ID: ZKv06bHc.net
おもしろい
60:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:03:58.75 ID: y+NcPp2n.net
その次の日にも行った。またいた。
ジジイ「よおーきよったのお」
また前日と同じような日になった。三時間キーを単音で押さえるだけ。その日はちょっとリズムがついたが。
それから駅に行ってまたご飯の品目を言って歌い出す。最初に夜何を食べるのかを決めて歌うのだという。1日2食しか食べないとしってなんで死なないんだこのジジイと思った。
それからこんな変なジジイとのギター練習が始まった。
学校がある日はダッシュで駅を出てチラッとジジイを見てうなずく。ジジイはにやっと笑ってまたギターを弾く。これが今日は行くの合図だ。
といってもほぼ毎日行っていたんだがwww
61:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:04:56.65 ID: 7Zkx0ptA.net
62:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:08:19.19 ID: y+NcPp2n.net
ジジイが夕方少し早めに弾き語りを止めて小屋に帰った。それからは親や姉貴を心配させないために1時間半しかジジイに会えなかった。
ジジイはなんら嫌そうな顔せずにギターを教えてくれた。俺も一時間半しかないから真面目に練習した。
ジジイがしっかり褒めてくれてたからだ。間違っても
「あーそうじゃあねえな。こうだ」ってな感じで全然厳しくなかった。それでもサボらず練習した。
一軒家だったから音を小さめに家でも練習した。姉貴からは案外感心された。なぜかは知らない。
63:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:09:57.43 ID: S7rApHjD.net
そんなに頻繁にホームレスに接触してたら、誰かに見られて何か言われそうだがな
64:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:12:50.12 ID: y+NcPp2n.net
俺は覚えが悪くて何回もイライラした。それでもジジイは笑うばっかりだった。
ジジイは駅でかなり上手いギターを弾く。俺はそれをしっかり見ていたんだがな…
運指が速すぎて見えないんだなw初心者にあれは無理だわw
それから1ヶ月が過ぎた。やっとこさキーをマスターした。どこがどの音ってのを完全に覚えた。
俺「よっしゃあ!」
ホントに声が出た。ジジイからテストを受けてそれに全てオーケーをもらったのだ
65:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:15:53.54 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「はっはあ!覚えたなあ!」
そうやって肩をバンバン叩かれた。少し痛かったけど嬉しくてそれどこじゃなかった。
ジジイ「それじゃあ次は曲に行くかあ」
俺「ホントかよ!?」
嬉しくて大声を出した。
ジジイ「バカッうるせえ。たまたま近くに家がねえからって人がいるかもだろ」
俺「す、すまね…」
ジジイ「…スモーク・オン・ザ・ウォーターや」
俺「は?」
67:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:17:53.31 ID: ZKv06bHc.net
ディープの名曲
66:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:16:20.15 ID: k0OHj0bt.net
大事なのはいかに音楽が好きで、その気持ちを維持する事心折れずに練習する事だよねー
テクニックなんて後で嫌でもついてくるからさー
68:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:18:12.16 ID: ZKv06bHc.net
アコギ始めて一ヶ月で既に折れそうな自分に一言
69:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:20:07.26 ID: 3RXJbbFj.net
期待
70:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:20:35.25 ID: y+NcPp2n.net
全くもって騙されたと思った。俺が弾きたいのはヒア・カムズ・ザ・サンだ。ビートルズに取りかかれると思っていたのだ。
その怒りを察したのかジジイはやれやれと言った顔でギターを取った。
ジジイ「こういうのをロックっていうんや」
ジャッジャッジャー
あ、知ってる。聞いたことある。簡単そうだな…でもなんでこれがロックなのか?それが分からなかった。
ジジイ「…とりあえず本家聞いてみい」
そういって俺の授業ノートをひったくって
"Deep Purple smoke on the water"
と殴りかいた。
71:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:23:55.91 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「…聞いてみい」
その日はそれだけだった。家に帰って親父にテキトーに言い訳したあと聞いてみた。
俺「なあ親父」
親父「ん?」
俺「親父ってロック聞く?」
親父「有名どこだけな。俺はフォークのファンだからな」
俺はノートをこっそり取り出して聞いてみた。
俺「スモーク・オン・ザ・ウォーター?ってやつなんだけどある?」
親父は驚いた顔で椅子から立ち上がって笑った。
親父「お前もそんなん聞きたいのか」
72:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:27:52.45 ID: y+NcPp2n.net
親父は和室に行って俺を手招きした。そこは立ち入り禁止の場所でこっそり入るとよく親父に怒られた場所だった。
そこにあったのはレコードプレイヤー。なんでレコードで聞くか分からなかった。
俺「俺の部屋にCDプレイヤーあるが?」
親父「バカ。それじゃダメだ。ダメなんだよ」
と無理矢理レコードで聞かされた。俺が始めて聞いたハードロックとなった。
「Deep Purple - Made in Japan」というアルバムだった。ライブ盤で今でも愛聴盤だ。
73:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:32:46.02 ID: y+NcPp2n.net
衝撃だった。全ての曲が俺を揺らした。誇大じゃなくてホントに。声がでないの。
そんときホントの感動を知ったんだよね。それでホントに決めたの。ギターが弾けるようになりたいって。
それから3年生になった。始業式の時の安全訓話で冷や汗が流れた。
ホームレスと遊んだり関わるのは止めましょう。
ホントに俺はガキだった。ここで言うこと聞いたらロックじゃねえぜ!って思ったんだよな。まあ焦ったのは間違いないが。
教室ではありえないだとか気持ち悪いとか騒いでたけど俺は
ああ…こいつらはホントのロックを知らない。悲しすぎるぜ。とか自分に酔ってたわwww
74:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:33:42.83 ID: y+NcPp2n.net
いちおー今日はここまで。
質問あればどうぞ。読んでくれてる人ありがと!
80:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:55:06.26 ID: k0OHj0bt.net
>>74
乙。続き楽しみにしてるわ
81:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:04:08.70 ID: 9w9GWN2d.net
>>74
乙
続き待ってる
ついでに今も弾いてるのかと得意曲あれば教えてw
84:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:11:39.90 ID: qljtUMUh.net
>>81
今も弾いてます。今はブラックモアズ・ナイト良くしますね
75:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:36:41.57 ID: F8hFG9+G.net
続きがあるのか楽しみだ
78:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:46:51.36 ID: De8KkxI5.net
自分もCD屋のあんちゃんにギター教わったことある。
店長に見つかって即終了したけど。
営業時間はさすがにね…。
79:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:50:31.26 ID: N7rsENaJ.net
面白い
続き楽しみにしてるわ
83:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:06:07.72 ID: synevQhw.net
ええな
85:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:12:40.04 ID: gsCv2CEB.net
なにこれおもろい
86:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:15:26.56 ID: zWCfUUJq.net
高崎晃は好きですか?
87:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:20:52.31 ID: qljtUMUh.net
>>86
俺はラウドネスよりアースシェイカー聞いてまして…すいません
88:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:27:32.84 ID: zWCfUUJq.net
>>87
アースも良かったよねー
俺はラウド→インギーにいっちまった異端だったわ
89:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:35:15.47 ID: zmXhE5NC.net
今いくつ?
90:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:37:39.56 ID: qljtUMUh.net
>>89
今は27です。とうとうジミやカート、ジャニスの年になっちゃいました
96:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/22(火)06:34:17.52 ID: zWCfUUJq.net
>>90
45歳位を想像してたからイメージと違いすぎた
面白いから書き上げてねー
91:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:55:26.17 ID: 8Uj+txlW.net
つづきたのしみにしてるぞー
92:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)01:56:21.43 ID: JVIhrKbE.net
26歳だけど今からギターってできんのかね
93:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)01:58:36.23 ID: A0v01lms.net
>>92
何歳からでも根気さえあればできるよ
97:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)06:51:13.14 ID: w6J00bmz.net
続きに期待
101:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:12:47.67 ID: tMCXEyBn.net
まずもって一軒家以外で
自宅でギターなんか練習できねぇよな
防音革命でも起きねぇかな
102:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:15:44.11 ID: z028FGmR.net
移動先で待ちぼうけ食らわせられてるのでケータイから少し更新
103:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:18:39.28 ID: ZYvfAS+5.net
楽器はイイね、生涯の楽しみになるもんね
104:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:18:48.62 ID: z028FGmR.net
俺はそれからもジジイとこに通った。中三という受験シーズンになっても変わりはなかった。いつものようにダッシュで家に帰ってギターを取ってこそっと駅に戻る。
ジジイはまた早めに切り上げて小屋にもどる。そしてスモーク・オン・ザ・ウォーターを聞いたことを伝えると
ジジイ「そうかそうか!」と笑ってギターを練習することになったのだ。
リフ自体は簡単だった。弾けるのに2日はかからなかった。でもその時に始めてアップピッキングというのを知った。
105:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:20:54.08 ID: B+eXy9I+.net
おっ、再開した
106:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:22:18.89 ID: z028FGmR.net
ジジイ「この曲のリフはな、アップピッキングなんや」
ジジイはそういってギターを爪弾く。俺はただ見よう見まねで言うとおりに弾く。曲になっていったのが楽しくてたまらなかった。
いつものようにキーを押さえたあとにスモーク・オン・ザ・ウォーターを弾く。それだけの変化で一時間半という時間が永遠のように感じたんだよ。
ジジイは上手い上手いと俺を励ましてリフを弾く。それからは曲のAメロからサビまで全部教えてくれた。
俺はこの時Fというかパワーコードすら押さえられなかったけどジジイはコツを教えてくれた。
107:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:25:24.80 ID: z028FGmR.net
ジジイ「パワーコードはな親指でEを押さえるとしやすいで?」
俺はこれで練習したせいでFは握りこんで弾くようになってしまったんだがw
でも確かに弾きやすかった。というより刷り込みだったんだろう。
真面目に練習すればソロ以外は1ヶ月程度だった。
でもある時だった。予想外に多くの金を手に入れたジジイはニコニコしながらある買い物をした。
108:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:30:01.38 ID: z028FGmR.net
俺「何を買ったんじゃ?」
ジジイ「2ヶ月に1回の楽しみじゃ」
そういって買ったのはタバコだった。今でも覚えてるというか俺が今でも吸うきっかけになった。アメスピだった。
俺「ジジイはマイセンやろw」
ジジイは凄く幸せそうな顔をしてタバコを吸った。
小屋に戻った時にジジイがトイレで席を外した。その時ふっとジジイのギターが気になった。
109:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:33:40.33 ID: z028FGmR.net
ものすごい良い音がするしカッコよかったからちょっとした好奇心でそれを弾いた。
俺「意外と弾きにくいなあ…」
そしたらジジイはいきなり戸を開け今まで聞いたことの無い大きな声で
ジジイ「そのギターに触るんじゃない!!」と怒鳴った。俺はマジで焦ってこそこそと返した。
俺「ご、ごめん…」
ジジイ「…また明日来いや。今日はもうしけたわ」
この時が最初で最後のジジイのぶちギレだった。ホントに怖かった。見た目からは想像もつかないドスの聞いた声だった。
110:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:38:14.06 ID: z028FGmR.net
その日は半泣きで帰って家でちょこっと練習して寝た。
でも次の日行ってみるとまたジジイはけろっと笑って演奏を止めた。俺はホントに昨日のジジイか?と内心疑問だった。
スモーク・オン・ザ・ウォーターがソロ以外は完璧に弾けるようになったときに1つの思いがけない事がおこった。
中三の五月。その日は1日休みでまたジジイに教わって駅に向かったときの事だった。
111:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:41:20.77 ID: z028FGmR.net
ジジイが弾くいつもの場所に既に先客がいた。弾き語りの先客だった。
ジジイ「はー…珍しいこともあるんじゃなあ」
そこにいたのは黒髪が長く凄く美人、というより超俺好みの女性だった。正直一目惚れだった。
しかし変な点が1つあった。その美貌からかかなりのお金が落としてあったが小銭が投げられたときは深々と頭を下げるのにお札が入れられたときには普通に弾くのだった。
112:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:46:22.73 ID: z028FGmR.net
そんな変な違和感をうっすら感じているとジジイがスタスタ近付いていった。内心全く準備が出来てなくて慌てて追った。
ジジイ「嬢ちゃん、ギター上手いな」
とジジイはいきなり女性の横にドカッと座る。因みにその女性は折り畳み椅子に座ってた。
女性は横を向いてちょっとニコッとして
「もしかしていつもここで弾いてる人ですか?」と聞いた。
ジジイは腕を組んで絶世のドヤ顔で「いかにも!」と言った。ホントに吹き出しそうだった。
113:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:58:10.51 ID: 8JUj53kS.net
すると女性が演奏を止めてジジイの方を向き満面の笑みで言った。
女性「私あなたに憧れてここで弾くことにしたんです!」
憧れ?ちょっと待てよwジジイに?俺はジジイがギターと歌が上手かったから興味を持ったんであって憧れとかはそんなに無かった。うっそだろwとか思ってたらジジイもウソでしょ?みたいな顔してた。
この光景うまく描写したいんだけどねwホントにシュールだったからwww
女性は尚も続けた。
114:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:58:25.38 ID: ZwvQGYAL.net
面白い! ライブインジャパン俺も聞いたわ~、35年ぐらい前にw
115:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:04:17.74 ID: 8JUj53kS.net
女性「いつもサンハウスとかジョン・リー・フッカーとかしてますよね!私好きなんです!」
俺にはジジイがやってた曲の作者なんて知らなかったがこの女性の趣味が相当渋いのが手に取るように分かった。
女性「私もやろうとするけど出来なくて…」
ジジイは驚いた顔を一瞬だけしてまた笑って女性の肩を叩いた。
ジジイ「なんも心配することないさ。嬢ちゃんだって弾けるぞ?」
女性は唐突にジジイに私の演奏を聞いてくれと言った。ジジイは何かはっとした顔をしてまた笑っていいぞと言った。
116:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:08:22.26 ID: 8JUj53kS.net
女性はアコギをチューニングしてセットした。よく見れば彼女は左利きだった。そういえばこの頃俺は既にチューナー無しでチューニング出来るようになっていた。というかさせられていた。
女性「じゃあ」とだけ言って演奏に入った。ものすごく上手い。ジジイとは違うけれど上手い。どこか優しげな音色が連弾で爪弾かれる。
ジジイはにやっとしてタバコを手に取りまた黙って演奏を聞いた。
一方の俺は「え?歌は?」みたいな感じでヤムチャ目線で曲を聞いてた。
117:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:11:59.39 ID: 8JUj53kS.net
ほんの2分程度で演奏は終わった。俺には感動しかなかった。ジジイは大きく煙を吐き出すとにやついて
ジジイ「リトル・マーサか。嬢ちゃん渋いね」と笑った。その演奏にまた誰かが小銭を投げる。女性はすっとうなずいた。
ジジイはふっと悲しい顔をして溜め息をついた。
ジジイ「嬢ちゃん今まで大変だったろう?いくつよ」
118:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:15:26.67 ID: xhZ+LYmS.net
俺はこの曲が弾けるようになるまで苦労したことかと思った。女性は笑って呟いた。
女性「ばれちゃいましたか…」
俺はすっとジジイの横にいって「何がばれたって?」と聞いた。ジジイは真剣な顔で俺の耳元で言った。
ジジイ「この嬢ちゃん"めくら"だよ」
119:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:16:22.65 ID: 8JUj53kS.net
とりあえずここまでで。仕事行ってきまーす
120:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:19:44.02 ID: MYnw+ok3.net
面白い
121:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:39:56.69 ID: zmXhE5NC.net
そのジジイは今なにしてんだよ
122:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:23:22.47 ID: Bv6DQeVD.net
ギター弾いてたからこーゆーのは面白い
123:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:40:01.75 ID: ZYvfAS+5.net
引き続きたのむ
124:1@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:48:54.63 ID: RX9aDtEW.net
面白い。46歳ベース始めたいんだが、姉ちゃんかしてくるない?
125:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:52:10.33 ID: Vy+aWIQ1.net
>>124
どこの1だよ
126:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:59:01.00 ID: yc4rQUe1.net
色々とすごいじいちゃんだな
また帰りにここ開くの楽しみにしてるわ
127:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:59:13.92 ID: lPTF/dIg.net
信じないだろうけどさ
初期頃のL'Arcメンバーだった者だけど感動したよこのスレに
ありがとう
129:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:27:35.11 ID: OIwIONzt.net
不思議なおもしろさについつい引き込まれたよ
続きに期待してる
130:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:32:10.25 ID: 9qi6Ic4s.net
じじいと嬢ちゃんは誰似?
137:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:12:18.75 ID: qljtUMUh.net
>>130
どちらかというとホントのサンハウスみたいな感じです。
さん
女性は私感で堀北真希さんの全盛期をもちっとクールにした感じです
131:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:35:11.97 ID: 1OVQigCW.net
ミッキー・カーチスをさらに小汚なくした感じを勝手にイメージしてるんだけど
132:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:39:11.78 ID: Vy+aWIQ1.net
>>131
ミッキーが小汚ない前提でワロタ
133:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)13:01:13.45 ID: qBF8FKiw.net
>>131
俺もそのイメージだった
136:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:07:55.26 ID: jCbDd77T.net
泉谷しげるのイメージだった…
138:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:16:44.54 ID: qljtUMUh.net
めくら。この言葉の意味は中学生でも分かった。盲目の人だった。女性は目を開いてるのに見えないってのでちょっと絶望した。
でも瞬時に尊敬の念が出てきた。なんで目が見えないのに弾けるんだ?まさか音だけ!?ってな感じで。
女性「私は○○五十鈴。五に十に鈴で五十鈴です」
いきなりの自己紹介にもジジイは動じなかった。
ジジイ「ジジイや。68やで」
139:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:20:39.90 ID: qljtUMUh.net
女性が年を言わざるを言えない状況にするあたりホントにデリカシーないと思った。女性は気にせずニコッとして「17です」と語った。
俺「姉貴と同い年やん…」
思わず言葉が出てしまった。女性はきょとんとして「そちらに誰か?」と聞いた。慌てて返事を返す。
俺「俺っていいます。中学生です」
女性「そう。俺君。お孫さん?」
いやー…といってジジイとクスッと笑った。
俺「俺はジジイにギターを教わってる立場です」
140:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:25:31.92 ID: qljtUMUh.net
すると女性は驚いた顔をして俺の手を取ろうとした。
女性「ズルいです!私も教えてほしいです!」
ジジイはカッカッカッと笑って女性の肩を叩いた。
ジジイ「よっしゃ!嬢ちゃん何が弾きたい?教えてやるぞ?」
女性は大きな声で「プリーチング・ザ・ブルース」と言った。
俺は盲目の彼女に恋をした。
141:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:32:23.22 ID: qljtUMUh.net
その日は俺だけ彼女の連絡先を手に入れみんな解散した。彼女は事情が事情だし週末の2日だけジジイに会いに来ることになった。
週末に予定を入れるきはさらさら起きなかった。親父が飯食べに行こうといっても断った。彼女に会えたらそれでよかった。でも1回もつ鍋に連れていくと言われた時はむちゃくちゃ考えた。
ジジイは俺に課題を出すようになった。コードを覚えろということだった。正直キーが分かっていて教則本を見ればすぐだった。
彼女にはボトルネックの扱いを1から教えてた。彼女は覚えがいいのかものすごく上手だった。それに歌も優しくキレイだった。
142:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:37:15.31 ID: qljtUMUh.net
彼女は良く「リトル・ウィング」を弾いた。良く考えれば17にして弾ける人間は今からしたらそうはいない。上手いのも当然だった。
それに耳が良かった。俺のギターが少しでもチューニングが狂えば教えてくれた。3人ともチューナーなんて使わなかったw
いつものサイクルに彼女が加わった。俺は色んな意味でハッピーだった。何回も彼女で抜いた。失礼なことに盲目というのも興奮してた。中学生なんで許してくれやw
143:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:41:30.00 ID: A0v01lms.net
青春だなー
144:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:41:30.85 ID: qljtUMUh.net
俺は彼女とよく話した。彼女もよく話してくれた。音楽に関してはジジイと彼女で語り合って蚊帳の外だった。
だから恥を承知で彼女に聞きまくった。どんな音楽が好き?カッコいいのを教えて下さい。
彼女は聞いた翌日にCDを持ってきた。
五十鈴「はい、これ。これスッゴいカッコいいんだ!今のバンドではこれが好きかな!」
そのCDはホワイト・ストライプスだった。その日から夢中でコピーした。パワーコードに単音リフ。意外と簡単に感じた。
145:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:45:25.67 ID: qljtUMUh.net
中でもブラック・マースという曲は死ぬほど弾いた。ジジイも彼女も凄いと褒めてくれた。
俺は自信がついて色んな曲をコピーした。正直言ってビートルズなんか忘れてたw
ディープ・パープルは難しすぎたけどホワイト・ストライプスとかニルヴァーナだったら簡単に出来た。
ギターを始めて半年と少し。俺のレパートリーは20曲を超えた。
彼女は色々な音楽を教えてくれた。ロックからブルース。ジャズにクラシックまで。しかも即日CDを持ってきてくれた。
146:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:48:29.63 ID: qljtUMUh.net
俺「気になったんですけど」
この口調はいつもジジイに笑われる。ジジイにはため口の癖に女性には敬語ってところが面白かったんだろう。
五十鈴「なあに?」
俺「なんでそんなにすぐに大量のCDを持ってこれるんですか?」
五十鈴「えーとねえ…」悩む姿すら可愛くてしょうがなかった。
五十鈴「そうだ!1回うちにきなよ!」
唐突に。その時ジジイはいなかった。勝手にお家にお呼ばれしてしまったのだ
147:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:52:56.34 ID: qljtUMUh.net
嬉しくて堪らなかった。その日は親父に勉強しろと言われていたけれどそんなの知ったこっちゃ無かった。
いつもの駅で待ち合わせて俺はジジイがつけてないかどうかを調べて出会った。やっぱり駅の階段は危なっかしかった。
通行人は彼女の杖を避けない。気にしない。後に聞いた話だが何回も転ばされたという。
五十鈴「おまたせ!」
俺「う、うす…」
五十鈴「じゃあ私の目になって!」
そういって腕を捕まれた。正直泣きそうだった。彼女の身の上に勝手に同情してた。
148:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:59:56.95 ID: qljtUMUh.net
それからその駅に戻って2駅ぐらい進んで降りた。正直自転車でも行けた。
彼女とひたすらに点字ブロックの上を歩いて不意に彼女が止まった。
五十鈴「今右にお店あるよね?」
俺「え、ええ。ありますよ」
五十鈴「そこ!」
そこは小さな古楽器店だった。そこが彼女の家だった。(正確には住む家はもっと駅の手前にあった)
カラン
いらっしゃいと出てきたのは女性だった。彼女の母親兼店長だった。
149:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:06:39.27 ID: qljtUMUh.net
彼女母「あら?その方は?」
説明しようとすると遮られた。
五十鈴「私の目!」
俺は恥ずかしくってちょっとと止めにかかってた。母親はあらあらとにんまりしてたのを覚えている。
店内はやっぱり広くは無かった。楽器だけでなくCDも置いていた。しかも凄い数が仕舞われていた。
俺「すっげー…」
彼女母はふふんと鼻をならした。彼女母は若いときはかなりの美人だったんだろうなあという顔。この母あってこの娘。という感じだった。
150:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:11:57.37 ID: qljtUMUh.net
店にはもう一人いた。彼女の妹だった。彼女の妹はなんと俺と同い年。縁を感じざるを得なかった。
それから夏休みに入った。夏休みになると流石に勉強しなければいけなかったからジジイと彼女に会う時間は減った。
1週間に2日だけ。その時を全力で楽しんだ。
夏休みのある時。
ジジイ「お前の歌な。なんか違和感あるんだよ」
歌は全て耳コピ。英語の意味なんて知らなかった。
五十鈴「私もかんじてました」
151:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:13:04.39 ID: 9qi6Ic4s.net
五十鈴なんて読むの?
152:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:14:12.94 ID: deomKHJx.net
いすずじゃね
154:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:15:08.06 ID: iHhtsGn8.net
漢字も読めないバカがネット使ってると知って
155:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:15:54.51 ID: deomKHJx.net
意外と人いたのな
156:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:16:25.40 ID: qljtUMUh.net
ジジイと彼女は考える…ふりをしてた。
ジジイがわざとらしく手を叩いて言った。
ジジイ「英語だ。こいつは英語喋ってねえんだ」
彼女も大きくうなずいた。正直文法英語は苦手だった。文系な俺は数学は論外だったが英語も少し苦手だった。
俺「あー確かにそうかも。英語苦手じゃけえ」
159:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:21:16.30 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「それじゃあ意味ねえじゃねえかwww」
ジジイはガハハと笑ってまた肩を叩いた。彼女の前でそんな1面見せたくなかったから恥ずかしかった。というより聞かせたくなかっただな。
ジジイ「それじゃあギターはだいぶ出来るようになったけえ英語を教えるか」
俺「は!?なんでここが学校になるんだよ!」
ジジイは手を出して首をゆっくりふった。
ジジイ「俺は学校教育みたいな情けねえ英語は教えねえ。発音と慣用句。これだけで英語は喋れる」
160:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:26:34.74 ID: qljtUMUh.net
ジジイはそう豪語した。彼女はギターをポロンと弾いて
「めくらな私でも日常会話は出来るよ!頑張ろ?」と言ってくれた。この時始めて彼女が英語を喋れることに気付いた。
益々惚れたがジジイも英語を喋れることに驚いた。確かに発音は良かったけどまさか喋れるなんて…
かくして中学生の俺。ホームレスのジジイ。盲目の五十鈴。こんな変な3ピースはギターに打ち込んだのだ。
161:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:27:16.18 ID: qljtUMUh.net
じゃあまた仕事行ってきます。夜には帰れるかと思います。
何か質問あればどうぞ
162:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:29:40.06 ID: ZYvfAS+5.net
続き頼む
164:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:32:26.91 ID: deomKHJx.net
特になし
ただ黙って読んでいたい
165:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:33:43.47 ID: azCbDZVq.net
見てるあんまり聞きすぎるのもあれだから最後でええ
166:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:37:36.67 ID: JbrfIdzN.net
続けてくれればそれだけでいい
167:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:40:27.23 ID: A0v01lms.net
なかなか読ませるね
面白いよ
続き待ってるねー
168:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:43:25.47 ID: +43ywiCE.net
とりあえず黙ってまつ
バイト後の楽しみができた
169:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:44:11.01 ID: qBF8FKiw.net
>>1って歳いってる?
170:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:45:51.37 ID: ZYvfAS+5.net
27って言ってなかたっけ?
171:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:46:38.70 ID: Y7RTPdQR.net
久々に優秀な1がいると聞いて
176:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:57:24.20 ID: QCu4hsxU.net
続き楽しみや
ゆっくりでええから最後まで頼むわ
178:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:01:33.11 ID: qljtUMUh.net
そこからは変な日常が始まった。ギターのトレーニングの前に発音の練習からだった。歌詞を見させられジジイと付きっきりで発声。恥ずかしい上に意味不明だった。
でも文法があーだとか単数がーとか全く無かった。ジジイ…発音上手い…何もかもジジイに負けたと思った。
夏休みの間ほとんどそうだった。そして夏休みが明けたとき、俺はこのトレーニングによって新な効果を実感した。
二学期が始まってすぐテストがあった。それなりに勉強してたから大丈夫だろうと思ったけど少し不安だった。
179:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:05:42.29 ID: qljtUMUh.net
でもその時の英語のテストである変化がおきた。俺はリスニングが得意じゃなかった。
英語が分かる!聞き取れる!
自分でも恐ろしく解けた。結局蓋を開ければ学年3位までになっていた。
幸せだった。変な意味でのリア充。それも嬉しかった。人と違うことをしている自分も好きになっていった。
この結果に親父はもちろん姉貴やジジイ、彼女も喜んでくれた。彼女はCDをくれた。クリームという可愛らしいバンドのCDだった。
180:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:10:58.88 ID: qljtUMUh.net
ここでクリームというバンドに出会ったことで俺はブルースの重要性を感じることになるのだがまあ詳しくは書かない。あんまジジイとの関係もないし。
ジジイはある時歌う場所を変えると言い出した。俺にはなぜか分からなかったが多分警察がチラチラうろついていたからだろう。彼女もそれに応じて歌う場所を変えた。
それは山の麓の公園。
ジジイは嘆きながら
「駅前のほうがもうかるんだがな…」と呟いた。
山までの彼女の行き道は俺が自転車で二人乗りすることになった。
181:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:44.80 ID: ZYvfAS+5.net
それから?
182:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:51.29 ID: qljtUMUh.net
年が明けた。ジジイは結局一年間以上も俺にギターを教えてくれた。俺はあんまり上手くはならなかったが。
年明けすぐにジジイに会ったときこんなことを言い出した。
ジジイ「…俺はな。ホントは長居するつもりなんて無かったんじゃ」
俺「は?じゃあどがんするつもりやったんじゃ?」
ジジイ「旅から旅の根なし草。俺はずっとそうしてきた」
そう言われてあることが俺の脳裏をよぎった。そのまま伝える。
183:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:59.09 ID: 9QOvDe0b.net
待ってた!
こういう趣味合う人少ないから同い年と知って凄く嬉しいな
185:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:16:56.20 ID: qljtUMUh.net
俺「…その前はなんしよったんじゃ」
ジジイ「その前って…ホームレスに旅人になる前っちゅうこと?」
旅人なんざカッコつけやがってw笑ってしまうぜw
俺「そうじゃ。なんかしよったんじゃら?」
ジジイは頭をポリポリ掻いて口を濁した。そんなジジイは珍しかった。というより一年間も一緒にいたがジジイの身の上話は全然してこなかったんだよ。
ジジイに興味が無かったわけじゃない。でもそれ以上にジジイから学ぶことが多かったんだ。
186:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:19:48.60 ID: qljtUMUh.net
でも今度こそはジジイを吐かせたかった。このままじゃいつか壁になる。中学生なりに必死に考えた末だった。
俺「はっきしせえ」
ジジイ「あー!分かった!話す!こっちきい!」
いつもの小屋に行くと思えば全く別の方向に歩き出した。
俺「ちょお!どこいくんじゃ」
ジジイ「…黙ってついてこい!」
187:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:22:46.32 ID: qljtUMUh.net
ジジイは悲しそうでもあり嬉しそうでもある何とも言えない表情で俺を連れる。
ジジイ「…お前、金あるか?」
俺「ジジイよりはあるわい」
ジジイ「ぬかせw」
ジジイと俺はひたすら歩いた。彼女はそこにはいない。連れていくと言えば今日は誘うなと言われた。
着いたのは市の外れの銭湯だった。小さな銭湯だが意外と新しかった。
ジジイ「…腹割って話そうや」
その時のジジイはいつもより数段若く見えた。
188:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:26:18.05 ID: qljtUMUh.net
銭湯に入って身体を洗う。ジジイはにかっと笑ってジジイの背中を指差した。
ジジイ「お前、身体あらっちくれい」
俺「はあ!?嫌じゃ!」
ジジイ「ええから。損はねえぞ?」
俺「損しかないわいw」
そう言い合いながらも結局二人して洗った。親父以外と風呂に入るなんて始めてだった。中学の修学旅行は風邪で休んだしな。
ややあって湯船に二人で入る。客は他に誰もいなかった。
189:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:30:02.38 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「で?何から聞きたい?」
珍しくジジイからの質問。いや下らない質問は嵐のように受けたけど…
俺は経歴を追うことにした。
俺「生まれは?」
ジジイ「満州じゃ」
俺「は?」
ジジイは戦前の満州で生まれたらしい。戦争中に日本に来たという。
ジジイ「だからって俺は支那人でもねえぞ?根っからの日本人や」
ジジイはいつものおしゃべりになったがどこか面持ちが違った。ああこれは裸のマジの付き合いなんだなとガキながらに感じた。
190:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:34:37.02 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「頑張って大学まで行った。何回も死んだがましかと思ったが人生は楽しかった」
もはや質問はいらない。俺は黙って粛々と聞いた。
ジジイ「卒業して就職した。国鉄に入った。日本の立ち直りを支える誇りを感じながら仕事をしちょった」
ジジイ「その時くらいやな。日本に海賊レコード言うてな?アメリカのが入ってくんねん」
ジジイ「俺は音楽が好きじゃったけえしっかり買った。それにはアメリカの最新の音楽がつまっちょった」
191:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:35:33.01 ID: lPTF/dIg.net
VIP+はこういう良スレが出るのが好き
エロ目的の違反者どもも見習えよ
193:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:38:34.05 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「あの子がお前に持ってきたこともあるやつや」
あの子は五十鈴を指していた。その時ロックの歴史ってことで色々借りたのを思い出した。
ジジイ「俺はチャック・ベリーに心をうたれた。感動した。俺はこういうのをやらないかんち思うた」
ジジイ「しかしなあ、ギター揃えていざっゆうてもな海賊レコードはな、音質が悪すぎるんや」
ジジイ「ザッザッ言うしな?それで最初は諦めた。お前とおんなじや」
そういってにっこり笑った。
194:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:42:58.86 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「俺はお前よりもっとひどいぞ?それから3年もギターには触れんかった」
意外だった。ギターが大好きだと言っていたジジイの話とは思えなかった。
ジジイ「しかしなあ、昭和の40に入るとな、周りにちょこちょこギターをするやつが出てきた」
ジジイ「その時に俺の嫌いな同僚がギターをこうたっち聞いた。これはやるしかないと思った」
なんか…ほとんど俺と同じきっかけな気がするんだが?言いたくてしょうがなかったがまだこらえた。
195:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:44:25.35 ID: qljtUMUh.net
すいません、明日早いのでもう寝ます。読んでくれてるかたありがとうございます!
196:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:47:29.47 ID: qBF8FKiw.net
続き待ってる!おやすみ!
197:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)21:14:17.62 ID: A0v01lms.net
明日も楽しみにしてるよー
おやすみー
198:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)21:17:32.54 ID: a9Ww87Zn.net
支援
199:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)21:21:03.79 ID: ZYvfAS+5.net
乙、楽しみに待ってます
200:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)22:16:59.63 ID: gjMSmHif.net
乙乙!
明日も楽しみにしてる!
201:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)22:24:46.49 ID: tIEaXPE0.net
ゆっくりでいーよー。おやすみなさい
227:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/23(水)23:06:48.62 ID: GxcpOP6R.net
ギターを始めたての頃を思い出して目頭が熱くなった
233:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:09:28.50 ID: DX2dcY/Q.net
ただいま!俺には勤労感謝の日なんて無かったんよ…
再開します
234:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:13:14.69 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「やっぱり弾けね。絶対ひけないと思った」
ジジイ「それでもしっかり練習した。1日仕事以外はギターにぎっとったわ」
このジジイが真面目に練習?それだけで俺には不思議な感覚だった。
ジジイ「それでなある時レコードと同じように弾ける俺がいた」
235:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:13:47.97 ID: 1RvW5bIb.net
仕事お疲れ
そしてお帰り
待ってたわ
236:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:15:02.75 ID: fJ2b19gn.net
イッチお疲れ様
237:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:18:29.20 ID: rsaFjO/f.net
お疲れ様ですーボチボチ続けてね
238:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:21:46.57 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「といっても原曲の早さはすごかった。チャック・ベリーは意外とはやびきだぞ?」
またそしてにやっとした。仕事以外って国鉄って忙しいんじゃねえの?ガキの俺にはぼやっとした思いしかなかった。
ジジイ「それからちょっとして海外出張があった。行き先はイギリスだった」
俺の脳裏に不意によぎったあるバンド…
俺「ちょっと!それ何時の話?」
ジジイは笑って言った。
ジジイ「昭和36の冬から37の春。西暦は…」
ジジイ「1961年から1962年やな」
240:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:26:24.74 ID: DX2dcY/Q.net
俺「もしかして見たんか?」
ジジイは顔をゴシゴシ。話をじらすな!
ジジイ「見たさ。ビートルズにたまたま来てたマディも見たさ」
マディ?そんなのは知らなかった。ビートルズを見たという衝撃。しかもデビュー前だと…?
マディとはマディ・ウォーターズのことでこの話を後に五十鈴にするとそっちの方を羨ましがっていた。
241:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:30:07.43 ID: DX2dcY/Q.net
俺「どのくらい!?」
ジジイは溜め息をもらして呟いた。
ジジイ「わりいな。ビートルズはあんまり面白く無かったんじゃ」
俺「は!?」
ジジイ「ギターは下手くそだし歌も下手。曲作りも単純でバカみたいな英語ばかり。ホントにイギリス人か疑ったよ」
ここまでビートルズをこき下ろした人間は後にも先にもジジイ以外見たこと無い。あ、2chではチラホラいたかもw
ジジイ「俺はマディやチャックに憧れたしイギリスでブルースを知った。出張から帰って来たら必死に耳に残った、目に焼き付いたフレーズを練習したさ」
242:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:30:56.83 ID: dmT+I6ej.net
ワロタ
243:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:33:57.33 ID: X9DYcUBc.net
ロックってギターがヘタとか歌がヘタとか関係ねえだろ…
ビートルズやローリングストーンズはここまで売れたのに
244:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:34:00.53 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「そうすると意外と弾けてた。上手くなるのが実感出来てた」
ジジイ「そうすると知りたくなるのがチャックやマディは何を元に弾いてきたのか」
ジジイ「そもそものルーツはなんだか知りたくなったんじゃ」
ジジイの指がチラッと映る。切れてるのか指の色が変色していた。
ジジイ「それから少しして俺は見合いをした。それで結婚した」
245:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:39:53.86 ID: DX2dcY/Q.net
俺「あれ?ジジイ奥さんいたんか?」
ジジイ「ああ、俺にはもったいないくらいの嫁がな」
なんで嫁がいるのにホームレス?あっ…
ジジイ「その嫁は"よしの"といった。俺より3つ上でいい女だった」
247:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:43:04.30 ID: dmT+I6ej.net
色々あったんやろな…爺さんも
248:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:44:13.77 ID: DX2dcY/Q.net
1つのギターが頭に浮かぶ。そうか、あのギターはそういうことか。
ジジイ「よしのは俺のギターをよく褒めてくれた。俺はもう30になろうとしていた」
徐々にジジイの目が潤む。俺は気付いてないふりをする。
ジジイ「会社でも出世した俺が30だったか?確か課長になったはずだ」
今考えれば国鉄の課長に30でなれるなんて化け物だよなw苦労したと今なら分かる。
249:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:47:36.60 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「俺が出世した辺りで音楽雑誌にあるバンドが載った」
ジジイ「俺はその時流行ってたビートルズは余り興味無かったがベンチャーズは好きだった」
ジジイ「俺は基本的に技術力があるやつが好きじゃけえなw」
ジジイは大笑い。そうだったんだと言って俺も少し笑った。
ジジイ「クリームだった。最初はふざけた名前だなと気にもとめてなかったんだがな」
250:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:51:28.77 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「そしたらロック好きの部下がな、持ってきやがった」
ジジイ「1日だけ借りて聞いてみた。俺は分かったんだな。ブルースの大切さをな」
ブルース。ジジイがしてた音楽はそういうのか。五十鈴も時々ジジイのブルースは本物だと言っていた。ブルースの本物?意味が分からなくて気にもしてなかった。
ジジイ「益々ルーツを探した。30過ぎてバカやったさwww」
大きく笑うが目は真剣な目付きだったのを覚えている。俺はジジイにとってブルースはとても重要なものと察した。
251:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:55:42.03 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「するとな、海賊レコードの主人がやってくれたさ!ブルースを見つけてくれた」
ジジイ「主人はアメリカから来たといった。見つけるのに苦労かけたわw」
ジジイ「俺の初めてのブルースはサンハウスじゃ」
今なら分かる。ジジイは永遠にサンハウスの背中を追い続けたんだ。だってリゾネーターなんて使わねえよな?
ジジイ「よしのもカッコいいですねと言いやがる。男だったら女の為にギターを弾くもんじゃろ!?」
252:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:59:39.99 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「家ではギターばっか触ってたな。34にもなると子供が出来た。一人息子。子供はそれだけ」
子供もいたのか…尚更何してんだよ…
ジジイ「俺はあの時代を生きて幸せじゃった。それから色んなバンドが出た。ほとんど海賊を買うてな?音質がわりいわりい」
ジジイ「それでもブルースの影響を受けてるやつは片っ端から聞いた。フリーなんて死ぬほど聞いた」
ジジイ「いつか部下が話したことだがクラプトンやジョン・レノンは課長より年下ですよ?ってのはショックだったわ」
253:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:03:27.58 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「まあそれでもエレキは弾く気にならんかったわ。まあアコギは一人で出きるしな」
ジジイ「ある時よしのがプレゼントをくれた。今でも覚えてるわ」
ジジイ「38の誕生日。ギターをくれた。今も使ってるあいつだ」
あれそんなに古いのだったのかよ!?俺はびっくりたまげてたわ。
ジジイ「内緒でよしのなんて名前をつけた。ばれてたまるかい、恥ずかしいw」
笑ってはいるがとても嬉しく誇りにしているのが伝わる。俺のギターもそうなれば…そんなことを思った。
254:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:04:53.57 ID: dmT+I6ej.net
エエ話やね
256:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:07:11.28 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「そこでな?不思議な縁でな。大学の教授やっちくれいって誘いがあった」
ジジイ「俺が?なんて思ったさ。まあ面白そうじゃ、受ける。2つ返事じゃ」
今の感覚ではこのジジイねらーかよw何の縁でそうなんだよとか思ってた。
ジジイ「そして※※大学に行った。まあ母校だったしな」
あれ?どこかで聞いたことがあると思った。親父の母校だった。
257:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:08:04.23 ID: DX2dcY/Q.net
すまん眠気限界。明日書く。おやすみ皆さん。(-.-)Zzz・・・・
258:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:08:37.86 ID: DX2dcY/Q.net
それと名前欄変えた方がいいんですかね?変えた方がいいのなら変えまーす
264:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)05:56:38.99 ID: RdT+CxZN.net
>>258
1になりすましてイタズラされることもあるから酉だけでもつけてみたらいかがか?
お疲れさん続き楽しみにしてるよー
259:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:10:04.89 ID: 1RvW5bIb.net
変えたほうがいいよ
チャックベリーに
260:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:12:15.97 ID: dmT+I6ej.net
好きなようにしたらいいと思うよ
ただこの手のスレは偽者出てきたりするからねー
お疲れ様でした♪おやすみなさい
261:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:19:33.80 ID: kqhUnnSp.net
支援
263:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)03:37:15.75 ID: 6HVqq74V.net
いつの間に!!
ますます面白い
明日も楽しみにしてる
268:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:09:45.85 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「それで40で母校の先生じゃ」
ジジイ「そうやな、今から30年くらい前じゃ」
ジジイは懐かしそうに語る。
ジジイ「そこのアコースティックギター部の顧問もした。あんま教えられんかったが」
ジジイが他に教えてる人間がいたのか…そもそも大学の客員とはいえ教授なんだからあんだけ教えるのが上手かったのかと納得した。
269:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:11:23.24 ID: 6HVqq74V.net
ギター!!!
じゃなくて、キターーーーーー!!!
270:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:11:54.32 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「お前1つ勘違いしとるぞ?」
ジジイはにやっと俺を見る。
俺「何がじゃ?」
ジジイ「俺は昔は厳しかったんだぞ?めたらめっぽう誉めたりなんざしねえ」
衝撃だったな。これも。あんなに愉快で褒めちぎりのジジイが?厳しかった?ウソにしか聞こえない。
俺「ホントか?それ」
271:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:14:59.41 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「なめられねえよう必死だったからな。大学生だろうと容赦はしなかったぜ?」
俺は口をポカン。
ジジイ「それから少しして、つーても昭和の終わりになった頃かな?」
突然悲しい顔をした。とても、とても胸に来る表情だったのを覚えている。
ジジイ「息子が死んだ。単に事故だったがな」
272:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:18:06.98 ID: DX2dcY/Q.net
息子さん…死んだのか。俺はまるで身内が死んだかのように心に深い感情を抱いた。
ジジイ「…湯冷めすんな。上がるか」ザバッ
パシッ
俺「…湯冷めでいい。続き。話して下さい」
これが俺のジジイに対しての最初で最後の敬語だ。ジジイは驚いていたがまたすぐに笑って
ジジイ「風邪引いたらお前のせいじゃけえな」
とまた湯船に浸かった。
273:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:21:19.60 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「息子は12で死んだ。西暦だと…1982年だな」
ジジイ「あの時はよおく覚えてるわ。マイケルジャクソンがスリラーを出したんじゃ」
いきなりのことに何のことか分からなかった。マイケルのスリラーは俺でも知っていたが…
ジジイ「連日ゾンビの映画が流れたな。俺はな壊れたかもしれんかった」
ジジイ「…ゾンビでいい。息子を返してくれ。俺もそしてゾンビになるから」
ここはよく覚えている。余りにも悲しく切なかった。俺はもう熱いものをこらえられなかった。
274:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:25:05.25 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイは俺の涙に気付いていたのか気付かなかったか。まあ気付いていただろうな。それでも話を続けた。
ジジイ「酷かったのはよしのだった。あいつは息子の名前をただ呼ぶのみ。見てられなかったわ」
ジジイ「…それでも俺は仕事をした。息子を忘れたかったんだろう」
ジジイ「それからだんだんよしのも立ち直った。戦争後の日本を支えた二人だからな。やわじゃあない」
275:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:30:34.21 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「時代は俺らを置き去りに進んだ。その間も多くの生徒から慕われた。俺は幸せじゃった」
泣き続ける俺。なんてジジイに声をかけよう。そんなこと思えなかった。ただジジイに同情した。
ジジイ「よしのが還暦になった年よしのは病気になった。もう助からん。そう言われた」
俺「…は?」
ジジイ「よしのは余命半年と言われた。今から思えばあの医者はヤブじゃな」
ジジイは笑った。
276:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:30:47.02 ID: ux0mRBOz.net
風呂に入ってるのに湯冷めとはこれいかに
のぼせる って言いたかったのか?
277:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:35:52.85 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「よしのに俺はよくギターを聞かせた。ブルースじゃあねえ。イーグルスとかドゥービーとかだ」
イーグルスもドゥービー(ブラザース)もほとんど知らなかった。
でも今なら…なるたけ明るい、気さくな音楽を届けようとしていたのが伝わる。
ジジイ「あいつはスタンド・バイ・ミーをよく歌えと言った。あげな簡単なやついくらでも聞かすわw」
笑ってはいるが、もはやジジイも、限界だった。
279:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:40:40.72 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「よしのは…よしのは余命半年ながら3年も生きた。俺が還暦の誕生日、あいつは死んだ」
ジジイは泣いていた。俺も泣いていた。浅い湯船に湯を増やすかの如く涙は流れた。止まる気配もない。止める気も…無かった。
ジジイ「…すまんな。こんな…」
俺「いいから…続けろ」
ジジイ「ふん!」
手で顔を拭った。ジジイはやっぱり若く見えた。
280:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:45:53.23 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「周りも良くしてくれた。特に生徒は花束をよくくれた」
ジジイ「でももう…そこにはおれんかったわ」
ジジイ「それで…ホームレスや」
俺「おかしいだろ。別にホームレスなる必要ないじゃろ」
ジジイ「…よしのはほとんど東京から動いたことが無かった。だから俺は使命を感じたんじゃ」
ここで使命という言葉を使ったのをよく覚えている。もう12年も前なのになw
281:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:48:57.44 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「俺はよしのに日本を見せるんじゃ」
ジジイは涙を流しながら笑った。俺は少しおかしくて、笑った。
俺「あんなに叩き付けて弾いてええんか?」
ジジイ「アホ、あれは音楽じゃ。しゃあないわ」
俺「…そうか」
言い返しはしない。ジジイがそういうならそうなのだ。
282:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:52:01.58 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「…そうだ」
ジジイはもう泣いてなかった。顔をバシャバシャさせて、俺に聞いた。
ジジイ「お前、あのめくらの娘、好きか?」
いきなりの問いに俺は本当に溺れるかと思った。なんで五十鈴さんを?この流れで?
ジジイの目は…また真剣だった。
283:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:57:36.43 ID: DX2dcY/Q.net
俺「…ああ。好きだ」
ジジイは立ち上がって湯船を出た。そして振り替えって俺を笑った。
ジジイ「…曲を作るぞ」
帰って風邪なんてひかなかった。それから俺は彼女に隠れて初の曲作りをしていた。ジジイはとても、とても嬉しそうだった。
それから受験が終わった。家から一番近い公立に合格した。まあ別に勉強は出来たしランクも落として受験したしな。親父には不思議がられたが特に何も言われなかった。
284:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:02:30.72 ID: DX2dcY/Q.net
高校では部活を始めた。これは親父との約束だったからだ。入る部活も決められそうになかったからこれも親父に決めてもらった。
そこではいったのは弓道部だった。そこで二人の友達が出来た。音楽のジャンルが結構似通ってたし二人とも楽器をしてたからな。
ぼっちの俺はもういなかった。すげえ嬉しかった。
しかしある時事件が起こった。姉貴にジジイと会っているのを見つかった。
285:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:03:25.72 ID: DX2dcY/Q.net
今日はここまで。明日姉貴の誕生日なんでお祝いしてきます。バイバイ
286:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:07:30.88 ID: 5k1cjVWL.net
お疲れ様
面白かったー
287:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:22:59.01 ID: 5EEJJqPi.net
きょーも面白かった
あしたもよろしく
288:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:47:43.56 ID: fvJuAyv3.net
イッチーブラックモアにわろた
289:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:47:46.21 ID: 6HVqq74V.net
乙ー!
今日も面白かった!
続き楽しみにしてるよ!!
ねえちゃん、誕生日おめでとう!
290:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/25(金)02:20:00.39 ID: +j3erFBF.net
楽しみにしてます
295:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/25(金)12:53:17.72 ID: WJpgX/AQ.net
よく昔の会話を詳細に憶えているもんだな
296:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/25(金)12:56:28.59 ID: Z3zZavpA.net
それだけ思い出深かったんやろ
313:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:35:14.11 ID: FVaEeH7f.net
姉貴「…なにしてんの?俺?」
正直いつもの公園ならばれないと思った。トレーニングの為にランニングを始めた初日だったらしい。
ジジイは全然動じてはいなかった。
ジジイ「おりょ?知り合いか?俺」
一方の俺は汗だくだった。姉貴は怒るとメチャクチャ怖い。さらに親父はもっと怖かった。二人とも普段は温厚なのに怒ると怖いんだ。それは今も変わらない…
314:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:36:46.30 ID: qq1W0XHq.net
いつも仕事おつかれ
315:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:37:21.61 ID: FVaEeH7f.net
姉貴「どうみてもホームレスでしょ?なにしてんの?」
俺「…ギターを」
姉貴「聞こえない。はっきり喋って」
ジジイは笑っていた。
俺「ギターを教えてもらってた」
俺と姉貴の尋問は続いた。
姉貴「…いつから?結構前からなんでしょ?」
316:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:39:17.79 ID: FVaEeH7f.net
俺「えーと…1年くらい前から」
姉貴「1年!?受験だったのに!?」
ジジイはまたガッハッハッと笑った。俺はそれどこじゃない。
俺「で、でも高校はちゃんと受かったし」
姉貴「ランク落としてたでしょ!」
俺「…」
317:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:42:22.18 ID: FVaEeH7f.net
ジジイは立ち上がって姉貴の肩を叩いた。姉貴はすぐその手をはたいた。
ジジイ「ふーん。姉ちゃん、楽器は?」
姉貴はとても冷たい目をして言った。
姉貴「関係ないでしょ。近づかないで」
ジジイよりも俺のほうがぶちギレそうだった。
俺「あのさ、ギター教えてもらった、いわく先生なんだよ。失礼すんなよ」
318:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:45:31.60 ID: FVaEeH7f.net
姉貴「うるさい。家に帰るよ。その人も一緒だよ」
ジジイは気にせずまた座ってギターを手に取った。俺は内心焦った。親父の元に連れてかれるのは勘弁だったからだ。
ポロロン…
俺「あっ…」
ジジイはリトル・マーサを弾き出した。五十鈴がよくしていたので覚えていた。
姉貴「…うま」
この時だけ少し姉貴の目が優しくなった。でもすぐに俺を向いて
姉貴「行くよ」
319:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:49:13.67 ID: FVaEeH7f.net
俺「…お、うん。じゃあジジイ頼むよ」
ジジイはふうっと溜め息をついてしゃあないわと立ち上がった。
そうして3人で重い足取りで家に行った。ジジイは俺の家が見えると俺にいい家だなと呟いた。それに誰も返事を返さない。
家に入ると親父はコーヒーを飲んでた。姉貴はすぐに親父に向かって話した。
姉貴「こいつホームレスなんかにギター教わってたから高校のランク落としたんだよ!」
320:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:53:03.02 ID: FVaEeH7f.net
明快にしかも単刀直入に切り出した。親父はゆっくりこっちを見て「なんだと?」と言った。ドスが効いてて凄く怖かった。
だけどすぐに親父の態度が変わった。驚いた顔でこっちに来た。
親父「…ジジイ、先生?」
俺と姉貴は頭に?を浮かべて親父を見つめた。ジジイも誰だか分かってない様子だった。
親父「やっぱりだ!先生でしょう、ゼミの親父ですよ!」
321:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:55:36.06 ID: FVaEeH7f.net
ジジイはまだ覚えていないふうだった。それに見かねて親父は本棚をガタガタいじって1冊の本を出した。
親父の大学のアルバムだった。
親父「ほら!これですよ!」
ジジイ「うーん…ああ、親父君か!久しぶりだなあ」
親父「…お久しぶりです!」
そういって親父は泣き出した。親父が泣いた回数はホントに少ない。だからとても印象深い。姉貴もそうだった。
323:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:01:28.54 ID: FVaEeH7f.net
ジジイ「何も泣くこたあねえじゃねえか。久々じゃ」
親父「だって…旅に出たと聞いて、それで」
親父は涙のせいでポツポツとしか話せなかった。俺も姉貴もどうしていいか分からなかった。姉貴が気をきかせて全員テーブルにつかせた。
ジジイ「親父、おかんさんと付き合ってたろ?どうなった?」
笑ってジジイはおかんの名前を出した。俺が4つの時に死んだおかん。いや母さんと言ってた…気がする。
322:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:59:58.81 ID: rNz7Z5bd.net
こーゆーのが現れるから酉付けた方がいいのかなるほど
324:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:02:01.88 ID: FVaEeH7f.net
あー!つけるの忘れてた。仕事しすぎかな…ありがとうございます!
325:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:05:43.28 ID: FVaEeH7f.net
親父「おかんさんは…結婚出来ましたよ?10年少しに亡くなりましたけど」
ジジイは少し悲しい顔をした。ジジイは一言「そうか」とだけ。
親父「約20年ぶり?ですかね?」
ジジイ「お前いくつだ?」
親父「42です」
ジジイは親父の肩を叩いてまだ若いわと笑った。
326:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:09:59.21 ID: FVaEeH7f.net
親父「その肩を叩くのも懐かしいです」
親父はやっと涙が止まった。姉貴がそこで切り出した。
姉貴「…こちらの方は?」
親父が言った。
親父「俺の大学の先生だ」
姉貴は意外という顔をしてジジイを見た。俺は親父がジジイの教え子という事実に驚いたがそれよりは嬉しかった。
親子2代で同じ師をもつという不思議な感覚。そのことに喜んでいた。
327:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:13:28.16 ID: FVaEeH7f.net
親父「それで…俺よ」
俺「へ?」
親父「どこで知り合った?」
いきなり飛んできた矢に俺はドキドキしながら今までの経緯を説明した。時々ジジイが補足をしつつこの1年と少しの説明をした。
親父はそれを真摯に聞いてくれた。時々へえやほうなど相槌をうちながら。どこか俺の話を羨ましそうに。
328:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:17:49.28 ID: FVaEeH7f.net
親父「…分かった」
姉貴はもう怒って無かった。それよりギターを聞きたそうだった。
親父「そうだ!ご飯、食べてって下さい!」
そうして初めてジジイと飯を食べ、家の風呂に入り、同じ部屋で寝た。姉貴はジジイが怪しい人間じゃないことが分かるとギターのリクエストをした。
姉貴「私ギターもしてたけど良くできなかったんだよね…」
姉貴「あれ弾きたかったんだよね、オアシスのワンダーウォール!」
329:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:20:42.87 ID: FVaEeH7f.net
ジジイは笑って俺を見た。
ジジイ「姉ちゃん、それは俺の世代じゃねえなあ。俺、弾けるか?」
俺「…うん、練習したから」
姉貴「え?あんたが?」
姉貴をギャフンと言わせたくて実は練習していたのだ。姉貴がこの曲が好きなのは知っていたから。
ジャラーン
初めてジジイと五十鈴以外にギターを聞かせた。リビング、台所には親父。二人に対してのライブだった。
330:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:25:49.57 ID: FVaEeH7f.net
姉貴は出来るじゃん!と褒めてくれたし親父は頑張ったなと声をかけてくれた。それだけで俺は何万人からの拍手をうけたみたいな気分だった。
次の日からジジイはまた出ていった。親父は少しの間でもうちで住まないかと聞いたらしいがジジイが断ったという。
それからは普通だった。またジジイにギターを習いにいく。今度は親父に隠す必要は無くなった。時々姉貴もついてきた。
そして俺はバンドを組んだ。弓道部の友達二人とだ。主にドラムの奴のせいでジェフ・ベックをよくした。曲は好きだったがギターは凄く難しかった。
332:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:29:47.04 ID: FVaEeH7f.net
それから五十鈴に向けての曲作りもしていた。姉貴も意見をくれた。最初はインストゥルメンタルにしようとしていたがやっぱり言葉が欲しいという姉貴の意見で歌詞をつけることにした。
そして1ヶ月ほどたったある時五十鈴から話を持ち掛けられた。
五十鈴「私ね、ジジイさんに凄く感謝してるの。だから曲をプレゼントしたいなって思ってるの」
思わず吹き出しそうになる。結局、考えることは一緒だったのだ。
俺はバンドでジェフ・ベックを、ジジイと五十鈴に曲を、五十鈴とジジイに曲をという忙しい生活を送ることになった。
333:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:31:41.14 ID: FVaEeH7f.net
昨日は姉貴の誕生日だったのでここに来れませんでした。ごめんなさい。また来ます。
334:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:39:50.08 ID: nBAVn42A.net
いつもありがとう
335:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:58:26.61 ID: uoce1hcy.net
無茶苦茶面白いよ!
336:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)23:08:43.21 ID: JOP1F0iE.net
お疲れ様今日も面白かったよー
ありがとう
337:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)23:58:53.66 ID: dwZ0/p0R.net
親父がジジイの教え子だったなんて凄い偶然があるんだね
338:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/27(日)04:18:12.03 ID: k1z7SDOM.net
楽しみにしてます
340:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/27(日)23:43:12.26 ID: or0MSaEv.net
突っ込まない勇気なww
続き頼む
345:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:21:08.97 ID: fuLAD+3O.net
それから高校の部活もこなしつつ夏休みになった。
夏休みはよく五十鈴と遊んだ。端から見ればデートだったのだろうが俺はデートにしたかったのだ。五十鈴に内緒で曲を作った。
そしてとうとう出来上がった。つたない、2分半ほどしかない曲だった。内心喜びと不安が同居していた。分かるかな?この気持ち。
曲名は今でも覚えている。というより今も自分のレパートリーだ。
『Hold My Hand』だ。
346:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:24:26.12 ID: fuLAD+3O.net
彼女の家に行き、彼女のお母さんに席をはずしてもらって、手筈は整った。
五十鈴「どうしたの?」
彼女には何もおしえていない。ジジイに向けた曲の練習とも勘違いしていた。
俺「そ、そうじゃないんです。1つ聞いて欲しい…ものがあって」
元来人前で喋るのは苦手だったんだよね。でも1つ1つ振り絞って声を出す。
俺「それで、えーと五十鈴さんのために曲を書いたんです!」
五十鈴「え?」
347:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:28:13.08 ID: fuLAD+3O.net
俺「今年の初めから書き出して、凄い時間かかっちゃったけど、一生懸命作ったんです!」
バリバリに保険をかけてギターを手に取り歌を歌う。
演奏が終わったときには俺は泣きそうだった。ミスしなかった悦び。想いが届いたかどうかの不安。たった数秒でも俺には凄い時が流れた。
五十鈴「…私ね、嬉しい」
そういって彼女もポツリと話し出した。
五十鈴「…好きなんでしょ?私のこと。でもだめ。盲目だから」
348:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:31:26.56 ID: fuLAD+3O.net
俺「え、あと…」
こんな時すらすら言葉が出てくれば。日頃のコミュニケーションが足りない証拠だった。
五十鈴「私も、好きでした。顔は分からないけどずっと優しさは伝わったから」
彼女はゆっくりと、綺麗に喋る。
五十鈴「でもね、苦労する。私は盲目だし妹は多指症。いじめられるよ」
初めて知った事実もあった。彼女の妹は多指症だった。しかも同じ高校というのも後に分かる。
349:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:34:58.71 ID: fuLAD+3O.net
俺「で、でも!ホントに好きです!バカみたいだけど、ホントに好きなんです」
今から思い返してもバカな一言だ。もっとましな返しは出来んのかw
五十鈴「…困る」
俺「?」
五十鈴「諦められないじゃん!」
バンと立ち上がって彼女は大きく後ろに転げた。俺は慌てて寄り添う。
五十鈴「こんななのに!ホントにいいの!?」
気づけば彼女は泣き叫んでいた。俺はただ狼狽えるだけ。自分の無力さを嘆いた。
350:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:39:07.88 ID: fuLAD+3O.net
俺「…はい。大丈夫です。俺が脆いっすけど、ステッキになります」
今でもこの台詞は揶揄される。それだけ思い出深かったのだろう。
彼女はただ俺に抱きついた。結果、五十鈴は年上の恋人になった。
ジジイにその事を話すとパアッと明るい顔になって俺の肩をバンバン叩いた。
ジジイ「そうか!良かったじゃねえか!ちゃんと杖になりやがれよ!」
ジジイはそれからも変わらず二人にギターを教えてくれた。そんな事が永遠に続くと思ってた。本当に。
351:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:44:03.95 ID: XpR8sVE1.net
ギター上手いホームレスとかxjapanのタイゾーしか思いつかねーわ
352:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:44:59.90 ID: fuLAD+3O.net
俺と五十鈴はジジイに向けた曲を書き上げた。かなり時間がかかった。バンドもしてたから大概五十鈴に任せっきりなってしまった。これが今でも後悔の元だ。
ある時ジジイの家?に言って改めて話をした。
ジジイ「ほーん、曲ねえ?」
五十鈴「俺君頑張ってたんです!聞いてください!」
俺「いやいや何もしてねーよ、殆ど五十鈴さんで…」
ジジイは頭を掻きながら分かった分かったというように手を振った。
353:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:51:50.31 ID: fuLAD+3O.net
ジジイ「早く聞かせてくれ。あ、そうだ」
ジジイはそういって自分のギターを取り出した。
俺「なにしてんの?」
ジジイ「いやー、そんな曲ならよしのでひいてくれよ?思い出になる」
そういって"よしの"を取り出した。初めて、初めてジジイのギターに触れた。どことなく温もりがあって、力強い何かを感じた。
俺「いいんか?」
ジジイ「…もういいじゃろが。お前なら」
そういって二人で、一緒に、歌った。
354:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:55:58.03 ID: fuLAD+3O.net
ジジイは黙って聞いてくれた。演奏が終わると静かに拍手をしてくれた。俺も五十鈴も驚いた。でも嬉しかった。
ジジイ「…俺よ。もうちょっと上手くはなれんのかw」
俺「おいおい、今の流れでいう言葉じゃねーぞ」
そういって3人で笑った。季節は秋に入っていて外は少し寒かったが俺らは暖かかった気がする。
ある時バンドで地元のホントに小さいライブハウスでライブをした。俺らにはベースがいなくて姉貴が請け負ってくれた。
355:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:00:47.25 ID: fuLAD+3O.net
ジジイは五十鈴に金を借りたらしく一番前で酒をのみ、タバコを吸いながら俺らを囃し立てた。
この時三バンドの対バンで、手違いでトリになったのもいい思い出だ。前の二バンドはとても上手くてメチャクチャ緊張してた。
ステージに上がると最初に声をあげたのはジジイではなく五十鈴だった。
五十鈴「俺君頑張ってよ!」
こうなると後には引けないし、ミスも出来ない。ジジイも囃し立てる。
ジジイ「ミスったらそのテレキャスへし折るぞ~!」
356:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:04:55.68 ID: fuLAD+3O.net
観客は笑う。俺はますます緊張した。俺の緊張を解そうとしたみたいだが逆だった。
他の二人(プラス姉貴)はその言葉で緊張がほぐれたらしく笑みがこぼれていた。
最初の曲はジェフ・ベック・グループのシチュエーション。必死に練習したんだ。この曲はそつなくこなした。
問題は二曲目だった。前のバンドと曲が被ったのだ。曲はクロスロード。もちろんクリームの方である。
357:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:10:27.00 ID: fuLAD+3O.net
俺「ホントにやるか?」
全員はおうとうなずく。しょうがない。諦めた。
みんな最高だった。ジジイはいいぞいいぞーとずっと騒いでいた。周りもノリノリだった。二次会は俺の家で行われた。もちろんジジイも五十鈴も同じだ。
キーボードのやつはジジイに気に入られてた。ずっとジジイと腕相撲してた。俺はドラムの奴に五十鈴のことでいじられてた。親父は夜遅くまで遊ぶ俺らに何も言わなかった。
358:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:14:43.01 ID: fuLAD+3O.net
高一の終わり。ジジイがあることを言い出した。
ジジイ「俺はな、短歌が好きなんじゃ」
俺「短歌?」
ジジイ「あんなに完成されたものはない。俺はずっとブルースをしてるが短歌もしてみたいんだよ」
初めて聞く。短歌だって?俺からしたら意味の分からん文章でしかなかった。
ジジイ「好きな短歌があるんじゃいつしか聞かせてやる!」
今聞かせろよ!そう思った。でも聞かなくて良かったと今は思う。
359:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:21:13.38 ID: fuLAD+3O.net
その話を聞いた次の日いつもの如くジジイにギターを習おうと今度はジジイを家に呼んだ。
すると少しジジイは親父に話していた。親父はそうですか、そうですか。と俯き喋っていた。
その日初めてスライドバーを使ってブルースをした。確か曲は子牛のブルースだったはず。
ジジイはまたうめえぞと言って俺の肩を叩く。俺はやかましい、と返す。まあ普通のやりとりだった。
360:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:24:08.84 ID: fuLAD+3O.net
そして練習が終わってジジイが変な事を言い出した。
ジジイ「あー…お前のギター貸せや」
俺「は?」
ジジイ「お前のギターいいおとするから帰って弾いてみたいんじゃ。ええやろ?」
それくらいならとギターをケースに入れて渡した。ジジイは俺のギターを肩に、ジジイのギターは手に持って帰っていった。それが最後のジジイの姿だった。
361:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:29:08.48 ID: fuLAD+3O.net
朝起きて学校に行く準備をして外に出る。すると玄関にギターが立て掛けてあった。
俺「手渡しにこいよ…あのジジイ」
一旦ギターを部屋に置いてそれから学校に向かった。そして家に帰ってギターをケースから取り出した。今日は五十鈴が家に来る、なんて想いながら。
ギターの裏板に何か書いてあった。それは旅行に太宰府天満宮に行った時によく見た短歌だった。
東風吹かば
匂いおこせよ
梅の花
主なしとて
春を忘るな ジジイ
362:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:31:44.91 ID: fuLAD+3O.net
意味がわからず親父を呼ぶ。
俺「親父ぃ!見てくれ、どゆいみ?」
親父はその短歌を見てすぐに泣き崩れた。俺はおろおろするばかり。
ピンポンとチャイムがなり五十鈴と妹が来た。
俺「あー…一応上がって?」
親父はまだ部屋で泣いていた。妹はどうしたの?と不安そうに俺に聞く。
俺「俺にもわからん」
363:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:34:43.26 ID: fuLAD+3O.net
妹がその短歌が書かれた俺のギターを手に取る。
妹「俺って…古文出来ないの?」
俺「国語は現代文だけやな。あとは世界史は得意…」
妹「ふーん…」
五十鈴もおろおろしていた。何がおこってるのかよく分かってないのだろう。
親父がぼそりと呟いた。
「大事にしろ」
364:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:37:54.91 ID: fuLAD+3O.net
それから次の日に先生に聞いた。そこで全てを察した。学校なのに大泣きした。部活もサボった。ジジイを探し回った。いつものジジイの家、公園、駅前、先頭、屋体、タバコ屋。どこにもジジイはいなかった。
家に泣きながら帰ると親父が玄関に立っていた。
親父「お前、部活をサボったそうだな…」
そんなことどうでもいい。ジジイのことしか頭に無かった。
親父「…話がある」
365:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:42:59.36 ID: fuLAD+3O.net
そういって親父は親父の部屋に俺を招き入れた。親父はジジイからの最後の伝言を聞いていた。
ジジイは俺が立派なギタリストになっていること、長居はするつもりはないこと、五十鈴によろしくということを言い残したそうだ。
俺には何も心に来なかった。というより大切な親友が死んだみたいに絶望?した。何故それを直接言わなかったのか、何故突然また旅に出たのか。
疑問しか浮かばなかった。
366:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:46:44.00 ID: fuLAD+3O.net
俺は黙って親父の話を聞くだけだった。涙は流れ続けた。
親父「…なあ、俺にもギターを弾いてくれよ」
親父は突然言い出した。
俺「え?」
親父「先生、すげえだろ?昔はもっと怖かったんだがな」
親父「まあいい、とにかくやってくれよ」
親父は俺のギターを勝手に持ってきて俺につきだした。
親父「何でもいいさ。ほらブルースとかしてくれよ」
367:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:49:59.06 ID: I6/vjpd7.net
その短歌どういう意味やねん
368:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:50:41.15 ID: fuLAD+3O.net
ブルースなんか歌えない。でも歌えというなら俺は歌う。簡単なブルースだ。ジジイにも全く届かない腕前だけど、全く届かない声色だけど、俺は歌うと決めた。
俺「…あ、じゃあ…ヘイ・ジョーってやつ」
親父「ジミヘンか、いい趣味じゃん」
ジャラーン
二人して泣く。親父はいつの間にか母さんの写真を持ってた。俺はヘイ・ジョーを歌った。五十鈴が最初に教えてくれたジミヘンの曲だった。
それから五十鈴にも説明した。ジジイは旅に出たことを。五十鈴はそうとだけ呟いて顔を背けた。
369:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:56:05.40 ID: fuLAD+3O.net
俺は黙って五十鈴を抱き締めた。五十鈴が泣いた気がした。気のせいなんだろうけど。
そして短歌も聞かせた。五十鈴はジジイさんはカッコつけすぎと僅かに笑った。
それからバンドで色んな曲をした。いつしか俺はバンマスになっていてブルースロックをよくした。
ブルースをやっているときだけジジイと繋がってる気がするからだ。
今になってもジジイを探そうという気はあまり起きない。いつの日かひょこっと戻ってきそうだから。今ジジイは80かな?あのジジイは100まで死にそうにないからなw
ジジイと別れて約10年、ジジイの記憶だけは忘れたためしがない。それだけ俺とジジイの関係は密だったんだ。
370:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:58:18.46 ID: fuLAD+3O.net
369まで聞いてくれてありがとうございます。周りに当時のこと聞きまくって自分の記憶の裏をとってました。
仕事が忙しくて全然来れないときあったけど暇つぶしなのにこんなに読んでくれてありがとう。ホントに、事実なんですよ。不思議でしょ?
答えられることなら質問受けまーす。思い出したら泣けてきたwww
371:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:00:21.92 ID: OQHfIWww.net
>>1は今でもよく弾くの?
あと五十鈴とはその後どうなったの?
もし良ければジジイが去ってから後の話も聞きたい
373:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:02:29.03 ID: fuLAD+3O.net
>>371
今でもよく弾きます。ライブなんかもしてます。
その後書いたほうが良いですか?
378:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:09:49.22 ID: OQHfIWww.net
>>373
簡単でいいからできれば書いてほしい
372:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:01:44.02 ID: NzIuzE56.net
おつかれ
いい話をありがとう
五十鈴さんとはどうなった?
今もギターは弾いてる?
377:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:09:33.93 ID: 68mpXcD4.net
ジジイ公園でリゾネーター弾いてて苦情言われなかったんだろうか・・・
379:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:10:50.43 ID: fuLAD+3O.net
>>377
公園の回り人気無さすぎたんで…逆に駅のときに止められなかったのが今は謎ですw
381:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:14:48.53 ID: 1CzpEE34.net
みんなが一番聞きたいのは五十鈴ちゃんがどうなったかだろうなw
382:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:16:58.27 ID: fuLAD+3O.net
高校の終わり頃に親父が病気になった。なんか重い病気らしくすぐ入院した。
姉貴は大学言ってたけど、見た感じ行けそうもないなと思ったから俺は叔父に頼んで高卒で就職した。
それからバンドに五十鈴と姉貴、さらにベースの奴の彼女を正式にバンドに入れて スウィート・ピーチってバンドに名前を変えた。
俺が20になった夏親父が死んだ。親父は最後に俺に泣くなと言ったから泣かなかった。俺らは叔父の家に引き取られた。
388:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:27:17.53 ID: Ou2i1L+Z.net
>>382
成人してたら引き取られるとか無くね?
389:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:28:30.31 ID: fuLAD+3O.net
>>388
何故か取られた。叔父は姉貴に独り暮らしさせたくないっぽく。俺は今は五十鈴の実家に住んでるけどね。
姉貴はまだ叔父叔母いとことすんでるわ
391:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:31:14.09 ID: Ou2i1L+Z.net
>>389
あぁそういう意味で書いたのね
384:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:21:37.58 ID: fuLAD+3O.net
五十鈴も悲しんでくれた。俺はそれからよく五十鈴と会うようになっていった。バンドメンバーは全員五十鈴を支えてくれた。
五十鈴の家に止まることも多くなった。因みに高三の時に五十鈴の妹と同じクラスになって仲良くなった。
そして俺が24になって、五十鈴が27。五十鈴はジミの歳になっちゃったなんて言ってたっけ。俺が告白した。
俺「一生貴女のステッキにさせてください!」
そして俺らは結婚した。五十鈴はただただ俺に抱きつくだけだった。
385:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:24:20.73 ID: fuLAD+3O.net
今じゃ五十鈴はキャンディスナイト。俺はリッチーブラックモアになってる。五十鈴へは婚約指輪は渡さなかった。俺が渡したのはお互いの名前が深くほってあるサムピック。
キザだなー俺www今からしても恥ずかしいわ。現在五十鈴は産休だけど実家のCD屋を義母さんと営んでる。目が見えないというのはあんまり重要じゃないらしい。彼女いわく。
386:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:25:04.86 ID: 1CzpEE34.net
そうかそうか、それなら良い!お前さんと一緒になったなら、それで良い!
387:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:25:22.50 ID: fuLAD+3O.net
五十鈴は来週30。今年くらいは五十鈴にギターの音色をプレゼントしようと思ってる。
何の曲がいいかな?お前らに聞きたい!
394:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:40:11.47 ID: lsD4K5kd.net
>>387
Eminem/Love The Way You Lie
396:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:42:21.47 ID: fuLAD+3O.net
>>394
聞いたことなかったんで聞いてみますね!ありがとうございます!
390:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:29:14.97 ID: 6u5DA7pw.net
ピープル・ゲット・レディー♪
392:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:33:04.30 ID: fuLAD+3O.net
>>390
ピープル・ゲット・レディいい曲ですよね!俺達も良くします!
393:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:39:44.45 ID: 1CzpEE34.net
BE MINE TONIGHT
ちょっとシチュエーションに合わないかなw
395:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:42:01.80 ID: fuLAD+3O.net
>>393
ブラックモアズ・ナイトのギターがここで活きてくるかも!
397:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:50:54.27 ID: 1CzpEE34.net
>>395
同名の曲が他にもあるなかですぐにそこを出してくるとはさすがですなw
398:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:03:28.57 ID: nvHr037i.net
今全部読んだ
実話なら凄すぎってか、良い意味で時代錯誤でしょ
いまどきCreamのcrossroadsなんて演奏するバンドいんのか
399:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:06:09.18 ID: nvHr037i.net
Since I've Been Loving YouかウィリーディクソンのI Can't Quit You
やってみて
400:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:19:09.29 ID: iFqa1ISA.net
>>399
貴女を愛し続けてはやったことありますがI Can't quit youは盲点でしたね…練習してみます!
401:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:22:18.70 ID: 1ZKRk9Yj.net
五十鈴さんと結婚してたんだね!
幸せそうで良かった
凄く面白かったー
402:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:40:32.43 ID: 1MHgvgQy.net
先生の作品は本当に好きだし特に文句はないが
終盤がダレるが短くまとめてるのはすごい
恋愛モノ抜きでなんか書いてくれ
スタンドバイミーみたいなやつ
子供の冒険のも大好き
403:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:47:10.91 ID: +8PFL9X0.net
凄い話だった
404:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)02:00:21.23 ID: 0khH4IJD.net
短歌の意味教えろよ
405:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)06:53:57.64 ID: iFqa1ISA.net
>>404
短歌の意味は東風が吹いたなら主人がいなくても春を察知して花よ咲け。という意味の歌です。
菅原道真が太宰府に左遷されたときに自分の好きだった梅の花によんだとされる歌です。
407:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)07:21:55.10 ID: CxGaphCT.net
>>404
俺はもう生きてこの地を踏む事もない
だがお前は梅の木の様に花を付け
東風に乗せその香りを俺に届けてくれ
俺は生きてお前には会えないだろう
だが>>1は今まで通りの生活をし
俺にギターの音色を届けてくれ
こんな感じじゃね?
別れの句と思う
406:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)07:04:54.09 ID: 8t3hUxhS.net
多分、だけど
じじいが梅の花の短歌が好きだったってのもあるかもしれんが
その歌にじじいが託した意味は「俺がいなくてもギターを弾き続けろよ」だと思う
小粋なじじいだな
408:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)08:05:16.90 ID: Qf6wS9SY.net
面白かったよ、>>1ありがとう
409:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)08:11:21.79 ID: 0OvhgXIF.net
何だか短歌ってカッコいいな
410:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:15:11.78 ID: gXjUnSeL.net
これ、ドラマ化か映画化したら化けるぞ。いっちーはすぐに本の執筆をした方がいい。ギターブーム起こすかもよ。
411:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:36:37.11 ID: MR6lObF6.net
面白かったありがとう
412:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:53:01.11 ID: wdzfz4qE.net
>>1
もしよければギター弾いてうpしてくれよ
スモークオンザウォーターで頼む
413:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:53:18.60 ID: dxz4UCZV.net
Listen what the man saidとかどうだろう
love is blindってさいう歌詞が好きなだけだが
414:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)16:35:04.67 ID: Q/L5FQoa.net
乙
おもしろかったよ
引用元:ホームレスにギター教えてもらった思い出
暇だからちょっと語らせてくれ
聞きたい人がいるかどうかは知らない。でもふっと思い出したから書く
書きだめはないのでごゆるりと待っててください
2:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:03:04.88 ID: y+NcPp2n.net
この時俺は中二で…痛いやつ真っ盛りだった。
ただモテたいがためにってのと…姉貴がいて姉貴がベースをしてたから俺はギターを始めた
ギター自体は姉貴のやつを使ってた。もちろん全く弾けない。全然弾けない
3:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:08:00.65 ID: y+NcPp2n.net
姉貴にも死ぬほど笑われたw
姉「ビートルズすら弾けないの?w」って感じで…悔しくて堪んなかった
姉貴はジャズばっか聞いてて正直メチャクチャ上手かった。
二人の共通項は洋楽好きってこと。ジャンルは全く違った。俺はこの時にわかで全然知らなかったけれど
4:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:10:25.35 ID: k0OHj0bt.net
びっぷらのロバート・ジョンソンが
支援(笑)
5:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:12:41.52 ID: y+NcPp2n.net
どんだけやってもコードチェンジが上手くいかない。ビートルズとかニルヴァーナとかメチャメチャギター簡単な曲すら弾けなかった。
それで結構すぐやめちったwww
ギターはインテリアと化してた。俺は音楽だけ弾いてギターは弾かないって日々が続いた。
因みに母は死んでていなかったけど親父はよくしてくれた。有名なゲーム会社に勤めててお金もあった。だからCDなんかは全部買ってもらってた
6:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:19:12.82 ID: y+NcPp2n.net
そんでぐだぐだ過ごしてたら学校行事があった。その時だった。
うちのクラスのDQNがギターで弾き語りするっていう出し物をする事になったんだ。その時内心しまった!って思ったけど…
そいつ地味に上手かったんだよね。邦楽をしてた(確かtubeとか)んだけど歌も上手いしギターも弾ける。最悪だった。
俺のクラスはそいつを全面バックアップするってことに決まった。部活のやつは部活の出し物とかあったんだがいかんせん帰宅部だった…
俺はそいつのギター持ちになった
7:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:25:57.45 ID: y+NcPp2n.net
DQN「ぜってー落とすなよ?落としたら殺すかんな?」
俺「分かってるよ…落とさんっちゃ」
ずっとこんな感じだった。こんだけ言っても俺より安物のギターだったんだけどなw
ギター持ちの仕事はかなり楽だった。でもものすごく悔しかった。学校行事でそいつは拍手喝采だった。先生からも受けがよかった
これでもう1回始めることにしたんだw
8:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:27:14.81 ID: ZKv06bHc.net
上手いなら教えていただきたい
10:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:30:23.10 ID: y+NcPp2n.net
インテリアと化してたギターを手にとって必死に練習…するはず無かった。それだけ意志が弱かったんだな、全然ダメ。
姉貴からはとうに見捨てられてた。俺はもうビーオタするだけの浮いた中学生になってた。
中二の終わり、俺は電車通学でいつものように電車に乗ろうとしてたんだが…いつもと違うんだな。
ストリートのミュージシャンがいた。俺はこんな田舎でなんになるんだ?金になるの?とか考えてた。よく見るとスーツはきてんだけど全体的にボロい。ハットも被ってるけどヨレヨレ。
こいつ…完全にホームレスじゃあねえか。
その時すぐ無視した。
11:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:34:21.20 ID: y+NcPp2n.net
学校が終わってその日は珍しく友達と遊ぶことになった。俺ほとんど友達とかいなかったしなw
結構テンション高めで帰ったの。その時気付いて無かったけど、1回家に帰ってもっかい駅に行くとまだストリートのやつはいた。
こいつ何時間いるんだよ!?朝の8時に見て今夕方だぞ?って思ったのを覚えてる。
そのホームレスは意外とお爺ちゃんでそれもあってかギターケースには結構小銭が入ってた。
年を売り物にしやがって…それが最初の感情だった。ギター売れよwとかも思った
12:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:38:03.37 ID: y+NcPp2n.net
チラッと見たとき目があった。うわっ最悪…
ジジイはにやっと笑ってイマジンを歌い出した。その時の俺がジョンレノンのシャツを着てたからだった。
俺「あれ?意外と上手くね?」
ジジイは声高々にイマジンを歌う。ギターは簡単なのは知ってたけど弾けなかったから羨ましかった。
気付いたらジジイの前に立ってた。ジジイはイマジンを歌い終わるとちょっとこっちを見て
「金」
とだけいった。
13:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:39:15.95 ID: k0OHj0bt.net
ワロタ
14:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:39:37.00 ID: ZKv06bHc.net
じじいwww
15:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:41:29.38 ID: y+NcPp2n.net
俺「金?あーっと…」
ここで渡すのはなんだかしゃくだった。友達との約束ごとも忘れてジジイにいった。
俺「ビートルズ弾ける?」
ジジイ「あんなに簡単なの弾けねえやつおらんが」
カチンと来た。ビートルズを貶された気持ちにもなったし尚且つ俺の嫉妬が吹き出した。
俺「へー。ブラックバード弾けたら金やるよ」
ジジイ「…口の聞き方気を付けろい」
それでもジジイは笑ってたが。
16:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:45:38.97 ID: y+NcPp2n.net
どうせ無理だと思った。いきなりのリクエスト。しかもブラックバードは意外と難しいというのをCD屋のマスターから聞いていた。
ジジイ「ブラックバードシンギン…」
めっちゃうめえ。ふざけんな。期待を返せ。あとものすごく発音がよかった。本家のポールより歌が上手い気がした。
チャカチャカずっと鳴らして演奏は3分ほどで終わった。
ジジイ「…で?」ニヤ
このにやけにまたもカチンと来た。
俺「じゃあ次はアクロス・ザ・ユニヴァースだ!」
ジジイ「へいへい…」
といってチューニングをし直した
18:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:46:58.97 ID: ZKv06bHc.net
面白いwwww
19:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:48:51.16 ID: k0OHj0bt.net
そのシジイは交差点で悪魔に魂を売ったのさ…w
21:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:52:13.00 ID: ZKv06bHc.net
>>19
赤い目の悪魔さんちーっす
27:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:16.33 ID: k0OHj0bt.net
>>21
誰が赤いおめめのトナカイさんやねんw
ロックの定義は人それぞれ難しいな
20:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:49:07.08 ID: y+NcPp2n.net
ポンポン
その時チューナーを使ってなかった。俺は合わせるだけでもチューナー頼りだったのにw
俺「チューナー使わんの?」
ジジイ「…チューナーねえw」
弾けなかったら殺してやるとまで思った。マジで。
ジャラン…
完璧だった。完璧すぎてビートルズ聞いてるのすら恥ずかしいくらいの完璧。歌は上手いしギターに狂いはない。
ジジイ「…金」
流石にここで折れた。小銭入れから300円出してギターケースに入れた。
ジジイ「…お前中学生か?」
22:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:53:13.23 ID: y+NcPp2n.net
俺「なんで分かったんじゃ?」
ジジイ「…額がショボい」
このジジイ、殺す。ジジイは笑うのを止めなかった。
ジジイ「お前今ビートルズきいてんのか?」
俺「ビートルズにニルヴァーナ。後はジョンのソロとか」
結構洋楽は聞いてると思い込んでた。でもジジイは鼻で笑って
ジジイ「…ロックってのを知ってねえなあ…」
ビートルズは大好きだったから腹立ったけどそれ以上にジジイに興味が湧いた。自然に怖いイメージは無かった
23:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)21:56:20.04 ID: DlhNAQtv.net
んでんでんで
24:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:00:37.81 ID: y+NcPp2n.net
俺「じゃあどんなんがロックなんだよ!」
ちょっとキレてた。まー痛い中学生だったししょうがないな。
ジジイ「まあ、待てや。俺はもうロックは飽きたんや」
俺「じゃあ何しよるん?」
ジジイはにやけて「教えられまっしぇーん」と言った。今でも覚えてるけどあのときの殺意。
ジジイ「…これくらい集まりゃいいか」
ジジイはギターケースをチラッと見て言った。確かに3000円以上あった。
25:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:02:27.13 ID: ZKv06bHc.net
中学生相手に大人気ないじっじやwwww
支援
26:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:03.09 ID: 6x8mukH8.net
おもしろい
支援
28:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:17.62 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「お前ギターすんのか?」
俺は痛いとこつかれたと思った。隠してもしょうがないと観念した。
俺「したいけど出来ない」
ジジイ「なんでや?」
俺「弾けんけえじゃ」
するとジジイはカッカッカッって笑ってすくっと立った。意外と背が高い。多分170以上はあった。
ポンポンと肩を叩かれ聞かれた。
ジジイ「弾けるようになりてえか?」
俺「…うん」
29:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:03:21.24 ID: GbSu5LaZ.net
面白い
30:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:05:55.76 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「…ほんじゃ」
といってメモになんかかいた。それは空き地の場所だった。
ジジイ「明日土曜やろ?今のガキは土曜休みじゃろうからここ来いや」
俺「は?」
ジジイ「ギターは必ず持ってこいよ」
俺「何時や?」
ジジイ「…朝や」
友達から誘われなくなったのは言うまでも無かった。
31:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:10:11.08 ID: y+NcPp2n.net
次の日朝8時に起きて少しドキドキしながら仕度した。姉貴からはどうした?って聞かれたけど友達の約束ってことにして出て来た。
空き地には既にいた。というより…そこがジジイの家だった。間違いなくホームレスだった。その空き地には小さな小屋があって中には四畳半くらいのスペースが裏の山手にあった。
ジジイ「来たな?くそガキ?」
そういって頭をがしゃがしゃされる。
俺「やめえや!臭くなるじゃろ」
ジジイ「…お前元気やなあ…」
その時ジジイはジャージにシャツ1枚だった。
32:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:10:25.54 ID: Bexfy8ot.net
この後めちゃくちゃア●ルセッ●スした
34:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:12:58.44 ID: y+NcPp2n.net
俺「しかし汚いな…」
ジジイは笑っているばかりだった。そのまま裏の小屋につれていかれた。
ジジイ「ここはスノウドニアっちゅうんや」
俺「スノウドニア?」
ジジイ「この小屋の名前や」
こいつ頭おかしいと思った。ほんとにこのジジイは大丈夫なんだろうか?殺されないだろうかというドキドキが出てきた。
ジジイ「…おい、ギター」
俺「へ?」
ジジイ「ギターだよ、練習すんだろ?」
36:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:14:13.98 ID: ahjTCrF5.net
今度はお前がホームレスになってギターを教えてやれ
37:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:15:39.21 ID: y+NcPp2n.net
そう言われて慌ててケースからギターを取り出す。ジジイのギターは野ざらしっぽかった。
ジジイ「へえ…ヤマハたあ良いもん持ってんじゃねえか」
俺「元は姉貴のじゃ」
ジジイははーん…といってまたにやけた。そこでやっと気付いた。
俺「ジジイのギター変なやつやな?」
ジジイ「お前ほんと生意気じゃな?」
38:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:17:09.95 ID: ZKv06bHc.net
みてるぞ
39:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:18:52.36 ID: y+NcPp2n.net
ジジイはそういってギターを取った。後に知ることになるがそれはドブロというアコギ(というよりリゾネーターギター)だった。
知りたい人は調べてほしい。俺はそのギターに興味津々だった。
ジジイ「これか?こいつは"よしの"じゃ」
俺「は?」
ジジイ「ギターの名前や」
なんでも名前つけるのか…ほんとに頭おかしいと思った。これまた後に分かるがジジイはなんでも名前をつけるクセがあったw
40:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:19:14.47 ID: k0OHj0bt.net
ゆっくり好きなようにやってくれ
41:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:20:21.31 ID: ZKv06bHc.net
ダークリゾネーター?
42:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:22:07.60 ID: y+NcPp2n.net
ジジイはドカッと座って俺を見た。
ジジイ「何が弾きたい?」
俺は色々迷ったが好きな曲を素直に言った。
俺「ヒア・カムズ・ザ・サン。これしたい」
俺はジョージハリスンファンだったのだ。ジョージのシャツなんて1枚も持ってなかったがw
ジジイ「…分かった」
この時少し目付きが変わった気がしたんだ。俺はジジイに続いて汚い座布団の上に座ってギターを担いだ。
43:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:26:39.96 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「まあまずは焦るなや。キーから教えんぞ」
いきなり教則本を完全に無視だった。全くキーなんて言葉知らなかった。
ジジイ「…あー。キーってのはな?コードのベースや。簡単に言うとな」
それから基本音というのを教えてもらった。ジジイはやっぱり面白い人間だったが教え方も凄い上手かった。
焦らんでええ、手が小さいのはしゃあおまへんとか慰めの言葉をかけてくれてた。
まだまだ中学生。手が小さい上に飽き性だ。キー押さえるだけでつまらなくなっていった。そこでジジイの話題をふった。
44:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:27:38.28 ID: gyD8gijJ.net
おれの音楽のスタートはThe EaglesのHotel Californiaだったなあ。
184:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:59.78 ID: dXC3WYt2.net
>>44
私もイーグルスのホテルカリフォルニアだった
弾けずじまいだったけどw
45:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:27:51.16 ID: sV9hLFXU.net
イッチとすんでるところ近いような気がする
46:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:30:10.02 ID: 2ATJwX8E.net
どこの山陽地方だよ
47:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:30:50.89 ID: y+NcPp2n.net
俺「なあ?ジジイってなんでホームレスなん?」
ジジイ「…うっさいわ。ホームレスでもええやろ」
俺「何歳?」
ジジイは少し考えて「68」とだけ言った。正直ジジイジジイと言ってたが見た目はもっと若かった。このジジイが60代なのも信じられなかった。
朝9時から約三時間。延々キーを単音で押さえるだけをしていた。正直つまらくなっていた。
俺「なー、こんなんで上手くなるん?」
ジジイはクスッと笑って俺の肩を叩いた
ジジイ「お前、名前と年は?」
48:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:33:54.28 ID: y+NcPp2n.net
俺はいきなりでなんでこんなことを聞くのか分からなかった。
俺「俺は俺。14じゃ」
ジジイ「俺はジジイ、68」
益々分からなかったけれどちょっと面白かったw
ジジイ「…54も違えばギターの歴も違うっちゅうことや」
そういってすくっと立っていきなり着替えだした。
俺「なんで着替えるん?」
ジジイ「…金」
また一言呟いただけだった。
49:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:37:03.65 ID: y+NcPp2n.net
俺もすぐ見たいと思った。ほんとはどんな音楽をするのか気になったからだ。
俺「着いていってええか?」
ジジイ「…変な目で見られるからやめえや」
俺「遠くで見とくわ」
ジジイ「…そうか」
そういって俺は自転車。ジジイは歩いていつもの駅まで向かった。俺のギターケースはハードソフトだったがジジイはハードだった。
俺「ケース重くないん?」
ジジイ「…まだ若いけえの」
50:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:37:12.02 ID: nSI5o0OD.net
面白い
支援
51:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:41:08.20 ID: y+NcPp2n.net
スーツ姿に違和感しかなかったがスーツ姿でジジイは駅の前に陣取った。
ジジイ「…今日は焼き鳥だな」
俺「は?」
ジジイは無視してギターを取り出してチューニングした。そして筒状の変なガラスを出して歌い出した。
その声はとても力強くて、カッコよくて、渋かった。ジジイらしかった。ピックも使わずギターをバンバン叩きながら歌うのに俺は鳥肌がたちだした。
俺「ジジイ!」
話しかけても歌を途中で止めることはなかった。何度しても曲の途中で止めなかった。
52:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:42:36.34 ID: 7Zkx0ptA.net
良いねー面白い
53:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:44:27.85 ID: y+NcPp2n.net
ジャラン…
ジジイ「なんや?うっさいのお…」
この曲の全てが知りたかった。訳の分からないことを歌っているはずなのにカッコいいだなんて今まで聞いたこと無かったからだ。
俺「なんや?今の曲?なんてタイトル?」
ジジイ「これか…これはなあデスレターっちゅうんや」
俺「デスレター?」
聞いたことも無かったし見たこともなかった。
俺「作者は?」
ジジイは既にまたチューニングしていた。それから少し音を替えてまたひきだした。今度は知ってる曲だった。
54:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:49:37.31 ID: y+NcPp2n.net
俺「…スタンド・バイ・ミー?」
ジジイは結構大きな、でも優しい声でスタンド・バイ・ミーを歌い上げた。
すると会社員一人が金を落としていった。(確か会社員。記憶曖昧w)
ジジイ「…っし、仕事や」
ジジイはそれからずっと歌ってた。俺は途中で飯を食べにスーパーに買い物行ったりしてたがジジイはびくとも動かなかった。
ちょこちょこお金が増えていく。曲は知らないものから知ってたものまで色々あったが全てが洋楽だった。
55:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:52:34.83 ID: y+NcPp2n.net
夕方になってもジジイは歌った。俺はそろそろ帰らないとまずいかなと思い出したときだった。
ジジイ「お前そろそろ帰れや」
まずい!顔にでたか?と内心焦った。でもそんな焦りとは真逆だった。
ジジイ「お前にやる焼き鳥はねえんじゃ」
そんなことかい。焦って損したわ。
俺「へー。帰りまーす」
すると後ろからジジイがボソッと呟いた。
ジジイ「…また明日来いや」
58:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)22:59:03.66 ID: ZKv06bHc.net
おもしろい
60:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:03:58.75 ID: y+NcPp2n.net
その次の日にも行った。またいた。
ジジイ「よおーきよったのお」
また前日と同じような日になった。三時間キーを単音で押さえるだけ。その日はちょっとリズムがついたが。
それから駅に行ってまたご飯の品目を言って歌い出す。最初に夜何を食べるのかを決めて歌うのだという。1日2食しか食べないとしってなんで死なないんだこのジジイと思った。
それからこんな変なジジイとのギター練習が始まった。
学校がある日はダッシュで駅を出てチラッとジジイを見てうなずく。ジジイはにやっと笑ってまたギターを弾く。これが今日は行くの合図だ。
といってもほぼ毎日行っていたんだがwww
61:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:04:56.65 ID: 7Zkx0ptA.net
62:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:08:19.19 ID: y+NcPp2n.net
ジジイが夕方少し早めに弾き語りを止めて小屋に帰った。それからは親や姉貴を心配させないために1時間半しかジジイに会えなかった。
ジジイはなんら嫌そうな顔せずにギターを教えてくれた。俺も一時間半しかないから真面目に練習した。
ジジイがしっかり褒めてくれてたからだ。間違っても
「あーそうじゃあねえな。こうだ」ってな感じで全然厳しくなかった。それでもサボらず練習した。
一軒家だったから音を小さめに家でも練習した。姉貴からは案外感心された。なぜかは知らない。
63:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:09:57.43 ID: S7rApHjD.net
そんなに頻繁にホームレスに接触してたら、誰かに見られて何か言われそうだがな
64:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:12:50.12 ID: y+NcPp2n.net
俺は覚えが悪くて何回もイライラした。それでもジジイは笑うばっかりだった。
ジジイは駅でかなり上手いギターを弾く。俺はそれをしっかり見ていたんだがな…
運指が速すぎて見えないんだなw初心者にあれは無理だわw
それから1ヶ月が過ぎた。やっとこさキーをマスターした。どこがどの音ってのを完全に覚えた。
俺「よっしゃあ!」
ホントに声が出た。ジジイからテストを受けてそれに全てオーケーをもらったのだ
65:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:15:53.54 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「はっはあ!覚えたなあ!」
そうやって肩をバンバン叩かれた。少し痛かったけど嬉しくてそれどこじゃなかった。
ジジイ「それじゃあ次は曲に行くかあ」
俺「ホントかよ!?」
嬉しくて大声を出した。
ジジイ「バカッうるせえ。たまたま近くに家がねえからって人がいるかもだろ」
俺「す、すまね…」
ジジイ「…スモーク・オン・ザ・ウォーターや」
俺「は?」
67:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:17:53.31 ID: ZKv06bHc.net
ディープの名曲
66:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:16:20.15 ID: k0OHj0bt.net
大事なのはいかに音楽が好きで、その気持ちを維持する事心折れずに練習する事だよねー
テクニックなんて後で嫌でもついてくるからさー
68:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:18:12.16 ID: ZKv06bHc.net
アコギ始めて一ヶ月で既に折れそうな自分に一言
69:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:20:07.26 ID: 3RXJbbFj.net
期待
70:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:20:35.25 ID: y+NcPp2n.net
全くもって騙されたと思った。俺が弾きたいのはヒア・カムズ・ザ・サンだ。ビートルズに取りかかれると思っていたのだ。
その怒りを察したのかジジイはやれやれと言った顔でギターを取った。
ジジイ「こういうのをロックっていうんや」
ジャッジャッジャー
あ、知ってる。聞いたことある。簡単そうだな…でもなんでこれがロックなのか?それが分からなかった。
ジジイ「…とりあえず本家聞いてみい」
そういって俺の授業ノートをひったくって
"Deep Purple smoke on the water"
と殴りかいた。
71:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:23:55.91 ID: y+NcPp2n.net
ジジイ「…聞いてみい」
その日はそれだけだった。家に帰って親父にテキトーに言い訳したあと聞いてみた。
俺「なあ親父」
親父「ん?」
俺「親父ってロック聞く?」
親父「有名どこだけな。俺はフォークのファンだからな」
俺はノートをこっそり取り出して聞いてみた。
俺「スモーク・オン・ザ・ウォーター?ってやつなんだけどある?」
親父は驚いた顔で椅子から立ち上がって笑った。
親父「お前もそんなん聞きたいのか」
72:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:27:52.45 ID: y+NcPp2n.net
親父は和室に行って俺を手招きした。そこは立ち入り禁止の場所でこっそり入るとよく親父に怒られた場所だった。
そこにあったのはレコードプレイヤー。なんでレコードで聞くか分からなかった。
俺「俺の部屋にCDプレイヤーあるが?」
親父「バカ。それじゃダメだ。ダメなんだよ」
と無理矢理レコードで聞かされた。俺が始めて聞いたハードロックとなった。
「Deep Purple - Made in Japan」というアルバムだった。ライブ盤で今でも愛聴盤だ。
73:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:32:46.02 ID: y+NcPp2n.net
衝撃だった。全ての曲が俺を揺らした。誇大じゃなくてホントに。声がでないの。
そんときホントの感動を知ったんだよね。それでホントに決めたの。ギターが弾けるようになりたいって。
それから3年生になった。始業式の時の安全訓話で冷や汗が流れた。
ホームレスと遊んだり関わるのは止めましょう。
ホントに俺はガキだった。ここで言うこと聞いたらロックじゃねえぜ!って思ったんだよな。まあ焦ったのは間違いないが。
教室ではありえないだとか気持ち悪いとか騒いでたけど俺は
ああ…こいつらはホントのロックを知らない。悲しすぎるぜ。とか自分に酔ってたわwww
74:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:33:42.83 ID: y+NcPp2n.net
いちおー今日はここまで。
質問あればどうぞ。読んでくれてる人ありがと!
80:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:55:06.26 ID: k0OHj0bt.net
>>74
乙。続き楽しみにしてるわ
81:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:04:08.70 ID: 9w9GWN2d.net
>>74
乙
続き待ってる
ついでに今も弾いてるのかと得意曲あれば教えてw
84:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:11:39.90 ID: qljtUMUh.net
>>81
今も弾いてます。今はブラックモアズ・ナイト良くしますね
75:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:36:41.57 ID: F8hFG9+G.net
続きがあるのか楽しみだ
78:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:46:51.36 ID: De8KkxI5.net
自分もCD屋のあんちゃんにギター教わったことある。
店長に見つかって即終了したけど。
営業時間はさすがにね…。
79:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/21(月)23:50:31.26 ID: N7rsENaJ.net
面白い
続き楽しみにしてるわ
83:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:06:07.72 ID: synevQhw.net
ええな
85:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:12:40.04 ID: gsCv2CEB.net
なにこれおもろい
86:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:15:26.56 ID: zWCfUUJq.net
高崎晃は好きですか?
87:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:20:52.31 ID: qljtUMUh.net
>>86
俺はラウドネスよりアースシェイカー聞いてまして…すいません
88:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:27:32.84 ID: zWCfUUJq.net
>>87
アースも良かったよねー
俺はラウド→インギーにいっちまった異端だったわ
89:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:35:15.47 ID: zmXhE5NC.net
今いくつ?
90:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:37:39.56 ID: qljtUMUh.net
>>89
今は27です。とうとうジミやカート、ジャニスの年になっちゃいました
96:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/22(火)06:34:17.52 ID: zWCfUUJq.net
>>90
45歳位を想像してたからイメージと違いすぎた
面白いから書き上げてねー
91:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)00:55:26.17 ID: 8Uj+txlW.net
つづきたのしみにしてるぞー
92:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)01:56:21.43 ID: JVIhrKbE.net
26歳だけど今からギターってできんのかね
93:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)01:58:36.23 ID: A0v01lms.net
>>92
何歳からでも根気さえあればできるよ
97:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)06:51:13.14 ID: w6J00bmz.net
続きに期待
101:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:12:47.67 ID: tMCXEyBn.net
まずもって一軒家以外で
自宅でギターなんか練習できねぇよな
防音革命でも起きねぇかな
102:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:15:44.11 ID: z028FGmR.net
移動先で待ちぼうけ食らわせられてるのでケータイから少し更新
103:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:18:39.28 ID: ZYvfAS+5.net
楽器はイイね、生涯の楽しみになるもんね
104:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:18:48.62 ID: z028FGmR.net
俺はそれからもジジイとこに通った。中三という受験シーズンになっても変わりはなかった。いつものようにダッシュで家に帰ってギターを取ってこそっと駅に戻る。
ジジイはまた早めに切り上げて小屋にもどる。そしてスモーク・オン・ザ・ウォーターを聞いたことを伝えると
ジジイ「そうかそうか!」と笑ってギターを練習することになったのだ。
リフ自体は簡単だった。弾けるのに2日はかからなかった。でもその時に始めてアップピッキングというのを知った。
105:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:20:54.08 ID: B+eXy9I+.net
おっ、再開した
106:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:22:18.89 ID: z028FGmR.net
ジジイ「この曲のリフはな、アップピッキングなんや」
ジジイはそういってギターを爪弾く。俺はただ見よう見まねで言うとおりに弾く。曲になっていったのが楽しくてたまらなかった。
いつものようにキーを押さえたあとにスモーク・オン・ザ・ウォーターを弾く。それだけの変化で一時間半という時間が永遠のように感じたんだよ。
ジジイは上手い上手いと俺を励ましてリフを弾く。それからは曲のAメロからサビまで全部教えてくれた。
俺はこの時Fというかパワーコードすら押さえられなかったけどジジイはコツを教えてくれた。
107:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:25:24.80 ID: z028FGmR.net
ジジイ「パワーコードはな親指でEを押さえるとしやすいで?」
俺はこれで練習したせいでFは握りこんで弾くようになってしまったんだがw
でも確かに弾きやすかった。というより刷り込みだったんだろう。
真面目に練習すればソロ以外は1ヶ月程度だった。
でもある時だった。予想外に多くの金を手に入れたジジイはニコニコしながらある買い物をした。
108:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:30:01.38 ID: z028FGmR.net
俺「何を買ったんじゃ?」
ジジイ「2ヶ月に1回の楽しみじゃ」
そういって買ったのはタバコだった。今でも覚えてるというか俺が今でも吸うきっかけになった。アメスピだった。
俺「ジジイはマイセンやろw」
ジジイは凄く幸せそうな顔をしてタバコを吸った。
小屋に戻った時にジジイがトイレで席を外した。その時ふっとジジイのギターが気になった。
109:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:33:40.33 ID: z028FGmR.net
ものすごい良い音がするしカッコよかったからちょっとした好奇心でそれを弾いた。
俺「意外と弾きにくいなあ…」
そしたらジジイはいきなり戸を開け今まで聞いたことの無い大きな声で
ジジイ「そのギターに触るんじゃない!!」と怒鳴った。俺はマジで焦ってこそこそと返した。
俺「ご、ごめん…」
ジジイ「…また明日来いや。今日はもうしけたわ」
この時が最初で最後のジジイのぶちギレだった。ホントに怖かった。見た目からは想像もつかないドスの聞いた声だった。
110:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:38:14.06 ID: z028FGmR.net
その日は半泣きで帰って家でちょこっと練習して寝た。
でも次の日行ってみるとまたジジイはけろっと笑って演奏を止めた。俺はホントに昨日のジジイか?と内心疑問だった。
スモーク・オン・ザ・ウォーターがソロ以外は完璧に弾けるようになったときに1つの思いがけない事がおこった。
中三の五月。その日は1日休みでまたジジイに教わって駅に向かったときの事だった。
111:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:41:20.77 ID: z028FGmR.net
ジジイが弾くいつもの場所に既に先客がいた。弾き語りの先客だった。
ジジイ「はー…珍しいこともあるんじゃなあ」
そこにいたのは黒髪が長く凄く美人、というより超俺好みの女性だった。正直一目惚れだった。
しかし変な点が1つあった。その美貌からかかなりのお金が落としてあったが小銭が投げられたときは深々と頭を下げるのにお札が入れられたときには普通に弾くのだった。
112:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:46:22.73 ID: z028FGmR.net
そんな変な違和感をうっすら感じているとジジイがスタスタ近付いていった。内心全く準備が出来てなくて慌てて追った。
ジジイ「嬢ちゃん、ギター上手いな」
とジジイはいきなり女性の横にドカッと座る。因みにその女性は折り畳み椅子に座ってた。
女性は横を向いてちょっとニコッとして
「もしかしていつもここで弾いてる人ですか?」と聞いた。
ジジイは腕を組んで絶世のドヤ顔で「いかにも!」と言った。ホントに吹き出しそうだった。
113:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:58:10.51 ID: 8JUj53kS.net
すると女性が演奏を止めてジジイの方を向き満面の笑みで言った。
女性「私あなたに憧れてここで弾くことにしたんです!」
憧れ?ちょっと待てよwジジイに?俺はジジイがギターと歌が上手かったから興味を持ったんであって憧れとかはそんなに無かった。うっそだろwとか思ってたらジジイもウソでしょ?みたいな顔してた。
この光景うまく描写したいんだけどねwホントにシュールだったからwww
女性は尚も続けた。
114:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)09:58:25.38 ID: ZwvQGYAL.net
面白い! ライブインジャパン俺も聞いたわ~、35年ぐらい前にw
115:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:04:17.74 ID: 8JUj53kS.net
女性「いつもサンハウスとかジョン・リー・フッカーとかしてますよね!私好きなんです!」
俺にはジジイがやってた曲の作者なんて知らなかったがこの女性の趣味が相当渋いのが手に取るように分かった。
女性「私もやろうとするけど出来なくて…」
ジジイは驚いた顔を一瞬だけしてまた笑って女性の肩を叩いた。
ジジイ「なんも心配することないさ。嬢ちゃんだって弾けるぞ?」
女性は唐突にジジイに私の演奏を聞いてくれと言った。ジジイは何かはっとした顔をしてまた笑っていいぞと言った。
116:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:08:22.26 ID: 8JUj53kS.net
女性はアコギをチューニングしてセットした。よく見れば彼女は左利きだった。そういえばこの頃俺は既にチューナー無しでチューニング出来るようになっていた。というかさせられていた。
女性「じゃあ」とだけ言って演奏に入った。ものすごく上手い。ジジイとは違うけれど上手い。どこか優しげな音色が連弾で爪弾かれる。
ジジイはにやっとしてタバコを手に取りまた黙って演奏を聞いた。
一方の俺は「え?歌は?」みたいな感じでヤムチャ目線で曲を聞いてた。
117:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:11:59.39 ID: 8JUj53kS.net
ほんの2分程度で演奏は終わった。俺には感動しかなかった。ジジイは大きく煙を吐き出すとにやついて
ジジイ「リトル・マーサか。嬢ちゃん渋いね」と笑った。その演奏にまた誰かが小銭を投げる。女性はすっとうなずいた。
ジジイはふっと悲しい顔をして溜め息をついた。
ジジイ「嬢ちゃん今まで大変だったろう?いくつよ」
118:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:15:26.67 ID: xhZ+LYmS.net
俺はこの曲が弾けるようになるまで苦労したことかと思った。女性は笑って呟いた。
女性「ばれちゃいましたか…」
俺はすっとジジイの横にいって「何がばれたって?」と聞いた。ジジイは真剣な顔で俺の耳元で言った。
ジジイ「この嬢ちゃん"めくら"だよ」
119:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:16:22.65 ID: 8JUj53kS.net
とりあえずここまでで。仕事行ってきまーす
120:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:19:44.02 ID: MYnw+ok3.net
面白い
121:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)10:39:56.69 ID: zmXhE5NC.net
そのジジイは今なにしてんだよ
122:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:23:22.47 ID: Bv6DQeVD.net
ギター弾いてたからこーゆーのは面白い
123:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:40:01.75 ID: ZYvfAS+5.net
引き続きたのむ
124:1@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:48:54.63 ID: RX9aDtEW.net
面白い。46歳ベース始めたいんだが、姉ちゃんかしてくるない?
125:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:52:10.33 ID: Vy+aWIQ1.net
>>124
どこの1だよ
126:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:59:01.00 ID: yc4rQUe1.net
色々とすごいじいちゃんだな
また帰りにここ開くの楽しみにしてるわ
127:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)11:59:13.92 ID: lPTF/dIg.net
信じないだろうけどさ
初期頃のL'Arcメンバーだった者だけど感動したよこのスレに
ありがとう
129:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:27:35.11 ID: OIwIONzt.net
不思議なおもしろさについつい引き込まれたよ
続きに期待してる
130:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:32:10.25 ID: 9qi6Ic4s.net
じじいと嬢ちゃんは誰似?
137:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:12:18.75 ID: qljtUMUh.net
>>130
どちらかというとホントのサンハウスみたいな感じです。
さん
女性は私感で堀北真希さんの全盛期をもちっとクールにした感じです
131:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:35:11.97 ID: 1OVQigCW.net
ミッキー・カーチスをさらに小汚なくした感じを勝手にイメージしてるんだけど
132:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)12:39:11.78 ID: Vy+aWIQ1.net
>>131
ミッキーが小汚ない前提でワロタ
133:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)13:01:13.45 ID: qBF8FKiw.net
>>131
俺もそのイメージだった
136:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:07:55.26 ID: jCbDd77T.net
泉谷しげるのイメージだった…
138:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:16:44.54 ID: qljtUMUh.net
めくら。この言葉の意味は中学生でも分かった。盲目の人だった。女性は目を開いてるのに見えないってのでちょっと絶望した。
でも瞬時に尊敬の念が出てきた。なんで目が見えないのに弾けるんだ?まさか音だけ!?ってな感じで。
女性「私は○○五十鈴。五に十に鈴で五十鈴です」
いきなりの自己紹介にもジジイは動じなかった。
ジジイ「ジジイや。68やで」
139:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:20:39.90 ID: qljtUMUh.net
女性が年を言わざるを言えない状況にするあたりホントにデリカシーないと思った。女性は気にせずニコッとして「17です」と語った。
俺「姉貴と同い年やん…」
思わず言葉が出てしまった。女性はきょとんとして「そちらに誰か?」と聞いた。慌てて返事を返す。
俺「俺っていいます。中学生です」
女性「そう。俺君。お孫さん?」
いやー…といってジジイとクスッと笑った。
俺「俺はジジイにギターを教わってる立場です」
140:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:25:31.92 ID: qljtUMUh.net
すると女性は驚いた顔をして俺の手を取ろうとした。
女性「ズルいです!私も教えてほしいです!」
ジジイはカッカッカッと笑って女性の肩を叩いた。
ジジイ「よっしゃ!嬢ちゃん何が弾きたい?教えてやるぞ?」
女性は大きな声で「プリーチング・ザ・ブルース」と言った。
俺は盲目の彼女に恋をした。
141:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:32:23.22 ID: qljtUMUh.net
その日は俺だけ彼女の連絡先を手に入れみんな解散した。彼女は事情が事情だし週末の2日だけジジイに会いに来ることになった。
週末に予定を入れるきはさらさら起きなかった。親父が飯食べに行こうといっても断った。彼女に会えたらそれでよかった。でも1回もつ鍋に連れていくと言われた時はむちゃくちゃ考えた。
ジジイは俺に課題を出すようになった。コードを覚えろということだった。正直キーが分かっていて教則本を見ればすぐだった。
彼女にはボトルネックの扱いを1から教えてた。彼女は覚えがいいのかものすごく上手だった。それに歌も優しくキレイだった。
142:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:37:15.31 ID: qljtUMUh.net
彼女は良く「リトル・ウィング」を弾いた。良く考えれば17にして弾ける人間は今からしたらそうはいない。上手いのも当然だった。
それに耳が良かった。俺のギターが少しでもチューニングが狂えば教えてくれた。3人ともチューナーなんて使わなかったw
いつものサイクルに彼女が加わった。俺は色んな意味でハッピーだった。何回も彼女で抜いた。失礼なことに盲目というのも興奮してた。中学生なんで許してくれやw
143:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:41:30.00 ID: A0v01lms.net
青春だなー
144:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:41:30.85 ID: qljtUMUh.net
俺は彼女とよく話した。彼女もよく話してくれた。音楽に関してはジジイと彼女で語り合って蚊帳の外だった。
だから恥を承知で彼女に聞きまくった。どんな音楽が好き?カッコいいのを教えて下さい。
彼女は聞いた翌日にCDを持ってきた。
五十鈴「はい、これ。これスッゴいカッコいいんだ!今のバンドではこれが好きかな!」
そのCDはホワイト・ストライプスだった。その日から夢中でコピーした。パワーコードに単音リフ。意外と簡単に感じた。
145:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:45:25.67 ID: qljtUMUh.net
中でもブラック・マースという曲は死ぬほど弾いた。ジジイも彼女も凄いと褒めてくれた。
俺は自信がついて色んな曲をコピーした。正直言ってビートルズなんか忘れてたw
ディープ・パープルは難しすぎたけどホワイト・ストライプスとかニルヴァーナだったら簡単に出来た。
ギターを始めて半年と少し。俺のレパートリーは20曲を超えた。
彼女は色々な音楽を教えてくれた。ロックからブルース。ジャズにクラシックまで。しかも即日CDを持ってきてくれた。
146:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:48:29.63 ID: qljtUMUh.net
俺「気になったんですけど」
この口調はいつもジジイに笑われる。ジジイにはため口の癖に女性には敬語ってところが面白かったんだろう。
五十鈴「なあに?」
俺「なんでそんなにすぐに大量のCDを持ってこれるんですか?」
五十鈴「えーとねえ…」悩む姿すら可愛くてしょうがなかった。
五十鈴「そうだ!1回うちにきなよ!」
唐突に。その時ジジイはいなかった。勝手にお家にお呼ばれしてしまったのだ
147:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:52:56.34 ID: qljtUMUh.net
嬉しくて堪らなかった。その日は親父に勉強しろと言われていたけれどそんなの知ったこっちゃ無かった。
いつもの駅で待ち合わせて俺はジジイがつけてないかどうかを調べて出会った。やっぱり駅の階段は危なっかしかった。
通行人は彼女の杖を避けない。気にしない。後に聞いた話だが何回も転ばされたという。
五十鈴「おまたせ!」
俺「う、うす…」
五十鈴「じゃあ私の目になって!」
そういって腕を捕まれた。正直泣きそうだった。彼女の身の上に勝手に同情してた。
148:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)14:59:56.95 ID: qljtUMUh.net
それからその駅に戻って2駅ぐらい進んで降りた。正直自転車でも行けた。
彼女とひたすらに点字ブロックの上を歩いて不意に彼女が止まった。
五十鈴「今右にお店あるよね?」
俺「え、ええ。ありますよ」
五十鈴「そこ!」
そこは小さな古楽器店だった。そこが彼女の家だった。(正確には住む家はもっと駅の手前にあった)
カラン
いらっしゃいと出てきたのは女性だった。彼女の母親兼店長だった。
149:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:06:39.27 ID: qljtUMUh.net
彼女母「あら?その方は?」
説明しようとすると遮られた。
五十鈴「私の目!」
俺は恥ずかしくってちょっとと止めにかかってた。母親はあらあらとにんまりしてたのを覚えている。
店内はやっぱり広くは無かった。楽器だけでなくCDも置いていた。しかも凄い数が仕舞われていた。
俺「すっげー…」
彼女母はふふんと鼻をならした。彼女母は若いときはかなりの美人だったんだろうなあという顔。この母あってこの娘。という感じだった。
150:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:11:57.37 ID: qljtUMUh.net
店にはもう一人いた。彼女の妹だった。彼女の妹はなんと俺と同い年。縁を感じざるを得なかった。
それから夏休みに入った。夏休みになると流石に勉強しなければいけなかったからジジイと彼女に会う時間は減った。
1週間に2日だけ。その時を全力で楽しんだ。
夏休みのある時。
ジジイ「お前の歌な。なんか違和感あるんだよ」
歌は全て耳コピ。英語の意味なんて知らなかった。
五十鈴「私もかんじてました」
151:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:13:04.39 ID: 9qi6Ic4s.net
五十鈴なんて読むの?
152:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:14:12.94 ID: deomKHJx.net
いすずじゃね
154:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:15:08.06 ID: iHhtsGn8.net
漢字も読めないバカがネット使ってると知って
155:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:15:54.51 ID: deomKHJx.net
意外と人いたのな
156:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:16:25.40 ID: qljtUMUh.net
ジジイと彼女は考える…ふりをしてた。
ジジイがわざとらしく手を叩いて言った。
ジジイ「英語だ。こいつは英語喋ってねえんだ」
彼女も大きくうなずいた。正直文法英語は苦手だった。文系な俺は数学は論外だったが英語も少し苦手だった。
俺「あー確かにそうかも。英語苦手じゃけえ」
159:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:21:16.30 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「それじゃあ意味ねえじゃねえかwww」
ジジイはガハハと笑ってまた肩を叩いた。彼女の前でそんな1面見せたくなかったから恥ずかしかった。というより聞かせたくなかっただな。
ジジイ「それじゃあギターはだいぶ出来るようになったけえ英語を教えるか」
俺「は!?なんでここが学校になるんだよ!」
ジジイは手を出して首をゆっくりふった。
ジジイ「俺は学校教育みたいな情けねえ英語は教えねえ。発音と慣用句。これだけで英語は喋れる」
160:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:26:34.74 ID: qljtUMUh.net
ジジイはそう豪語した。彼女はギターをポロンと弾いて
「めくらな私でも日常会話は出来るよ!頑張ろ?」と言ってくれた。この時始めて彼女が英語を喋れることに気付いた。
益々惚れたがジジイも英語を喋れることに驚いた。確かに発音は良かったけどまさか喋れるなんて…
かくして中学生の俺。ホームレスのジジイ。盲目の五十鈴。こんな変な3ピースはギターに打ち込んだのだ。
161:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:27:16.18 ID: qljtUMUh.net
じゃあまた仕事行ってきます。夜には帰れるかと思います。
何か質問あればどうぞ
162:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:29:40.06 ID: ZYvfAS+5.net
続き頼む
164:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:32:26.91 ID: deomKHJx.net
特になし
ただ黙って読んでいたい
165:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:33:43.47 ID: azCbDZVq.net
見てるあんまり聞きすぎるのもあれだから最後でええ
166:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:37:36.67 ID: JbrfIdzN.net
続けてくれればそれだけでいい
167:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:40:27.23 ID: A0v01lms.net
なかなか読ませるね
面白いよ
続き待ってるねー
168:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:43:25.47 ID: +43ywiCE.net
とりあえず黙ってまつ
バイト後の楽しみができた
169:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:44:11.01 ID: qBF8FKiw.net
>>1って歳いってる?
170:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:45:51.37 ID: ZYvfAS+5.net
27って言ってなかたっけ?
171:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:46:38.70 ID: Y7RTPdQR.net
久々に優秀な1がいると聞いて
176:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)15:57:24.20 ID: QCu4hsxU.net
続き楽しみや
ゆっくりでええから最後まで頼むわ
178:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:01:33.11 ID: qljtUMUh.net
そこからは変な日常が始まった。ギターのトレーニングの前に発音の練習からだった。歌詞を見させられジジイと付きっきりで発声。恥ずかしい上に意味不明だった。
でも文法があーだとか単数がーとか全く無かった。ジジイ…発音上手い…何もかもジジイに負けたと思った。
夏休みの間ほとんどそうだった。そして夏休みが明けたとき、俺はこのトレーニングによって新な効果を実感した。
二学期が始まってすぐテストがあった。それなりに勉強してたから大丈夫だろうと思ったけど少し不安だった。
179:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:05:42.29 ID: qljtUMUh.net
でもその時の英語のテストである変化がおきた。俺はリスニングが得意じゃなかった。
英語が分かる!聞き取れる!
自分でも恐ろしく解けた。結局蓋を開ければ学年3位までになっていた。
幸せだった。変な意味でのリア充。それも嬉しかった。人と違うことをしている自分も好きになっていった。
この結果に親父はもちろん姉貴やジジイ、彼女も喜んでくれた。彼女はCDをくれた。クリームという可愛らしいバンドのCDだった。
180:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:10:58.88 ID: qljtUMUh.net
ここでクリームというバンドに出会ったことで俺はブルースの重要性を感じることになるのだがまあ詳しくは書かない。あんまジジイとの関係もないし。
ジジイはある時歌う場所を変えると言い出した。俺にはなぜか分からなかったが多分警察がチラチラうろついていたからだろう。彼女もそれに応じて歌う場所を変えた。
それは山の麓の公園。
ジジイは嘆きながら
「駅前のほうがもうかるんだがな…」と呟いた。
山までの彼女の行き道は俺が自転車で二人乗りすることになった。
181:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:44.80 ID: ZYvfAS+5.net
それから?
182:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:51.29 ID: qljtUMUh.net
年が明けた。ジジイは結局一年間以上も俺にギターを教えてくれた。俺はあんまり上手くはならなかったが。
年明けすぐにジジイに会ったときこんなことを言い出した。
ジジイ「…俺はな。ホントは長居するつもりなんて無かったんじゃ」
俺「は?じゃあどがんするつもりやったんじゃ?」
ジジイ「旅から旅の根なし草。俺はずっとそうしてきた」
そう言われてあることが俺の脳裏をよぎった。そのまま伝える。
183:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:13:59.09 ID: 9QOvDe0b.net
待ってた!
こういう趣味合う人少ないから同い年と知って凄く嬉しいな
185:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:16:56.20 ID: qljtUMUh.net
俺「…その前はなんしよったんじゃ」
ジジイ「その前って…ホームレスに旅人になる前っちゅうこと?」
旅人なんざカッコつけやがってw笑ってしまうぜw
俺「そうじゃ。なんかしよったんじゃら?」
ジジイは頭をポリポリ掻いて口を濁した。そんなジジイは珍しかった。というより一年間も一緒にいたがジジイの身の上話は全然してこなかったんだよ。
ジジイに興味が無かったわけじゃない。でもそれ以上にジジイから学ぶことが多かったんだ。
186:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:19:48.60 ID: qljtUMUh.net
でも今度こそはジジイを吐かせたかった。このままじゃいつか壁になる。中学生なりに必死に考えた末だった。
俺「はっきしせえ」
ジジイ「あー!分かった!話す!こっちきい!」
いつもの小屋に行くと思えば全く別の方向に歩き出した。
俺「ちょお!どこいくんじゃ」
ジジイ「…黙ってついてこい!」
187:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:22:46.32 ID: qljtUMUh.net
ジジイは悲しそうでもあり嬉しそうでもある何とも言えない表情で俺を連れる。
ジジイ「…お前、金あるか?」
俺「ジジイよりはあるわい」
ジジイ「ぬかせw」
ジジイと俺はひたすら歩いた。彼女はそこにはいない。連れていくと言えば今日は誘うなと言われた。
着いたのは市の外れの銭湯だった。小さな銭湯だが意外と新しかった。
ジジイ「…腹割って話そうや」
その時のジジイはいつもより数段若く見えた。
188:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:26:18.05 ID: qljtUMUh.net
銭湯に入って身体を洗う。ジジイはにかっと笑ってジジイの背中を指差した。
ジジイ「お前、身体あらっちくれい」
俺「はあ!?嫌じゃ!」
ジジイ「ええから。損はねえぞ?」
俺「損しかないわいw」
そう言い合いながらも結局二人して洗った。親父以外と風呂に入るなんて始めてだった。中学の修学旅行は風邪で休んだしな。
ややあって湯船に二人で入る。客は他に誰もいなかった。
189:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:30:02.38 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「で?何から聞きたい?」
珍しくジジイからの質問。いや下らない質問は嵐のように受けたけど…
俺は経歴を追うことにした。
俺「生まれは?」
ジジイ「満州じゃ」
俺「は?」
ジジイは戦前の満州で生まれたらしい。戦争中に日本に来たという。
ジジイ「だからって俺は支那人でもねえぞ?根っからの日本人や」
ジジイはいつものおしゃべりになったがどこか面持ちが違った。ああこれは裸のマジの付き合いなんだなとガキながらに感じた。
190:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:34:37.02 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「頑張って大学まで行った。何回も死んだがましかと思ったが人生は楽しかった」
もはや質問はいらない。俺は黙って粛々と聞いた。
ジジイ「卒業して就職した。国鉄に入った。日本の立ち直りを支える誇りを感じながら仕事をしちょった」
ジジイ「その時くらいやな。日本に海賊レコード言うてな?アメリカのが入ってくんねん」
ジジイ「俺は音楽が好きじゃったけえしっかり買った。それにはアメリカの最新の音楽がつまっちょった」
191:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:35:33.01 ID: lPTF/dIg.net
VIP+はこういう良スレが出るのが好き
エロ目的の違反者どもも見習えよ
193:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:38:34.05 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「あの子がお前に持ってきたこともあるやつや」
あの子は五十鈴を指していた。その時ロックの歴史ってことで色々借りたのを思い出した。
ジジイ「俺はチャック・ベリーに心をうたれた。感動した。俺はこういうのをやらないかんち思うた」
ジジイ「しかしなあ、ギター揃えていざっゆうてもな海賊レコードはな、音質が悪すぎるんや」
ジジイ「ザッザッ言うしな?それで最初は諦めた。お前とおんなじや」
そういってにっこり笑った。
194:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:42:58.86 ID: qljtUMUh.net
ジジイ「俺はお前よりもっとひどいぞ?それから3年もギターには触れんかった」
意外だった。ギターが大好きだと言っていたジジイの話とは思えなかった。
ジジイ「しかしなあ、昭和の40に入るとな、周りにちょこちょこギターをするやつが出てきた」
ジジイ「その時に俺の嫌いな同僚がギターをこうたっち聞いた。これはやるしかないと思った」
なんか…ほとんど俺と同じきっかけな気がするんだが?言いたくてしょうがなかったがまだこらえた。
195:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:44:25.35 ID: qljtUMUh.net
すいません、明日早いのでもう寝ます。読んでくれてるかたありがとうございます!
196:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)20:47:29.47 ID: qBF8FKiw.net
続き待ってる!おやすみ!
197:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)21:14:17.62 ID: A0v01lms.net
明日も楽しみにしてるよー
おやすみー
198:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)21:17:32.54 ID: a9Ww87Zn.net
支援
199:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)21:21:03.79 ID: ZYvfAS+5.net
乙、楽しみに待ってます
200:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)22:16:59.63 ID: gjMSmHif.net
乙乙!
明日も楽しみにしてる!
201:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/22(火)22:24:46.49 ID: tIEaXPE0.net
ゆっくりでいーよー。おやすみなさい
227:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/23(水)23:06:48.62 ID: GxcpOP6R.net
ギターを始めたての頃を思い出して目頭が熱くなった
233:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:09:28.50 ID: DX2dcY/Q.net
ただいま!俺には勤労感謝の日なんて無かったんよ…
再開します
234:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:13:14.69 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「やっぱり弾けね。絶対ひけないと思った」
ジジイ「それでもしっかり練習した。1日仕事以外はギターにぎっとったわ」
このジジイが真面目に練習?それだけで俺には不思議な感覚だった。
ジジイ「それでなある時レコードと同じように弾ける俺がいた」
235:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:13:47.97 ID: 1RvW5bIb.net
仕事お疲れ
そしてお帰り
待ってたわ
236:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:15:02.75 ID: fJ2b19gn.net
イッチお疲れ様
237:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:18:29.20 ID: rsaFjO/f.net
お疲れ様ですーボチボチ続けてね
238:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:21:46.57 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「といっても原曲の早さはすごかった。チャック・ベリーは意外とはやびきだぞ?」
またそしてにやっとした。仕事以外って国鉄って忙しいんじゃねえの?ガキの俺にはぼやっとした思いしかなかった。
ジジイ「それからちょっとして海外出張があった。行き先はイギリスだった」
俺の脳裏に不意によぎったあるバンド…
俺「ちょっと!それ何時の話?」
ジジイは笑って言った。
ジジイ「昭和36の冬から37の春。西暦は…」
ジジイ「1961年から1962年やな」
240:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:26:24.74 ID: DX2dcY/Q.net
俺「もしかして見たんか?」
ジジイは顔をゴシゴシ。話をじらすな!
ジジイ「見たさ。ビートルズにたまたま来てたマディも見たさ」
マディ?そんなのは知らなかった。ビートルズを見たという衝撃。しかもデビュー前だと…?
マディとはマディ・ウォーターズのことでこの話を後に五十鈴にするとそっちの方を羨ましがっていた。
241:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:30:07.43 ID: DX2dcY/Q.net
俺「どのくらい!?」
ジジイは溜め息をもらして呟いた。
ジジイ「わりいな。ビートルズはあんまり面白く無かったんじゃ」
俺「は!?」
ジジイ「ギターは下手くそだし歌も下手。曲作りも単純でバカみたいな英語ばかり。ホントにイギリス人か疑ったよ」
ここまでビートルズをこき下ろした人間は後にも先にもジジイ以外見たこと無い。あ、2chではチラホラいたかもw
ジジイ「俺はマディやチャックに憧れたしイギリスでブルースを知った。出張から帰って来たら必死に耳に残った、目に焼き付いたフレーズを練習したさ」
242:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:30:56.83 ID: dmT+I6ej.net
ワロタ
243:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:33:57.33 ID: X9DYcUBc.net
ロックってギターがヘタとか歌がヘタとか関係ねえだろ…
ビートルズやローリングストーンズはここまで売れたのに
244:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:34:00.53 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「そうすると意外と弾けてた。上手くなるのが実感出来てた」
ジジイ「そうすると知りたくなるのがチャックやマディは何を元に弾いてきたのか」
ジジイ「そもそものルーツはなんだか知りたくなったんじゃ」
ジジイの指がチラッと映る。切れてるのか指の色が変色していた。
ジジイ「それから少しして俺は見合いをした。それで結婚した」
245:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:39:53.86 ID: DX2dcY/Q.net
俺「あれ?ジジイ奥さんいたんか?」
ジジイ「ああ、俺にはもったいないくらいの嫁がな」
なんで嫁がいるのにホームレス?あっ…
ジジイ「その嫁は"よしの"といった。俺より3つ上でいい女だった」
247:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:43:04.30 ID: dmT+I6ej.net
色々あったんやろな…爺さんも
248:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:44:13.77 ID: DX2dcY/Q.net
1つのギターが頭に浮かぶ。そうか、あのギターはそういうことか。
ジジイ「よしのは俺のギターをよく褒めてくれた。俺はもう30になろうとしていた」
徐々にジジイの目が潤む。俺は気付いてないふりをする。
ジジイ「会社でも出世した俺が30だったか?確か課長になったはずだ」
今考えれば国鉄の課長に30でなれるなんて化け物だよなw苦労したと今なら分かる。
249:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:47:36.60 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「俺が出世した辺りで音楽雑誌にあるバンドが載った」
ジジイ「俺はその時流行ってたビートルズは余り興味無かったがベンチャーズは好きだった」
ジジイ「俺は基本的に技術力があるやつが好きじゃけえなw」
ジジイは大笑い。そうだったんだと言って俺も少し笑った。
ジジイ「クリームだった。最初はふざけた名前だなと気にもとめてなかったんだがな」
250:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:51:28.77 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「そしたらロック好きの部下がな、持ってきやがった」
ジジイ「1日だけ借りて聞いてみた。俺は分かったんだな。ブルースの大切さをな」
ブルース。ジジイがしてた音楽はそういうのか。五十鈴も時々ジジイのブルースは本物だと言っていた。ブルースの本物?意味が分からなくて気にもしてなかった。
ジジイ「益々ルーツを探した。30過ぎてバカやったさwww」
大きく笑うが目は真剣な目付きだったのを覚えている。俺はジジイにとってブルースはとても重要なものと察した。
251:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:55:42.03 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「するとな、海賊レコードの主人がやってくれたさ!ブルースを見つけてくれた」
ジジイ「主人はアメリカから来たといった。見つけるのに苦労かけたわw」
ジジイ「俺の初めてのブルースはサンハウスじゃ」
今なら分かる。ジジイは永遠にサンハウスの背中を追い続けたんだ。だってリゾネーターなんて使わねえよな?
ジジイ「よしのもカッコいいですねと言いやがる。男だったら女の為にギターを弾くもんじゃろ!?」
252:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)01:59:39.99 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「家ではギターばっか触ってたな。34にもなると子供が出来た。一人息子。子供はそれだけ」
子供もいたのか…尚更何してんだよ…
ジジイ「俺はあの時代を生きて幸せじゃった。それから色んなバンドが出た。ほとんど海賊を買うてな?音質がわりいわりい」
ジジイ「それでもブルースの影響を受けてるやつは片っ端から聞いた。フリーなんて死ぬほど聞いた」
ジジイ「いつか部下が話したことだがクラプトンやジョン・レノンは課長より年下ですよ?ってのはショックだったわ」
253:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:03:27.58 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「まあそれでもエレキは弾く気にならんかったわ。まあアコギは一人で出きるしな」
ジジイ「ある時よしのがプレゼントをくれた。今でも覚えてるわ」
ジジイ「38の誕生日。ギターをくれた。今も使ってるあいつだ」
あれそんなに古いのだったのかよ!?俺はびっくりたまげてたわ。
ジジイ「内緒でよしのなんて名前をつけた。ばれてたまるかい、恥ずかしいw」
笑ってはいるがとても嬉しく誇りにしているのが伝わる。俺のギターもそうなれば…そんなことを思った。
254:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:04:53.57 ID: dmT+I6ej.net
エエ話やね
256:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:07:11.28 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「そこでな?不思議な縁でな。大学の教授やっちくれいって誘いがあった」
ジジイ「俺が?なんて思ったさ。まあ面白そうじゃ、受ける。2つ返事じゃ」
今の感覚ではこのジジイねらーかよw何の縁でそうなんだよとか思ってた。
ジジイ「そして※※大学に行った。まあ母校だったしな」
あれ?どこかで聞いたことがあると思った。親父の母校だった。
257:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:08:04.23 ID: DX2dcY/Q.net
すまん眠気限界。明日書く。おやすみ皆さん。(-.-)Zzz・・・・
258:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:08:37.86 ID: DX2dcY/Q.net
それと名前欄変えた方がいいんですかね?変えた方がいいのなら変えまーす
264:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)05:56:38.99 ID: RdT+CxZN.net
>>258
1になりすましてイタズラされることもあるから酉だけでもつけてみたらいかがか?
お疲れさん続き楽しみにしてるよー
259:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:10:04.89 ID: 1RvW5bIb.net
変えたほうがいいよ
チャックベリーに
260:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:12:15.97 ID: dmT+I6ej.net
好きなようにしたらいいと思うよ
ただこの手のスレは偽者出てきたりするからねー
お疲れ様でした♪おやすみなさい
261:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)02:19:33.80 ID: kqhUnnSp.net
支援
263:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)03:37:15.75 ID: 6HVqq74V.net
いつの間に!!
ますます面白い
明日も楽しみにしてる
268:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:09:45.85 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「それで40で母校の先生じゃ」
ジジイ「そうやな、今から30年くらい前じゃ」
ジジイは懐かしそうに語る。
ジジイ「そこのアコースティックギター部の顧問もした。あんま教えられんかったが」
ジジイが他に教えてる人間がいたのか…そもそも大学の客員とはいえ教授なんだからあんだけ教えるのが上手かったのかと納得した。
269:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:11:23.24 ID: 6HVqq74V.net
ギター!!!
じゃなくて、キターーーーーー!!!
270:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:11:54.32 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「お前1つ勘違いしとるぞ?」
ジジイはにやっと俺を見る。
俺「何がじゃ?」
ジジイ「俺は昔は厳しかったんだぞ?めたらめっぽう誉めたりなんざしねえ」
衝撃だったな。これも。あんなに愉快で褒めちぎりのジジイが?厳しかった?ウソにしか聞こえない。
俺「ホントか?それ」
271:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:14:59.41 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「なめられねえよう必死だったからな。大学生だろうと容赦はしなかったぜ?」
俺は口をポカン。
ジジイ「それから少しして、つーても昭和の終わりになった頃かな?」
突然悲しい顔をした。とても、とても胸に来る表情だったのを覚えている。
ジジイ「息子が死んだ。単に事故だったがな」
272:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:18:06.98 ID: DX2dcY/Q.net
息子さん…死んだのか。俺はまるで身内が死んだかのように心に深い感情を抱いた。
ジジイ「…湯冷めすんな。上がるか」ザバッ
パシッ
俺「…湯冷めでいい。続き。話して下さい」
これが俺のジジイに対しての最初で最後の敬語だ。ジジイは驚いていたがまたすぐに笑って
ジジイ「風邪引いたらお前のせいじゃけえな」
とまた湯船に浸かった。
273:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:21:19.60 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「息子は12で死んだ。西暦だと…1982年だな」
ジジイ「あの時はよおく覚えてるわ。マイケルジャクソンがスリラーを出したんじゃ」
いきなりのことに何のことか分からなかった。マイケルのスリラーは俺でも知っていたが…
ジジイ「連日ゾンビの映画が流れたな。俺はな壊れたかもしれんかった」
ジジイ「…ゾンビでいい。息子を返してくれ。俺もそしてゾンビになるから」
ここはよく覚えている。余りにも悲しく切なかった。俺はもう熱いものをこらえられなかった。
274:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:25:05.25 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイは俺の涙に気付いていたのか気付かなかったか。まあ気付いていただろうな。それでも話を続けた。
ジジイ「酷かったのはよしのだった。あいつは息子の名前をただ呼ぶのみ。見てられなかったわ」
ジジイ「…それでも俺は仕事をした。息子を忘れたかったんだろう」
ジジイ「それからだんだんよしのも立ち直った。戦争後の日本を支えた二人だからな。やわじゃあない」
275:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:30:34.21 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「時代は俺らを置き去りに進んだ。その間も多くの生徒から慕われた。俺は幸せじゃった」
泣き続ける俺。なんてジジイに声をかけよう。そんなこと思えなかった。ただジジイに同情した。
ジジイ「よしのが還暦になった年よしのは病気になった。もう助からん。そう言われた」
俺「…は?」
ジジイ「よしのは余命半年と言われた。今から思えばあの医者はヤブじゃな」
ジジイは笑った。
276:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:30:47.02 ID: ux0mRBOz.net
風呂に入ってるのに湯冷めとはこれいかに
のぼせる って言いたかったのか?
277:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:35:52.85 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「よしのに俺はよくギターを聞かせた。ブルースじゃあねえ。イーグルスとかドゥービーとかだ」
イーグルスもドゥービー(ブラザース)もほとんど知らなかった。
でも今なら…なるたけ明るい、気さくな音楽を届けようとしていたのが伝わる。
ジジイ「あいつはスタンド・バイ・ミーをよく歌えと言った。あげな簡単なやついくらでも聞かすわw」
笑ってはいるが、もはやジジイも、限界だった。
279:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:40:40.72 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「よしのは…よしのは余命半年ながら3年も生きた。俺が還暦の誕生日、あいつは死んだ」
ジジイは泣いていた。俺も泣いていた。浅い湯船に湯を増やすかの如く涙は流れた。止まる気配もない。止める気も…無かった。
ジジイ「…すまんな。こんな…」
俺「いいから…続けろ」
ジジイ「ふん!」
手で顔を拭った。ジジイはやっぱり若く見えた。
280:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:45:53.23 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「周りも良くしてくれた。特に生徒は花束をよくくれた」
ジジイ「でももう…そこにはおれんかったわ」
ジジイ「それで…ホームレスや」
俺「おかしいだろ。別にホームレスなる必要ないじゃろ」
ジジイ「…よしのはほとんど東京から動いたことが無かった。だから俺は使命を感じたんじゃ」
ここで使命という言葉を使ったのをよく覚えている。もう12年も前なのになw
281:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:48:57.44 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「俺はよしのに日本を見せるんじゃ」
ジジイは涙を流しながら笑った。俺は少しおかしくて、笑った。
俺「あんなに叩き付けて弾いてええんか?」
ジジイ「アホ、あれは音楽じゃ。しゃあないわ」
俺「…そうか」
言い返しはしない。ジジイがそういうならそうなのだ。
282:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:52:01.58 ID: DX2dcY/Q.net
ジジイ「…そうだ」
ジジイはもう泣いてなかった。顔をバシャバシャさせて、俺に聞いた。
ジジイ「お前、あのめくらの娘、好きか?」
いきなりの問いに俺は本当に溺れるかと思った。なんで五十鈴さんを?この流れで?
ジジイの目は…また真剣だった。
283:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)22:57:36.43 ID: DX2dcY/Q.net
俺「…ああ。好きだ」
ジジイは立ち上がって湯船を出た。そして振り替えって俺を笑った。
ジジイ「…曲を作るぞ」
帰って風邪なんてひかなかった。それから俺は彼女に隠れて初の曲作りをしていた。ジジイはとても、とても嬉しそうだった。
それから受験が終わった。家から一番近い公立に合格した。まあ別に勉強は出来たしランクも落として受験したしな。親父には不思議がられたが特に何も言われなかった。
284:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:02:30.72 ID: DX2dcY/Q.net
高校では部活を始めた。これは親父との約束だったからだ。入る部活も決められそうになかったからこれも親父に決めてもらった。
そこではいったのは弓道部だった。そこで二人の友達が出来た。音楽のジャンルが結構似通ってたし二人とも楽器をしてたからな。
ぼっちの俺はもういなかった。すげえ嬉しかった。
しかしある時事件が起こった。姉貴にジジイと会っているのを見つかった。
285:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:03:25.72 ID: DX2dcY/Q.net
今日はここまで。明日姉貴の誕生日なんでお祝いしてきます。バイバイ
286:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:07:30.88 ID: 5k1cjVWL.net
お疲れ様
面白かったー
287:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:22:59.01 ID: 5EEJJqPi.net
きょーも面白かった
あしたもよろしく
288:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:47:43.56 ID: fvJuAyv3.net
イッチーブラックモアにわろた
289:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/24(木)23:47:46.21 ID: 6HVqq74V.net
乙ー!
今日も面白かった!
続き楽しみにしてるよ!!
ねえちゃん、誕生日おめでとう!
290:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/25(金)02:20:00.39 ID: +j3erFBF.net
楽しみにしてます
295:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/25(金)12:53:17.72 ID: WJpgX/AQ.net
よく昔の会話を詳細に憶えているもんだな
296:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/25(金)12:56:28.59 ID: Z3zZavpA.net
それだけ思い出深かったんやろ
313:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:35:14.11 ID: FVaEeH7f.net
姉貴「…なにしてんの?俺?」
正直いつもの公園ならばれないと思った。トレーニングの為にランニングを始めた初日だったらしい。
ジジイは全然動じてはいなかった。
ジジイ「おりょ?知り合いか?俺」
一方の俺は汗だくだった。姉貴は怒るとメチャクチャ怖い。さらに親父はもっと怖かった。二人とも普段は温厚なのに怒ると怖いんだ。それは今も変わらない…
314:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:36:46.30 ID: qq1W0XHq.net
いつも仕事おつかれ
315:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:37:21.61 ID: FVaEeH7f.net
姉貴「どうみてもホームレスでしょ?なにしてんの?」
俺「…ギターを」
姉貴「聞こえない。はっきり喋って」
ジジイは笑っていた。
俺「ギターを教えてもらってた」
俺と姉貴の尋問は続いた。
姉貴「…いつから?結構前からなんでしょ?」
316:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:39:17.79 ID: FVaEeH7f.net
俺「えーと…1年くらい前から」
姉貴「1年!?受験だったのに!?」
ジジイはまたガッハッハッと笑った。俺はそれどこじゃない。
俺「で、でも高校はちゃんと受かったし」
姉貴「ランク落としてたでしょ!」
俺「…」
317:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:42:22.18 ID: FVaEeH7f.net
ジジイは立ち上がって姉貴の肩を叩いた。姉貴はすぐその手をはたいた。
ジジイ「ふーん。姉ちゃん、楽器は?」
姉貴はとても冷たい目をして言った。
姉貴「関係ないでしょ。近づかないで」
ジジイよりも俺のほうがぶちギレそうだった。
俺「あのさ、ギター教えてもらった、いわく先生なんだよ。失礼すんなよ」
318:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:45:31.60 ID: FVaEeH7f.net
姉貴「うるさい。家に帰るよ。その人も一緒だよ」
ジジイは気にせずまた座ってギターを手に取った。俺は内心焦った。親父の元に連れてかれるのは勘弁だったからだ。
ポロロン…
俺「あっ…」
ジジイはリトル・マーサを弾き出した。五十鈴がよくしていたので覚えていた。
姉貴「…うま」
この時だけ少し姉貴の目が優しくなった。でもすぐに俺を向いて
姉貴「行くよ」
319:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:49:13.67 ID: FVaEeH7f.net
俺「…お、うん。じゃあジジイ頼むよ」
ジジイはふうっと溜め息をついてしゃあないわと立ち上がった。
そうして3人で重い足取りで家に行った。ジジイは俺の家が見えると俺にいい家だなと呟いた。それに誰も返事を返さない。
家に入ると親父はコーヒーを飲んでた。姉貴はすぐに親父に向かって話した。
姉貴「こいつホームレスなんかにギター教わってたから高校のランク落としたんだよ!」
320:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:53:03.02 ID: FVaEeH7f.net
明快にしかも単刀直入に切り出した。親父はゆっくりこっちを見て「なんだと?」と言った。ドスが効いてて凄く怖かった。
だけどすぐに親父の態度が変わった。驚いた顔でこっちに来た。
親父「…ジジイ、先生?」
俺と姉貴は頭に?を浮かべて親父を見つめた。ジジイも誰だか分かってない様子だった。
親父「やっぱりだ!先生でしょう、ゼミの親父ですよ!」
321:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:55:36.06 ID: FVaEeH7f.net
ジジイはまだ覚えていないふうだった。それに見かねて親父は本棚をガタガタいじって1冊の本を出した。
親父の大学のアルバムだった。
親父「ほら!これですよ!」
ジジイ「うーん…ああ、親父君か!久しぶりだなあ」
親父「…お久しぶりです!」
そういって親父は泣き出した。親父が泣いた回数はホントに少ない。だからとても印象深い。姉貴もそうだった。
323:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:01:28.54 ID: FVaEeH7f.net
ジジイ「何も泣くこたあねえじゃねえか。久々じゃ」
親父「だって…旅に出たと聞いて、それで」
親父は涙のせいでポツポツとしか話せなかった。俺も姉貴もどうしていいか分からなかった。姉貴が気をきかせて全員テーブルにつかせた。
ジジイ「親父、おかんさんと付き合ってたろ?どうなった?」
笑ってジジイはおかんの名前を出した。俺が4つの時に死んだおかん。いや母さんと言ってた…気がする。
322:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)21:59:58.81 ID: rNz7Z5bd.net
こーゆーのが現れるから酉付けた方がいいのかなるほど
324:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:02:01.88 ID: FVaEeH7f.net
あー!つけるの忘れてた。仕事しすぎかな…ありがとうございます!
325:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:05:43.28 ID: FVaEeH7f.net
親父「おかんさんは…結婚出来ましたよ?10年少しに亡くなりましたけど」
ジジイは少し悲しい顔をした。ジジイは一言「そうか」とだけ。
親父「約20年ぶり?ですかね?」
ジジイ「お前いくつだ?」
親父「42です」
ジジイは親父の肩を叩いてまだ若いわと笑った。
326:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:09:59.21 ID: FVaEeH7f.net
親父「その肩を叩くのも懐かしいです」
親父はやっと涙が止まった。姉貴がそこで切り出した。
姉貴「…こちらの方は?」
親父が言った。
親父「俺の大学の先生だ」
姉貴は意外という顔をしてジジイを見た。俺は親父がジジイの教え子という事実に驚いたがそれよりは嬉しかった。
親子2代で同じ師をもつという不思議な感覚。そのことに喜んでいた。
327:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:13:28.16 ID: FVaEeH7f.net
親父「それで…俺よ」
俺「へ?」
親父「どこで知り合った?」
いきなり飛んできた矢に俺はドキドキしながら今までの経緯を説明した。時々ジジイが補足をしつつこの1年と少しの説明をした。
親父はそれを真摯に聞いてくれた。時々へえやほうなど相槌をうちながら。どこか俺の話を羨ましそうに。
328:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:17:49.28 ID: FVaEeH7f.net
親父「…分かった」
姉貴はもう怒って無かった。それよりギターを聞きたそうだった。
親父「そうだ!ご飯、食べてって下さい!」
そうして初めてジジイと飯を食べ、家の風呂に入り、同じ部屋で寝た。姉貴はジジイが怪しい人間じゃないことが分かるとギターのリクエストをした。
姉貴「私ギターもしてたけど良くできなかったんだよね…」
姉貴「あれ弾きたかったんだよね、オアシスのワンダーウォール!」
329:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:20:42.87 ID: FVaEeH7f.net
ジジイは笑って俺を見た。
ジジイ「姉ちゃん、それは俺の世代じゃねえなあ。俺、弾けるか?」
俺「…うん、練習したから」
姉貴「え?あんたが?」
姉貴をギャフンと言わせたくて実は練習していたのだ。姉貴がこの曲が好きなのは知っていたから。
ジャラーン
初めてジジイと五十鈴以外にギターを聞かせた。リビング、台所には親父。二人に対してのライブだった。
330:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:25:49.57 ID: FVaEeH7f.net
姉貴は出来るじゃん!と褒めてくれたし親父は頑張ったなと声をかけてくれた。それだけで俺は何万人からの拍手をうけたみたいな気分だった。
次の日からジジイはまた出ていった。親父は少しの間でもうちで住まないかと聞いたらしいがジジイが断ったという。
それからは普通だった。またジジイにギターを習いにいく。今度は親父に隠す必要は無くなった。時々姉貴もついてきた。
そして俺はバンドを組んだ。弓道部の友達二人とだ。主にドラムの奴のせいでジェフ・ベックをよくした。曲は好きだったがギターは凄く難しかった。
332:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:29:47.04 ID: FVaEeH7f.net
それから五十鈴に向けての曲作りもしていた。姉貴も意見をくれた。最初はインストゥルメンタルにしようとしていたがやっぱり言葉が欲しいという姉貴の意見で歌詞をつけることにした。
そして1ヶ月ほどたったある時五十鈴から話を持ち掛けられた。
五十鈴「私ね、ジジイさんに凄く感謝してるの。だから曲をプレゼントしたいなって思ってるの」
思わず吹き出しそうになる。結局、考えることは一緒だったのだ。
俺はバンドでジェフ・ベックを、ジジイと五十鈴に曲を、五十鈴とジジイに曲をという忙しい生活を送ることになった。
333:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:31:41.14 ID: FVaEeH7f.net
昨日は姉貴の誕生日だったのでここに来れませんでした。ごめんなさい。また来ます。
334:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:39:50.08 ID: nBAVn42A.net
いつもありがとう
335:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)22:58:26.61 ID: uoce1hcy.net
無茶苦茶面白いよ!
336:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)23:08:43.21 ID: JOP1F0iE.net
お疲れ様今日も面白かったよー
ありがとう
337:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/26(土)23:58:53.66 ID: dwZ0/p0R.net
親父がジジイの教え子だったなんて凄い偶然があるんだね
338:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/27(日)04:18:12.03 ID: k1z7SDOM.net
楽しみにしてます
340:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/27(日)23:43:12.26 ID: or0MSaEv.net
突っ込まない勇気なww
続き頼む
345:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:21:08.97 ID: fuLAD+3O.net
それから高校の部活もこなしつつ夏休みになった。
夏休みはよく五十鈴と遊んだ。端から見ればデートだったのだろうが俺はデートにしたかったのだ。五十鈴に内緒で曲を作った。
そしてとうとう出来上がった。つたない、2分半ほどしかない曲だった。内心喜びと不安が同居していた。分かるかな?この気持ち。
曲名は今でも覚えている。というより今も自分のレパートリーだ。
『Hold My Hand』だ。
346:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:24:26.12 ID: fuLAD+3O.net
彼女の家に行き、彼女のお母さんに席をはずしてもらって、手筈は整った。
五十鈴「どうしたの?」
彼女には何もおしえていない。ジジイに向けた曲の練習とも勘違いしていた。
俺「そ、そうじゃないんです。1つ聞いて欲しい…ものがあって」
元来人前で喋るのは苦手だったんだよね。でも1つ1つ振り絞って声を出す。
俺「それで、えーと五十鈴さんのために曲を書いたんです!」
五十鈴「え?」
347:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:28:13.08 ID: fuLAD+3O.net
俺「今年の初めから書き出して、凄い時間かかっちゃったけど、一生懸命作ったんです!」
バリバリに保険をかけてギターを手に取り歌を歌う。
演奏が終わったときには俺は泣きそうだった。ミスしなかった悦び。想いが届いたかどうかの不安。たった数秒でも俺には凄い時が流れた。
五十鈴「…私ね、嬉しい」
そういって彼女もポツリと話し出した。
五十鈴「…好きなんでしょ?私のこと。でもだめ。盲目だから」
348:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:31:26.56 ID: fuLAD+3O.net
俺「え、あと…」
こんな時すらすら言葉が出てくれば。日頃のコミュニケーションが足りない証拠だった。
五十鈴「私も、好きでした。顔は分からないけどずっと優しさは伝わったから」
彼女はゆっくりと、綺麗に喋る。
五十鈴「でもね、苦労する。私は盲目だし妹は多指症。いじめられるよ」
初めて知った事実もあった。彼女の妹は多指症だった。しかも同じ高校というのも後に分かる。
349:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:34:58.71 ID: fuLAD+3O.net
俺「で、でも!ホントに好きです!バカみたいだけど、ホントに好きなんです」
今から思い返してもバカな一言だ。もっとましな返しは出来んのかw
五十鈴「…困る」
俺「?」
五十鈴「諦められないじゃん!」
バンと立ち上がって彼女は大きく後ろに転げた。俺は慌てて寄り添う。
五十鈴「こんななのに!ホントにいいの!?」
気づけば彼女は泣き叫んでいた。俺はただ狼狽えるだけ。自分の無力さを嘆いた。
350:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:39:07.88 ID: fuLAD+3O.net
俺「…はい。大丈夫です。俺が脆いっすけど、ステッキになります」
今でもこの台詞は揶揄される。それだけ思い出深かったのだろう。
彼女はただ俺に抱きついた。結果、五十鈴は年上の恋人になった。
ジジイにその事を話すとパアッと明るい顔になって俺の肩をバンバン叩いた。
ジジイ「そうか!良かったじゃねえか!ちゃんと杖になりやがれよ!」
ジジイはそれからも変わらず二人にギターを教えてくれた。そんな事が永遠に続くと思ってた。本当に。
351:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:44:03.95 ID: XpR8sVE1.net
ギター上手いホームレスとかxjapanのタイゾーしか思いつかねーわ
352:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:44:59.90 ID: fuLAD+3O.net
俺と五十鈴はジジイに向けた曲を書き上げた。かなり時間がかかった。バンドもしてたから大概五十鈴に任せっきりなってしまった。これが今でも後悔の元だ。
ある時ジジイの家?に言って改めて話をした。
ジジイ「ほーん、曲ねえ?」
五十鈴「俺君頑張ってたんです!聞いてください!」
俺「いやいや何もしてねーよ、殆ど五十鈴さんで…」
ジジイは頭を掻きながら分かった分かったというように手を振った。
353:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:51:50.31 ID: fuLAD+3O.net
ジジイ「早く聞かせてくれ。あ、そうだ」
ジジイはそういって自分のギターを取り出した。
俺「なにしてんの?」
ジジイ「いやー、そんな曲ならよしのでひいてくれよ?思い出になる」
そういって"よしの"を取り出した。初めて、初めてジジイのギターに触れた。どことなく温もりがあって、力強い何かを感じた。
俺「いいんか?」
ジジイ「…もういいじゃろが。お前なら」
そういって二人で、一緒に、歌った。
354:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)21:55:58.03 ID: fuLAD+3O.net
ジジイは黙って聞いてくれた。演奏が終わると静かに拍手をしてくれた。俺も五十鈴も驚いた。でも嬉しかった。
ジジイ「…俺よ。もうちょっと上手くはなれんのかw」
俺「おいおい、今の流れでいう言葉じゃねーぞ」
そういって3人で笑った。季節は秋に入っていて外は少し寒かったが俺らは暖かかった気がする。
ある時バンドで地元のホントに小さいライブハウスでライブをした。俺らにはベースがいなくて姉貴が請け負ってくれた。
355:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:00:47.25 ID: fuLAD+3O.net
ジジイは五十鈴に金を借りたらしく一番前で酒をのみ、タバコを吸いながら俺らを囃し立てた。
この時三バンドの対バンで、手違いでトリになったのもいい思い出だ。前の二バンドはとても上手くてメチャクチャ緊張してた。
ステージに上がると最初に声をあげたのはジジイではなく五十鈴だった。
五十鈴「俺君頑張ってよ!」
こうなると後には引けないし、ミスも出来ない。ジジイも囃し立てる。
ジジイ「ミスったらそのテレキャスへし折るぞ~!」
356:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:04:55.68 ID: fuLAD+3O.net
観客は笑う。俺はますます緊張した。俺の緊張を解そうとしたみたいだが逆だった。
他の二人(プラス姉貴)はその言葉で緊張がほぐれたらしく笑みがこぼれていた。
最初の曲はジェフ・ベック・グループのシチュエーション。必死に練習したんだ。この曲はそつなくこなした。
問題は二曲目だった。前のバンドと曲が被ったのだ。曲はクロスロード。もちろんクリームの方である。
357:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:10:27.00 ID: fuLAD+3O.net
俺「ホントにやるか?」
全員はおうとうなずく。しょうがない。諦めた。
みんな最高だった。ジジイはいいぞいいぞーとずっと騒いでいた。周りもノリノリだった。二次会は俺の家で行われた。もちろんジジイも五十鈴も同じだ。
キーボードのやつはジジイに気に入られてた。ずっとジジイと腕相撲してた。俺はドラムの奴に五十鈴のことでいじられてた。親父は夜遅くまで遊ぶ俺らに何も言わなかった。
358:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:14:43.01 ID: fuLAD+3O.net
高一の終わり。ジジイがあることを言い出した。
ジジイ「俺はな、短歌が好きなんじゃ」
俺「短歌?」
ジジイ「あんなに完成されたものはない。俺はずっとブルースをしてるが短歌もしてみたいんだよ」
初めて聞く。短歌だって?俺からしたら意味の分からん文章でしかなかった。
ジジイ「好きな短歌があるんじゃいつしか聞かせてやる!」
今聞かせろよ!そう思った。でも聞かなくて良かったと今は思う。
359:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:21:13.38 ID: fuLAD+3O.net
その話を聞いた次の日いつもの如くジジイにギターを習おうと今度はジジイを家に呼んだ。
すると少しジジイは親父に話していた。親父はそうですか、そうですか。と俯き喋っていた。
その日初めてスライドバーを使ってブルースをした。確か曲は子牛のブルースだったはず。
ジジイはまたうめえぞと言って俺の肩を叩く。俺はやかましい、と返す。まあ普通のやりとりだった。
360:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:24:08.84 ID: fuLAD+3O.net
そして練習が終わってジジイが変な事を言い出した。
ジジイ「あー…お前のギター貸せや」
俺「は?」
ジジイ「お前のギターいいおとするから帰って弾いてみたいんじゃ。ええやろ?」
それくらいならとギターをケースに入れて渡した。ジジイは俺のギターを肩に、ジジイのギターは手に持って帰っていった。それが最後のジジイの姿だった。
361:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:29:08.48 ID: fuLAD+3O.net
朝起きて学校に行く準備をして外に出る。すると玄関にギターが立て掛けてあった。
俺「手渡しにこいよ…あのジジイ」
一旦ギターを部屋に置いてそれから学校に向かった。そして家に帰ってギターをケースから取り出した。今日は五十鈴が家に来る、なんて想いながら。
ギターの裏板に何か書いてあった。それは旅行に太宰府天満宮に行った時によく見た短歌だった。
東風吹かば
匂いおこせよ
梅の花
主なしとて
春を忘るな ジジイ
362:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:31:44.91 ID: fuLAD+3O.net
意味がわからず親父を呼ぶ。
俺「親父ぃ!見てくれ、どゆいみ?」
親父はその短歌を見てすぐに泣き崩れた。俺はおろおろするばかり。
ピンポンとチャイムがなり五十鈴と妹が来た。
俺「あー…一応上がって?」
親父はまだ部屋で泣いていた。妹はどうしたの?と不安そうに俺に聞く。
俺「俺にもわからん」
363:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:34:43.26 ID: fuLAD+3O.net
妹がその短歌が書かれた俺のギターを手に取る。
妹「俺って…古文出来ないの?」
俺「国語は現代文だけやな。あとは世界史は得意…」
妹「ふーん…」
五十鈴もおろおろしていた。何がおこってるのかよく分かってないのだろう。
親父がぼそりと呟いた。
「大事にしろ」
364:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:37:54.91 ID: fuLAD+3O.net
それから次の日に先生に聞いた。そこで全てを察した。学校なのに大泣きした。部活もサボった。ジジイを探し回った。いつものジジイの家、公園、駅前、先頭、屋体、タバコ屋。どこにもジジイはいなかった。
家に泣きながら帰ると親父が玄関に立っていた。
親父「お前、部活をサボったそうだな…」
そんなことどうでもいい。ジジイのことしか頭に無かった。
親父「…話がある」
365:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:42:59.36 ID: fuLAD+3O.net
そういって親父は親父の部屋に俺を招き入れた。親父はジジイからの最後の伝言を聞いていた。
ジジイは俺が立派なギタリストになっていること、長居はするつもりはないこと、五十鈴によろしくということを言い残したそうだ。
俺には何も心に来なかった。というより大切な親友が死んだみたいに絶望?した。何故それを直接言わなかったのか、何故突然また旅に出たのか。
疑問しか浮かばなかった。
366:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:46:44.00 ID: fuLAD+3O.net
俺は黙って親父の話を聞くだけだった。涙は流れ続けた。
親父「…なあ、俺にもギターを弾いてくれよ」
親父は突然言い出した。
俺「え?」
親父「先生、すげえだろ?昔はもっと怖かったんだがな」
親父「まあいい、とにかくやってくれよ」
親父は俺のギターを勝手に持ってきて俺につきだした。
親父「何でもいいさ。ほらブルースとかしてくれよ」
367:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:49:59.06 ID: I6/vjpd7.net
その短歌どういう意味やねん
368:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:50:41.15 ID: fuLAD+3O.net
ブルースなんか歌えない。でも歌えというなら俺は歌う。簡単なブルースだ。ジジイにも全く届かない腕前だけど、全く届かない声色だけど、俺は歌うと決めた。
俺「…あ、じゃあ…ヘイ・ジョーってやつ」
親父「ジミヘンか、いい趣味じゃん」
ジャラーン
二人して泣く。親父はいつの間にか母さんの写真を持ってた。俺はヘイ・ジョーを歌った。五十鈴が最初に教えてくれたジミヘンの曲だった。
それから五十鈴にも説明した。ジジイは旅に出たことを。五十鈴はそうとだけ呟いて顔を背けた。
369:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:56:05.40 ID: fuLAD+3O.net
俺は黙って五十鈴を抱き締めた。五十鈴が泣いた気がした。気のせいなんだろうけど。
そして短歌も聞かせた。五十鈴はジジイさんはカッコつけすぎと僅かに笑った。
それからバンドで色んな曲をした。いつしか俺はバンマスになっていてブルースロックをよくした。
ブルースをやっているときだけジジイと繋がってる気がするからだ。
今になってもジジイを探そうという気はあまり起きない。いつの日かひょこっと戻ってきそうだから。今ジジイは80かな?あのジジイは100まで死にそうにないからなw
ジジイと別れて約10年、ジジイの記憶だけは忘れたためしがない。それだけ俺とジジイの関係は密だったんだ。
370:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)22:58:18.46 ID: fuLAD+3O.net
369まで聞いてくれてありがとうございます。周りに当時のこと聞きまくって自分の記憶の裏をとってました。
仕事が忙しくて全然来れないときあったけど暇つぶしなのにこんなに読んでくれてありがとう。ホントに、事実なんですよ。不思議でしょ?
答えられることなら質問受けまーす。思い出したら泣けてきたwww
371:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:00:21.92 ID: OQHfIWww.net
>>1は今でもよく弾くの?
あと五十鈴とはその後どうなったの?
もし良ければジジイが去ってから後の話も聞きたい
373:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:02:29.03 ID: fuLAD+3O.net
>>371
今でもよく弾きます。ライブなんかもしてます。
その後書いたほうが良いですか?
378:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:09:49.22 ID: OQHfIWww.net
>>373
簡単でいいからできれば書いてほしい
372:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:01:44.02 ID: NzIuzE56.net
おつかれ
いい話をありがとう
五十鈴さんとはどうなった?
今もギターは弾いてる?
377:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:09:33.93 ID: 68mpXcD4.net
ジジイ公園でリゾネーター弾いてて苦情言われなかったんだろうか・・・
379:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:10:50.43 ID: fuLAD+3O.net
>>377
公園の回り人気無さすぎたんで…逆に駅のときに止められなかったのが今は謎ですw
381:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:14:48.53 ID: 1CzpEE34.net
みんなが一番聞きたいのは五十鈴ちゃんがどうなったかだろうなw
382:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:16:58.27 ID: fuLAD+3O.net
高校の終わり頃に親父が病気になった。なんか重い病気らしくすぐ入院した。
姉貴は大学言ってたけど、見た感じ行けそうもないなと思ったから俺は叔父に頼んで高卒で就職した。
それからバンドに五十鈴と姉貴、さらにベースの奴の彼女を正式にバンドに入れて スウィート・ピーチってバンドに名前を変えた。
俺が20になった夏親父が死んだ。親父は最後に俺に泣くなと言ったから泣かなかった。俺らは叔父の家に引き取られた。
388:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:27:17.53 ID: Ou2i1L+Z.net
>>382
成人してたら引き取られるとか無くね?
389:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:28:30.31 ID: fuLAD+3O.net
>>388
何故か取られた。叔父は姉貴に独り暮らしさせたくないっぽく。俺は今は五十鈴の実家に住んでるけどね。
姉貴はまだ叔父叔母いとことすんでるわ
391:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:31:14.09 ID: Ou2i1L+Z.net
>>389
あぁそういう意味で書いたのね
384:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:21:37.58 ID: fuLAD+3O.net
五十鈴も悲しんでくれた。俺はそれからよく五十鈴と会うようになっていった。バンドメンバーは全員五十鈴を支えてくれた。
五十鈴の家に止まることも多くなった。因みに高三の時に五十鈴の妹と同じクラスになって仲良くなった。
そして俺が24になって、五十鈴が27。五十鈴はジミの歳になっちゃったなんて言ってたっけ。俺が告白した。
俺「一生貴女のステッキにさせてください!」
そして俺らは結婚した。五十鈴はただただ俺に抱きつくだけだった。
385:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:24:20.73 ID: fuLAD+3O.net
今じゃ五十鈴はキャンディスナイト。俺はリッチーブラックモアになってる。五十鈴へは婚約指輪は渡さなかった。俺が渡したのはお互いの名前が深くほってあるサムピック。
キザだなー俺www今からしても恥ずかしいわ。現在五十鈴は産休だけど実家のCD屋を義母さんと営んでる。目が見えないというのはあんまり重要じゃないらしい。彼女いわく。
386:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:25:04.86 ID: 1CzpEE34.net
そうかそうか、それなら良い!お前さんと一緒になったなら、それで良い!
387:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:25:22.50 ID: fuLAD+3O.net
五十鈴は来週30。今年くらいは五十鈴にギターの音色をプレゼントしようと思ってる。
何の曲がいいかな?お前らに聞きたい!
394:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:40:11.47 ID: lsD4K5kd.net
>>387
Eminem/Love The Way You Lie
396:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:42:21.47 ID: fuLAD+3O.net
>>394
聞いたことなかったんで聞いてみますね!ありがとうございます!
390:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:29:14.97 ID: 6u5DA7pw.net
ピープル・ゲット・レディー♪
392:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:33:04.30 ID: fuLAD+3O.net
>>390
ピープル・ゲット・レディいい曲ですよね!俺達も良くします!
393:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:39:44.45 ID: 1CzpEE34.net
BE MINE TONIGHT
ちょっとシチュエーションに合わないかなw
395:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:42:01.80 ID: fuLAD+3O.net
>>393
ブラックモアズ・ナイトのギターがここで活きてくるかも!
397:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/28(月)23:50:54.27 ID: 1CzpEE34.net
>>395
同名の曲が他にもあるなかですぐにそこを出してくるとはさすがですなw
398:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:03:28.57 ID: nvHr037i.net
今全部読んだ
実話なら凄すぎってか、良い意味で時代錯誤でしょ
いまどきCreamのcrossroadsなんて演奏するバンドいんのか
399:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:06:09.18 ID: nvHr037i.net
Since I've Been Loving YouかウィリーディクソンのI Can't Quit You
やってみて
400:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:19:09.29 ID: iFqa1ISA.net
>>399
貴女を愛し続けてはやったことありますがI Can't quit youは盲点でしたね…練習してみます!
401:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:22:18.70 ID: 1ZKRk9Yj.net
五十鈴さんと結婚してたんだね!
幸せそうで良かった
凄く面白かったー
402:青南蛮 ◆BANBAN.Bj6 @\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:40:32.43 ID: 1MHgvgQy.net
先生の作品は本当に好きだし特に文句はないが
終盤がダレるが短くまとめてるのはすごい
恋愛モノ抜きでなんか書いてくれ
スタンドバイミーみたいなやつ
子供の冒険のも大好き
403:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)00:47:10.91 ID: +8PFL9X0.net
凄い話だった
404:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)02:00:21.23 ID: 0khH4IJD.net
短歌の意味教えろよ
405:イッチー・ブラックモア@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)06:53:57.64 ID: iFqa1ISA.net
>>404
短歌の意味は東風が吹いたなら主人がいなくても春を察知して花よ咲け。という意味の歌です。
菅原道真が太宰府に左遷されたときに自分の好きだった梅の花によんだとされる歌です。
407:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)07:21:55.10 ID: CxGaphCT.net
>>404
俺はもう生きてこの地を踏む事もない
だがお前は梅の木の様に花を付け
東風に乗せその香りを俺に届けてくれ
俺は生きてお前には会えないだろう
だが>>1は今まで通りの生活をし
俺にギターの音色を届けてくれ
こんな感じじゃね?
別れの句と思う
406:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)07:04:54.09 ID: 8t3hUxhS.net
多分、だけど
じじいが梅の花の短歌が好きだったってのもあるかもしれんが
その歌にじじいが託した意味は「俺がいなくてもギターを弾き続けろよ」だと思う
小粋なじじいだな
408:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)08:05:16.90 ID: Qf6wS9SY.net
面白かったよ、>>1ありがとう
409:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)08:11:21.79 ID: 0OvhgXIF.net
何だか短歌ってカッコいいな
410:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:15:11.78 ID: gXjUnSeL.net
これ、ドラマ化か映画化したら化けるぞ。いっちーはすぐに本の執筆をした方がいい。ギターブーム起こすかもよ。
411:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:36:37.11 ID: MR6lObF6.net
面白かったありがとう
412:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:53:01.11 ID: wdzfz4qE.net
>>1
もしよければギター弾いてうpしてくれよ
スモークオンザウォーターで頼む
413:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)10:53:18.60 ID: dxz4UCZV.net
Listen what the man saidとかどうだろう
love is blindってさいう歌詞が好きなだけだが
414:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2016/11/29(火)16:35:04.67 ID: Q/L5FQoa.net
乙
おもしろかったよ
引用元:ホームレスにギター教えてもらった思い出
元彼【お前と結婚する権利がある!】→シカト!「埋めてやる!」突撃してきた… [恋愛]
365 : 貞子 ◆ieqOl5CuAU 2011/08/14(日) 22:27:50.73 0
高校の時浮気されて別れたアフォからロミオメール
件名:俺の天使(ハァト)
内容:どうして俺に行き先を教えてくれなかったんだい?
君と俺は生まれる前から赤い糸でつながてるんだよ(ハァry
浮気子は俺を惑わし君を遠ざけたけれど、あれは一時の夢さ
俺は君を伴侶にする義務がある、君には俺と生きる義務がある
君は俺なしじゃ生きていけないだろう?俺も君なしじゃry
明日君の家に行くよ、待っててね俺の女神
〜以下、自分語りっつーか誇張してるけどよくよく見ればただのカス話〜
天使どこいった 生きてますけど 一生夢見てろや
実際どういう経緯か住んでるマンションに凸ってきたが無視
共同玄関掻い潜ってピンポンしまくり「出ないと頃す!」だったのでKに絞ってもらった
「君に会いたいだけなのに」「恋愛に障害は付き物だよね」「目隠しを解いてあげる」
「俺は君の太陽、君は太陽なしじゃ生きられなry」「呪縛ry」
などなど寒いのが北が「障害はお前だカス」とだけ送りアド変した
Kによほど絞られたのか小物なのか凸は今日までない
372 : 名無しさん@HOME 2011/08/15(月) 02:46:29.97 0
>俺は君の太陽
最低な脅迫してる癖に、デカく出たものだw
368 : 名無しさん@HOME 2011/08/14(日) 23:58:49.31 0
自宅凸してピンポン連打で頃す…
どうみても脅迫ですありがとうございましたって言いたいね
375 : 名無しさん@HOME 2011/08/15(月) 09:53:50.47 0
15年前はピンポン殺すでK読んでも「男女関係のもつれ♪コロされてから連絡してね」
だったのに今は絞ってくれるのか…信じられない
相手は交際なんかしてない思い込み男だったのにな
388 : 貞子 ◆ieqOl5CuAU 2011/08/15(月) 20:45:16.30 0
乙ありがとう、書き逃げのつもりだったけど1レスだけさせて
警察の人は若手と熟練っぽいオッチャンが来たんだけど
若手は>>375さんみたいな色恋沙汰メンドクセタイプでかるーく注意だけで済まそうとしてたけど。
熟練ぽいオッチャンが「何かあってからじゃ遅いんだ!!」と若手に怒鳴り、アフォを張り倒しそうな勢いで説き伏せてた。
引用元 https://kohada.open2ch.net/test/read.cgi/kankon/1394892969/l50
4年間、意識が飛んでたワイ。目が覚めたら恋人は他の男と結婚→ワイの恋人「......」と謝られたが....「4年の空白に何が起きたんだ....」 [衝撃な出来事]
594:鬼女まとめ 15/04/01(水)18:30 ID:4v3
4年間、意識がなかった
その間は普通に寝てる感じで、特にたくさん寝たって感じはしなかった
夢も見てたと思うけど、目を覚ましてしばらくして全部忘れてしまった
目を覚ましたとき、家の天井じゃないってのはわかったけど、
どこここ?ってしばらく寝ぼけた頭で考えてた
起きようとしたけど体がものすごく重くて動かせなくて困った
たまたま女性(看護婦さん)が近くにきたので声をかけようとしたら声も出なかったし、口もあんまり動かなかった
でも身じろぎしたのをわかったのか、女性がこちらをびっくりしたように見て、ドラマみたいに「先生~!○○さんが!」って
叫びながらどっかに行ってしまった
きょとんとしてる間に人がわらわらきて、その中に母親もいたんだけど、雰囲気が全然違ってて一瞬別人かと思った
全然覚えてないんだけど、会社帰りによそ見運転の車がスリップしたところに巻き込まれたらしい
手術で頭の中の血の塊は取れたけど脳の腫れが収まらなくて、危篤状態までなったとか
その後何とか脳の腫れは収まったけど、意識が戻らないまま4年が経過したそうだ
当時付き合ってた恋人はいつの間にか他所の奥さんになってて、泣きながら謝られたけどどうしようもなかった
自分をはねたという人にも土下座されたけど、ものすごくやつれててかえって可哀想に見えた
刑務所を出てなんとか就職して、給料のほとんどを俺の入院費にあててくれって持ってき続けてたそうだ
4年間も寝てると体の内外の機能が衰えてて、怪我も完治してるのにまともな生活ができなくて苦労した
半年以上リハビリに費やしてからようやく仕事を探そうと思ったけど、全然見つからなかった
親に「障がい者枠で探してもらったほうがいいのでは」と、暗に障がい者手帳をもらえと諭されたけど
(もらおうと思えばもらえるくらいの後遺症はある)
変な意地が出ちゃって、前職の経験を思い出しながら、やっぱり半年以上かけて資格とってやっと机仕事についた
資格取ったといっても、実務経験がないと無意味な資格だから、毎日修行みたいな気持ちで仕事してる
最近ようやく一人で顧客持たせてもらえるようになって、やっと「ああ回復したんだなぁ」って実感した
596:鬼女まとめ 15/04/01(水)18:40 ID:ww5
>>594
お疲れ様
あと仕事おめでとう
597:鬼女まとめ 15/04/01(水)19:42 ID:D3n
>>594
回復して良かったね!
すごい頑張ったのが伝わってきたよ。
598:鬼女まとめ 15/04/01(水)20:26 ID:ZSH
ありがとう
もうちょい頑張れば、事故に遭う前と同じ基本給になる
頑張るよ
600:鬼女まとめ 15/04/01(水)22:55 ID:x8s
>>594
リアル浦島状態か…すごいな
回復して本当に良かった
601:鬼女まとめ 15/04/02(木)02:26 ID:CRL
>>594
おかえり
かえってこれてよかったなぁ
孤独を感じる時もあるだろうけど俺はここで全力で歓迎するよ
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【緊急】ワイ25歳、HIV陽性と判明→ こういう症状出てたらヤバイぞ…人生諦めて好きな事をしろ!「俺からのアドバイスだ」 [ゾッとする]
[悲報]ワイ25歳、HIV陽性だった
1: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:43:43.90 ID:68om+17T0
死にたいわこれから薬漬けの日々が始まる
4: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:44:16.51 ID:68om+17T0
ちな感染してから2年経過していた
152: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 06:15:32.39 ID:PtAXgB9PM
>>4
ヒェッ
7: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:44:35.38 ID:68om+17T0
風呂屋で生なかったなんてした罰や
10: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:44:52.14 ID:1l5fpbUM0
なんでわかったん?
14: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:45:40.59 ID:5ql8B1/eM
ワイもHMV陽性反応出たわほんま辛い
15: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:45:47.99 ID:68om+17T0
2年前正体不明の高熱に侵されたんやインフルでも無かった結局明確な病名は出なかった
最近HIVについて詳しく知ることがあり初期症状があまりにも酷似していて検査したらこのザマ
18: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:46:12.48 ID:F0UHyjl50
HIVって寿命的には非感染者とほぼ変わらない所まできてるらしいやん
ただあんまり近づきたくないけど
20: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:46:47.32 ID:68om+17T0
なんj民もインフルににた症状が出て尚且つインフルじゃなかったらHIV疑ったほうがええ
27: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:47:32.44 ID:CLapEM20p
高熱ってどんくらいつづいたの?
32: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:48:15.04 ID:68om+17T0
>>27
2週間くらいや
40: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:49:04.06 ID:18s7tkQw0
>>32
続きすぎやろ
31: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:48:14.95 ID:FAk66xkD0
熱出た後はなんともないんか?
38: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:48:47.60 ID:68om+17T0
>>31
ないその後無自覚の期間に移行して5~10年後エイズになる
51: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:50:42.29 ID:FAk66xkD0
>>38
そんな後に発症するんか…
熱出た後は行為したんか?
54: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:51:17.07 ID:68om+17T0
>>51
してないで
34: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:48:27.33 ID:c8lWtMmV0
運悪すぎやろ、よっぽど風呂屋で遊んでたんか
怖すぎる
39: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:48:47.81 ID:EGiXMdMWd
なんやゲイやんけ
46: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:49:47.28 ID:68om+17T0
ゲイじゃないぞ風呂屋で遊んでるやつ気をつけろやそれとこのスレ見て検査に行ってくれると嬉しいで早期発見なら進行を止めるないし遅らせることは出来る
50: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:50:35.57 ID:E24bSV4P0
発症前に発見とか運ええやん
まだその段階で気付ければ余命もパンピーと変わらんぞ
53: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:51:05.04 ID:CLapEM20p
エイズの薬が発展したのはエイズが通常疾患並みに広がりすぎたからなんだよなぁ…
56: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:51:53.05 ID:68om+17T0
遊んでるj民検査受けてね
63: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:52:35.77 ID:w0/HR5Ox0
高熱って何度くらいやった?
70: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:53:34.58 ID:68om+17T0
>>63
39度まで上がったで
82: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:55:02.59 ID:7tMwVlZbd
>>70
39度が2週間続くってやばない?
脳に障害できるレベルやんけ
66: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:52:57.07 ID:sZZbvCCi0
その二年の間行為はしたんか?
75: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:53:57.25 ID:68om+17T0
>>66
オーラルのみ
89: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:55:58.98 ID:F0UHyjl50
エイズって粘膜感染だよね
病気ばら撒いてるやん
90: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:56:07.61 ID:6PYh1N+ka
おめでとう!
やばい最高に嬉しいわ
苦しんで死んでくれよ~
105: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 05:59:18.27 ID:gadoiNAn0
数年後死んでそう(偏見)
154: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 06:16:11.04 ID:ARTx65ZHH
潜伏期間長すぎィ
166: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 06:19:33.07 ID:RnfkThkU0
これで一流の陽キャやん
陰キャの大本営のなんJは卒業やな
168: 風吹けば名無し 2018/11/07(水) 06:20:20.10 ID:KFA1kBYL0
毎月出会い系使ってるからほんま怖いわ
感染したら迷惑にならんようにはよ死のう
引用元: ・[悲報]ワイ25歳、HIV陽性だった
義家族と温泉旅行へ行ったんだ!帰る時に従業員『灰皿とドライヤーが無くなっていて』私「えっ?」従業員『鞄中を見せてください』義兄嫁....結果・・・ [俺..泣いた!]
375
去年の夏に義両親、義兄家族、私家族、義妹家族で温泉旅行に行った。
わたし夫の会社が契約してる保養所みたいな感じで、社員が行く場合夫婦両方の両親も
連れて行けるように2部屋余分にとれるようになってる。(ただし希望者が多い時期は社員家族のみ)
一応社員がいく場合は本来会員になっていない人が泊まる料金の半額で泊まれる。
それで、去年の夏は義理両親と義妹夫婦が1部屋、私家族が1部屋、義兄家族が1部屋
で合計3部屋借りて旅行に行ったんだけど、なんと兄嫁ホテルの備品をこっそり盗んだ。
一応ホテル形式になってるから帰る際は部屋の確認をするのだけど、
その時にものすごく高い灰皿とドライヤーを勝手にカバンに入れて持って帰ろうとしたので、
精算時にホテル側から指摘されてばれた。それで結局ホテルのロビーで鞄を開けて返すという
大失態を犯したのに、さっき兄嫁から電話かかってきて今年の夏はどうする?だって。
頭おかしいとしか思えない。
義両親も義妹もものすごく怒って今後一切義兄家族とは旅行しないってことになったってのにさ。
今までは義両親の家に来たお中元やなんかを勝手にもって帰るだけだから放っておいたらしいんだけど
今後は冠婚葬祭以外は出入り禁止って言われたのに何でうちと旅行いけると思うんだか。
「無理です。」といってすぐに電話は切ったけど本当にあの神経がわからない。
心底わからない。
376
>>375
それはひどい
375夫名義でとってるんだよね、
やらかしたのは兄嫁だけど
恥かかされたのは375夫なのに
どこまで面の皮が厚いんだ
兄嫁もすごいけど、放置してる義兄もすごいね
377
冠婚葬祭もシラネでいいんじゃ…。
本人の葬式くらいは出てもいいけど。
378
>>375
うわあ酷い。恥をかかされたね。
何より375さんの旦那さんが泥棒義姉のせいで酷く迷惑被ったんじゃない?お気の毒に。
確かに頭おかしいね。それかもう窃盗が当たり前過ぎて、ぶっ飛んだ価値観持ってそう。
379
>>375
ちなみに、鞄から出てきた備品について兄嫁はなんと申し開きを?
ロビーでのご家族の反応kwsk
380
>>376>>377>>378
そう夫が一番困ったと思うし恥をかいたと思う。
>>379
自分の子供の頭をげんこつでぶんなぐって「どうしてこんなことするのっ!!!」
てやったら子供が号泣しながら「〇〇(子供の名前)煙草吸わないし
髪も短いからドライヤーなんかいらない〜。」って言って
義兄がもういい加減にしろと義兄嫁を怒鳴りつけてほんとどこの吉本新喜劇ってなった。
ただ平謝りしてくれた方がましだった。ホテルのフロントの人がものすごく憐れむような目で夫を見てたわ。
それで夫と私はひたすら謝ってたという。
本当にえらい目にあった。
383
>>380
うわー 子供が可哀想… スーパーやママ友宅でもやかして、ぬれ衣着せてそう
引用元 2ちゃんねる